第48話
クライマックスに向けて指を動かしております。
では48話目です。どうぞ。
ゴンドラから降りた俺たちの間には気まずい雰囲気が漂っていた。顔を赤くし目元をわずかに濡らしている結衣。結衣の目的をほぼ確信してしまった俺。結衣と俺の間には観覧車に乗る前までにはなかった、人二人分の距離ができてしまっていた。
観覧車に乗っている最中に花火は打ち終わり閉園まっしぐらなこの時間。遊園地で出来る事は既になく、遊園地を出るしかなかった。そこで俺はあることを考え実行することにした。俺も気持ちは決まった。
「あっ……」
俺は足取り重い結衣の手を取り、遊園地をあとにした。
俺は結衣の分も含め、本来の帰り道とは違う行き先の切符を二枚買った。半ば強引に結衣を引っ張って電車に乗らせる。
「康太くん……どこ行くの……」
まぁ待ってろって。
俺は観覧車での景観には敵わないが、取って置きの場所目指していた。おそらくそこは、結衣も知らない場所。
電車を降りた俺たちは暗い夜道の中で、二人手を繋いで歩いていた。住宅街を抜け、小さな自然公園の丘を登っていく。
何とか間に合ったかな。結衣、振り返ってごらん。
丘の頂上まで辿り着いた俺は結衣に振り返るよう促す。
「…………?」
そこに広がるのはビルから漏れる光や道路の脇に建つ街頭の明かり。しかし、十分後が勝負。この景色は最高のシチュエーションへと化けるのだ。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。




