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怖くない昭和幽霊は、海外悪魔(イケメン?)とSNSで意気投合する  作者: 小原みん
見つけてもらえない昭和幽霊

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1/7

昭和幽霊は、スマホを使いこなす

短編のつもりでしたが、話が膨らんできたので連載版として書き直しました。短編とは一部異なります

とあるSNSに投稿が上がる。


ーーーー

【yuu ko】


誰も私を怖がってくれない。

自慢の長い黒髪に、青白い肌。

お気に入りの白いワンピースには血まみれで、ふふふって笑えば飛びがる筈なのに。


見えているのに怖がられない……。


見えるわずかな人には、

「昭和かよっ」て笑われた。

「古い!」「大したことない」って!


落武者のおじさんの方が古いし、私を見ても反応はイマイチ!


見えて、怖がってくれる人いないかな〜。


ーーーー


廃墟の写真と共に、薄らぼんやり写る自撮りを載せた。

それでも、SNSはハートもメッセージもリプライもない。


えっ。私、ここでもイマイチ?

誰にも存在を認めてもらえないの?


若者が落としていったスマホを霊力を使って、使えるようになった昭和幽霊のユー子は、存在を見つけてもらおうと、SNS投稿に挑戦した。


若者が使っているのを、後ろから覗き込み使い方をマスターした。


最近の流行りも勉強した。


スマホは便利だ。

色んな情報が入ってくる。


SNSなるものを知って、これだ!って思った。


意を決して投稿したのに反応がない……。


えっ……使い方間違ってる?

投稿したと思ったけど、出来てない?

なんで?誰も私を見てくれないじゃない。


承認欲求の塊である、ユー子は何度も投稿を読み直す。


すると一件のコメントがついた。


ーーーー


【demon since666】


それな。

最近の若者は、何が怖いのかわからんよな。


ーーーー


やった!コメントとハートがついた!


ユー子は、飛び上がりコメントを何度も読み返す。


でもあれ?これ、海外からだ。

自動翻訳とか、令和はすごいわ〜。



ーーーー

【yuu ko】


本当ですよね。

demon since666さんは、国は何処です?


ーーーー

【demon since666】


アメリカだよ。

昔は悪魔崇拝だなんだと、言われてたのに、科学的根拠で説明できるだの、AI生成だの、誰も我輩を見てくれん。


人間に取り憑くことも出来なくなってな。


ーーーー


【yuu ko】


わかります!わかります!

私も取り憑けなくなりました!


昔は簡単に取り憑けたのに。

動画撮影だけして帰っていくの。


私を撮らないで、別の場所ばかり映して。

カメラの前に立つと、何故かカメラが動かなくなって……それだけで、怖いですって!


不思議なのが、礼儀正しく「お邪魔します」「お邪魔しました」っていって、お菓子を、置いて行くのよ。


おかげで太っちゃった


ーーーー


【demon since666】


なにそれ、羨ましいんだけど。

我輩にもコーラとか置いていってくれないかな。


ワインでも、ヤギの血でもなくて、コーラが飲みたいんだよ。


ーーーー


【yuu ko】


コーラ!私飲みました!

美味しかったです。


私、有名な幽霊だったんですよ!

平成のホラーブームでは雑誌にも載ったし!

でもここ数年は、『ありきたり』『雰囲気だけ』って言われていて、肝試し初心者におすすめって言われてるの。


ーーーー


【demon since666】


まじか。舐めてんな。

俺は、悪魔だが誰も恐れないんだよ。


コスプレだかなんだか知らんが、自慢の角も赤い目も、イケメン枠に入れられてな。


ーーーー


【yuu ko】


えー、demon since666さん、イケメンなんですかー?


写真見たいです


ーーーー


ユー子は、少し興奮してコメントを返す。

私、海外の人とやり取りしている。


しかも、イケメンさんなの?

一緒に写真とってSNSにアップしたいなー。そしたら、ハートがたくさんつくかしら?


ユー子の承認欲求がくすぐられる。


ーーーー


【demon since666】


この写真でいいか?

自撮りは難しいな。


ちな、これが一番恐れられてた時の絵画だよ


ーーーー


ユー子は、送られてきた画像を見た。


そこには、ぎょろりとした牛のような赤い目。

ねじ曲がった大きな角。

裂けた口は笑っているのに、鋭い牙が覗いている。


どう見ても、イケメンではない。


えっ。怖っ。 

なんか、ずるい。


……いや待って。


この角がちゃんと映るように自撮りって、

そりゃ難しいわ。


ん?自撮り棒が写ってる。

私より使いこなしてない?


ーーーー


【yuu ko】


イケメン……ではないですよね?

めちゃくちゃ怖いんですけど……。


これ、AI生成じゃないんですか?


ーーーー


【demon since666】


お前までAIって言うなよ。


怖いだろ?


……でも、知られないと

存在意義がなくなるんだよな。


一度、巨大掲示板に載せたことがあるんだが、「加工乙」って書かれてな。


ーーーー


【yuu ko】


それ、きつ。


私も写真撮られたけど、「なんか白いやつ」とか「ただの煙」とか言って直ぐに削除されるの。直ぐ後ろで張り付いて見てたから、ショックが大きかったよ。


ーーーー


【demon since666】


それなー。


そういえば今、我輩の国では

日本旅行が流行ってるらしいんだよ。


ジャパニーズホラーも、ひと昔前に流行ったし。

日本、ちょっと行ってみたいな。


ーーーー


【yuu ko】


えー、おいでよ。


インバウンドって何か知らんけど、

海外の人、めっちゃいるよー。


ーーーー


【demon since666】


まじか。


……行ってみよ。

人間に扮装して、日本行くわ。


ちな、これが扮装バージョンの我輩な。


ーーーー



送られてきた写真を見て、ユー子は固まった。


次の瞬間、悶絶した。


バリイケメンやん!!


整った眉。

左右対称に整いすぎた赤い瞳はアンニュイな視線を向けられている。

漆黒の髪は、どこぞの映画スターのように輝き、顎下のラインがセクシーだ。


さっきの“あれ”と、同一存在とは思えない。


えー……なんか、変身できるとかずるい。

ちゃんと写真に写るのもずるい。


ユー子が嫉妬にかられていると、メッセージが届いた。


ーーー


【demon since666】こと、レムです。

以降は、こちらでメッセージのやり取りをして下さると幸いです。


日本に行く方法を探してみます。


フォローしました。


投稿、チェックしてますので、いっぱいあげて下さいね。



ーーー


……えっ。


なんか急に事務的。

真面目かっ。



ユー子は思わず吹き出し、お腹を抱えて笑った。


レムに会う日を待ち望みながら、ユー子は廃屋で佇み、肝試しに来た若者を見つめながらふと考える。


レムは日本に来ると言った。

ユー子もまた、待っているだけでは駄目だと気付いた。


思い立ったら、行動あるのみ!


ユー子は、肝試しに来た若者の車に乗り込むと、カーナビを(勝手に)操作した。


気付けば、運転席のシートに張り付き、都心部に向かう車の中で、わくわくしていた。


肝試しに来た若者の車は、何度も家に帰ろうとナビを入れ直しますが、ナビは都心部に案内してきます。

半泣きで運転しました。

都心部で「目的地に着きました」とナビが鳴った時には、震え上がりました。


その後は、無事に家に帰れたそうです。


……良かったね(?)

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