若人よ青春しろってな
さて、課題を出したがあの二人はやってるかな……。一応進捗状況を時々送るようには伝えてあるが、それでもなんとなく心配になってしまう。
いや、人の心配をしてる場合じゃないか。
そう机に向かいながら考えていると、ガチャリ。とドアノブが無造作に回される音がした。
「やっほ~。双葉、元気してる?」
「おー元気元気。ノックも無しに入ってくる無遠慮な叔母が侵入してくるこの瞬間まではな」
「そんな辛辣なこと言わないでよ~」
「いやこの家に俺一人の状態でそれやられると本当怖いんだよ! 連絡ぐらいしてくれ!」
この叔母はいつも突然現れるから心臓に悪い。この間夜に帰ってきて、真っ暗な部屋で急に現れた時は心臓が口から出ると思った。
「ごめんってば」
「じゃ、帰ってくれ」
「えー、双葉なんか冷たくなーい? テスト勉強中だから?」
そう言いながら姉ちゃんはトコトコと歩いて俺の机に近づいてくる。
「まあそんなとこだ」
「国語と……日本語について? こんなんテストでやるの?」
「姉ちゃんには関係ないだろ」
「そうかもしれないけどさぁ……。机の上すごいことになってるじゃん。教科書、ノート、参考書……なにこれ、発音練習メモ?」
「いや勝手に見んなよ」
突然部屋に現れて、人の領域を侵害するのはどうかと思うんだが。
「アンタ、国語はできるからこんなに勉強しなくてもよくない?」
「それは……まあ色々あるんだよ」
「色々って……ああ」
そこで姉ちゃんの視線が、机の上の参考書から、端に置いた発音練習メモへと移る。
そして少し考える素振りを見せたのち、姉ちゃんは何かに思い当たったような表情を見せ――
「ふぅ〜ん。はぁ〜ん? へぇ〜?」
「なんだそのウザすぎる相槌」
にやにやと、からかうような笑みを俺に向けてきた。
「い〜や? アンタも真剣になることもあるんだなって」
「別に、そんなんじゃ……」
無い。と言い切ろうとして、言葉が止まる。
……少なくとも、机の上のメモを見ながら言う台詞ではない気がした。
「ほらね?……双葉も、ちゃんと熱くなれること見つけたんじゃん。若人よ青春しろってな」
「はぁ〜……。なんだよその言い草。姉ちゃんだって、まだ二十代だから若いだろ」
なんだか図星を突かれたようで悔しくなり、俺は投げやりにそう答える。
「まぁー、そうかもしれないけど、そうじゃないとも言える……」
「なんだよそれ」
「きっと双葉にもいつか分かるよ」
そう言われても、今は日本語の課題とテスト範囲、それからあの二人のことしか頭にない。
……それがもう、今までと違うのかもしれないけどな。
叔母パート短くなりがち。だけど他のパート入れるといかんせんキリが悪い……。ジレンマ。
その分次が長いです。すみません。




