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東亰PRISON  作者: 天野地人
《新八洲特区》動乱編Ⅲ
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第3話 閑話休題 マコトと火澄③

(どういうことだ? 帯刀(たてわき)火澄(かすみ)は諜報活動に従事したことがあるとでもいうのか……? いや、まさか。そういった訓練を受けた動きではない。では何故、こうもたびたび俺の追跡に気づく……!?)


 雨宮(マコト)火澄(かすみ)に対して抱いている認識と、実際の彼女の言動の間には大きな差がある。それが何故なのか、現状把握している情報だけでは説明ができない。


 しかしだからこそ、雨宮(マコト)は火澄に興味を抱いていた。


 彼女はいったい何者なのか、と。


(ともかく、尾行を継続しなければ……)


 すると、火澄はまたもやこちらを振り返った。しかも首だけでなく、体全体で。


 雨宮(マコト)はぎょっとする。その上、火澄がこちらへ走ってきたからだ。


「あ、やっぱり雨宮(あまみや)さんだ! さっきからずっと近くにいるような気がしてたんだ! 久しぶりだね、今日はシロちゃんは一緒じゃないの?」


「……いや、俺は」


 言葉を濁すと、火澄もすぐに人違いであることに気づいたらしい。


「あっ……間違えました、ごめんなさい! 知り合いの人にすごく似ていたから、つい……!」


 火澄は真っ赤になり、慌てて謝った。彼女が雨宮(マコト)を誰だと間違えたのか、その相手は明らかだった。火澄は雨宮(マコト)のことを深雪だと勘違いしたのだ。


 もっとも、深雪と雨宮(マコト)が似ているのは当たり前であった。何せ同じクローンなのだから。それより問題なのは、やはり火澄が雨宮(マコト)の尾行に気づいていたことだ。


 こうしてわざわざ戻ってきたところを見るに、雨宮(マコト)が推測していたよりずっとはっきり気配を察知していたのだろう。


 尾行に気づかれたのは想定外だし何より不本意だったが、ある意味でこれはチャンスであるともいえる。雨宮(マコト)は方針を素早く切り替えた。


「気にすることはないよ。それより……俺のこと覚えているかな?」


 正直、子どもと話すのは慣れていない。そのため、深雪の話し方を参考にさせてもらうことにした。なるだけ警戒されないよう、彼女自身から情報を引き出したい。


「もちろんです! あたしが《東京中華街》に連れ去られた時、雨宮(あまみや)さんと一緒に助けに来てくれましたよね?」 


 火澄は人違いを咎められなかったことに安堵したらしく、緊張を緩め頷いた。


「ああ。あの時は燃え上がる劇場から脱出しなければならなかったから、かなり乱暴な救出になってしまったけれど、その後の経過はどう?」


「はい、雨宮(あまみや)さんや助けに来てくれた皆さんのおかげで、もうすっかり回復しました! 火傷や怪我も治って特に痕も残らなかったし、お母さんのことも……衝撃的なことが多すぎて最初はなかなか呑み込めなかったけど、今はだいぶ受け入れられたかなって思います。あの時は本当に……ありがとうございました」


「そう、それなら良かった。俺も安心したよ」


 すると、火澄は笑い声をあげる。


「ふふふ……声も話し方も、本当に雨宮(あまみや)さんそっくり! さすが兄弟ですね!」


 雨宮(マコト)としては不本意極まりない感想だったが、むきになって否定するのも大人げない。それに監視対象に余計な警戒感や不審感を抱かれるのも困る。雨宮(マコト)は反論したいのをぐっと堪え、笑顔で答えた。


「ははは、他の人にもよく言われるよ」


「あの……お名前は何ていうんですか? 雨宮(あまみや)さんからは『マコト』って呼ばれていましたよね?」


「……。そうだね。俺の名は雨宮マコトだ」


 別に、火澄に本名を名乗る必要はない。雨宮(マコト)にとって彼女はあくまで監視対象に過ぎず、よって警戒されなければそれでいいのだ。情報を引き出すのに必要な信頼さえあれば、それでいい。


「ええと……じゃあ、マコトさんって呼んでもいいですか?」


「ああ、もちろん。俺も君のこと、火澄(かすみ)ちゃんって呼んでいいかな。深雪がいつも君のことをそう呼んでいるから」


「はい、いいですよ!」


 火澄はにっこりと笑う。すっかり雨宮(マコト)に心を許している。深雪と姿が似ているのも幸いしているのだろう。あれこれと聞き出すには実に好都合だ。


(改めてこうしてみても、帯刀火澄は母親である紅神獄……式部真澄によく似ている。まさに生き写しだ。その一方で、《雨宮=シリーズ》の面影もあるような気がするが……外見だけでは判断しきれないな)


 ともかく、まずは情報収集をしなければ。雨宮(マコト)はさっそく火澄に質問をする。


「ところで火澄ちゃん、少し聞きたいことがあるんだけど……いい?」


「はい、何ですか?」


「深雪とはどういう関係なのかな? もともと君のお父さんと深雪が知り合いだったそうだけど……」


「よくご存じなんですね。以前、父が《臨界危険領域者(レッドゾーン=ディザスター)》になりかかってしまったことがあって……その時も雨宮(あまみや)さんが私を助けてくれました。お父さんは意識不明になってしまって、あたしもずっとずっと心細くて……でも雨宮(あまみや)さんは毎日、お父さんの入院している病院へ通い続けてくれました。事件が終わった後も雨宮(あまみや)さんはいろいろあたしたち親子のことを気遣ってくれています。私にとって雨宮(あまみや)さんはお兄ちゃんみたいな大切な存在なんです」

 

 《臨界危険領域者(レッドゾーン=ディザスター)》とはアニムスの過剰行使が原因となってゴーストが暴走状態を引き起こすことだ。アニムスの使い手の意思など関係なく常時アニムスを発動する状態となってしまい、その威力も最大値を大幅に超えコントロールが効かなくなってしまう。


 その段階になると、《アニムス抑制剤》を使用しても押さえつけることができず、その能力(アニムス)が宿っているゴーストの活動そのものを停止する――つまり殺害するしか方法が無くなってしまう。


 帯刀(たてわき)火矛威(かむい)はかつて《イグニス》という炎系のアニムスを宿していたが、長年にわたる過剰行使により暴走状態に陥ってしまった。そのため、東雲探偵事務所の《死刑執行人(リーパー)》たちは帯刀火矛威の排除に乗り出す。


 深雪はそんな帯刀火矛威を救うため《レナトゥス》を用い、彼から《イグニス》を消去した。それにより、彼は《臨界危険領域者(レッドゾーン=ディザスター)》状態を脱することができたのだ。


 現在の帯刀火矛威はアニムスを持たないため、分類上は人間であるということになる。


(深雪のやつ、ずいぶんとこの親子に入れ込んでいるな。そういえば、いつぞや、帯刀火矛威と式部真澄とは昔からの親友だと言っていた。親友の子どもだから面倒を見ているということか……自然体(ネイチャー)にとって、それは当たり前のことなのか?)


 だが、帯刀(たてわき)火矛威(かむい)帯刀(たてわき)火澄(かすみ)は血が繋がっていない。火澄の生物学上の父親は(とどろき)鶴治(かくじ)、今は亡き轟組の元若頭だからだ。


 深雪によると、その(とどろき)鶴治(かくじ)は《雨宮=シリーズ》のロストナンバーである可能性があるという。


 火澄は本当に実の父親のことについて何も知らないのか。その点も、雨宮(マコト)の得たい情報の一つだった。


 ところが質問をしようとした矢先に、火澄が口を開いた。


「あの……マコトさんも《死刑執行人(リーパー)》なんですか?」


「いや、俺は《死刑執行人(リーパー)》じゃない。……どうしてそんなことを?」


「あ、えと……大したことじゃないんだけど、マコトさんもゴーストなのかなって」


「この街にいるくらいだから、当然ゴーストだよ。アニムスも知りたい?」


 すると火澄は小さく首を横に振る。


「もう知ってます。《東京中華街》でマコトさんがアニムスを使ったところ、見ていたから。確か剣を使うアニムスでしたよね?」


「よく覚えているね」


「あたし、暗記力には自信があるんです! それに、とてもかっこいいアニムスだったから……!」


 火澄は嬉しそうに笑う。雨宮(マコト)が彼女と深雪を助けたことが、好印象となって残っているようだ。しかし火澄はすぐに俯き、躊躇いがちに言った。


「その……マコトさんも私のお母さんとお父さんのこと、知っているんですよね?」


「ああ……紅神獄と轟鶴治のことだね。火澄ちゃんは轟鶴治と会ったことはある?」


「いいえ、一度もないです。ひょっとしたら赤ちゃんだった時にはあるかもだけど……覚えている限りでは、会ったことはないです」


「……そう」


 ――つまり、生後直後に接触があった可能性は否定できないということか。


 雨宮(マコト)はその点が気になった。《レナトゥス》は同一の個体間で継承されるという習性を持つ特殊なアニムスだ。轟鶴治に宿っていた《レナトゥス》が火澄に継承された可能性はないか。


(……いや、(とどろき)鶴治(かくじ)がもし仮に《雨宮=シリーズ》のロストナンバーであったとしても、帯刀火澄とは同一の遺伝子を持つわけではない。二人はクローンではなく、あくまで親子なのだからな。《レナトゥス》が継承されている可能性は限りなく低い。そのはずだが……)


 つい無言で考え込んでいると、火澄が申し訳なさそうに切り出す。


「マコトさん、あたしの両親のこと、他の人には内緒にしてくれませんか? あたしの家族は今のお父さんだけだから……お父さんを悲しませるようなことはできるだけしたくないの」


「……。火澄ちゃんはお父さん……帯刀(たてわき)火矛威(かむい)さんが大好きなんだね」


「うん、たった一人のお父さんだもん。大好き!!」


 正直、この手の感覚が雨宮(マコト)には全く分からない。クローンであるためか、親兄弟の何がそんなに大事か理解できないのだ。


 その感情が遺伝子上の理由によるものなら分からなくもない。雨宮(マコト)にとって他の《雨宮=シリーズ》が特別であるのと同じことなのだろうと想像はつく。だが、帯刀親子には血の繋がりがなく、本人たちもそれを認識している。だから余計に理解できない。自然体(ネイチャー)に対して最も壁を感じることの一つだ。


 ただ、共感できないからと言ってそれを顔に出すほど未熟ではない。雨宮は常に陸軍特殊武装戦術群・七〇一情報特務兵装の一人として振舞っており、このコミュニケーションも情報収集のための手段に過ぎないのだから。


 すると火澄が思わぬことを口にした。


「えっと……マコトさん。もし良かったら、あたしまたマコトさんと会って話したいです。……いいですか?」


「構わないけど……何故?」


「あたし、チームを追い出されて、通っていた学校も閉鎖されてしまって……お父さんの他に話せる相手がほとんどいないの。もう一人の雨宮(あまみや)さんやシロちゃんも最近はすごく忙しそうだし……ずっと一人でいたら気が滅入っちゃう。だから、誰か話し相手になってくれたらなって思っていたの。マコトさんは雨宮(あまみや)さんと似ているせいか気兼ねなく話せるし、何ていうか……不思議と他人って感じがしないっていうか……。何だか、ずっと昔から知ってたみたいな、懐かしい感じがするんです。変ですよね」


 火澄は屈託なく笑う。彼女は雨宮(マコト)に対してすっかり打ち解け、心を許している。


 火澄の頼みは雨宮(マコト)にとっても好都合だった。利用できるなら、この際とことん利用するまでだ。


 しかしその瞬間、雨宮(マコト)は初めてあることに気づく。


(そうか……もし帯刀火澄が本当に《雨宮=シリーズ》の遺伝子を継いでいるなら、彼女と俺はある意味で親族関係にあると言えるのか)


 雨宮(マコト)と深雪は同じ遺伝子を持つ、いわば双子の兄弟のようなものだ。そして同じく《雨宮=シリーズ》であったと思われる(とどろき)鶴治(かくじ)とも当然、自然体(ネイチャー)が言うところの兄弟関係にある。


 であるなら、鶴治(あに)の娘である火澄は雨宮(マコト)にとって、ちょうど姪っ子に当たるのではないだろうか。


「……」


 そう気付いた途端、何とも言えない奇妙な感じに襲われた。これまでただの監視対象だと思っていた火澄が、急激に身近な存在として肉薄してきたように感じられる。


 ただそれは、火澄の言うところの懐かしさや親近感とは全く違うものだった。


 そもそも雨宮(マコト)は親兄弟という概念とは無縁であるため、それに懐かしさや親しみを覚えようがない。だが、完全な他人とも割り切れない不思議な違和感。それは深雪に対するものともまた違う。好きとか嫌いとかいう以前の、抗い難い引力のようなもの。


 それをどう受け止めていいか分からず、雨宮(マコト)は困惑するばかりだった。


 一方、火澄は急に黙り込んだ雨宮(マコト)に気づき、不思議そうに首を傾げた。その視線で雨宮(マコト)は我に返る。ここで監視対象者に不審がられるわけにはいかない。情報収集に集中しなければ。


 雨宮(マコト)にはどうしてもこれだけは押さえておきたいという質問があった。それは火澄のアニムスについてだ。


 火澄もまたゴーストであることは分かっている。彼女のアニムスは何なのか、彼女には《レナトゥス》があるのか否か。


 口を開きかけたその時。


 不意に後ろから声がした。自分と全く同じ、けれど若干、柔らかい声。


「火澄ちゃん!」


 背後を振り返ると、案の定そこには深雪が立っていた。火澄と雨宮(マコト)が一緒にいるのを目にし、ひどく驚いている。急いで駆け付けたのか、少し息を弾ませていた。


「マコト……火澄ちゃんと一緒だったんだ。誰かが火澄ちゃんと話しているから、まさかナンパかと思って慌てて追いかけてきたんだけど、それがマコトだとは思わなかったよ」


 それには、さすがに雨宮(マコト)もムッとする。


「誰がナンパだ、誰が!?」


「雨宮さん、いくらなんでも早とちりしすぎだよ~!」


 一方の火澄は深雪の勘違いがよほど可笑しかったのか、無邪気に笑った。その様子を見て深雪も安堵した表情を見せる。


「二人ともすごく親しげに話していたね。何の話をしていたの?」


「それは内緒! ね、マコトさん?」


「……。まあ、そうだな」


「え、ええ……?」


 深雪は戸惑いを浮かべつつも近寄ってくると、雨宮(マコト)と並んだ。すると火澄は驚いたように目を見開き、声をあげて笑う。


「あはは! こうして並んでみると、雨宮さんとマコトさん、ホントにそっくり! まるで合わせ鏡を見ているみたい!」


「そうかな? 確かに顔立ちはほぼ同じだけど、俺と雨宮(マコト)は、性格は結構違うよ」


「そうなの? マコトさんも雨宮さんと同じですごく優しいのに……」


 火澄の言葉に、深雪は表情を引き攣らせた。


雨宮(マコト)が……優しい……?」


「おい、何だその目は?」


「い、いや、俺に対してはいつも容赦なくしごくからさ。火澄ちゃんに対しては違うんだなって」


「当たり前だ。訓練に付き合ってほしいと言い出したのはお前の方だろう。やるからには徹底的にやる。しごかれたくなければ、それ相応の結果を出すことだ」


「ちぇ……雨宮(マコト)の言うことは分かるけど、それが簡単に出来たらこっちも苦労はしないよ」


 そう言って深雪は唇を尖らせた。呆れる雨宮(マコト)だったが、本気で怒る気にはなれない。深雪は深雪なりに努力していることは分かっているからだ。


 冷や冷やしたりもどかしい思いをさせられるも多いが、以前のように苛立たしい思いをすることは少なくなってきた。何となく、出来の悪い弟を持つとこんな感じなのだろうかと思う。


 もっとも深雪は、自分の方が兄だと思っているようだが。


「……でも、どうしてマコトが火澄ちゃんと一緒にいるんだ? 火澄ちゃんに何か用があった……とか?」 


 深雪は少し警戒した様子を見せた。帯刀火澄のこととなると、深雪はことさら慎重になる。それだけ火澄のことが大切なのか、それとも何かよほど知られたくないことでもあるのか。


 もっとも、雨宮(マコト)としても火澄を独自に監視していることは知られたくない。


「用などあるわけないだろう。歩いていたら、たまたま出会ったんだ」


 素っ気なく答えると、深雪は火澄の方を見る。


「本当に?」


「うん。あたしが雨宮(あまみや)さんと間違えて、マコトさんに声をかけてしまったの」


「お前こそ、この()に何か用があったんじゃないのか?」


 さり気なく話題を反らすと、深雪はそれ以上、追求はしなかった。


「ああ、うん。最近、火澄ちゃんとあまり会ってなかったから、気になって」


「それなら、お前が彼女を家まで送り届けるといい。俺は他にすべきことがある」


「うん、そっか。分かったよ」


「マコトさん、また今度ね」


「……ああ」 


 今日のところは引き上げるべきだろう。雨宮(マコト)はそう判断した。


 帯刀火澄に関して特に有益な情報は得られなかったが、彼女と親交を深めることはできた。それにより、雨宮(マコト)の調査もより進めやすくなるだろう。成果はまずまずだ。


 それから雨宮(マコト)は深雪と火澄を残して立ち去ることにした。ちらりと背後を振り返ると、それに気づいた火澄が雨宮(マコト)に手を振り、その傍らで深雪が彼女を守るようにして立っている。


(俺が帯刀火澄と話していた時、深雪はさりげなく俺たちの間に体を割り込ませ、俺から彼女を遠ざけた。あいつが同行者や連れ……特に女性を守る時によくやる仕草だ)


 つまり深雪は雨宮(マコト)から火澄を守る必要があると判断したということだ。


 しかし、それは何故なのか。今のところ理由は分からない。


 ただ一つ明確なのは、わざわざ守らねばならない重大な理由が火澄にはあるということだ。そして深雪はそれを雨宮(マコト)には知られたくないと思っている。


(間違いない。深雪は何かを隠している。それはすなわち、帯刀火澄には必ず何がしかの秘密が眠っているということでもある。それも、簡単には明かせない重大な秘密が)


 何としてでもそれを暴かなければ。雨宮(マコト)は固くそう決意した。


 何故だか分からないが、そうしなければならない気がするのだ。


 それは決してただの好奇心ではなく、義務感――いやむしろ使命感に近い。《雨宮=シリーズ》全体のために必要なことなのだという確信があった。


 深雪と火澄はこちらに背を向け、何やら会話しながら楽しげに歩いていく。


 雨宮(マコト)は冷ややかな視線でそれを見送ったのだった。



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