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東亰PRISON  作者: 天野地人
《Ciel(シエル)》編
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第28話 告白①

 六道が最も案じているのは、最悪の事態に陥った時のことだろう。


 例えば、火矛威が《臨界危険領域者(レッドゾーン=ディザスター)》としていよいよ手の付けられないほどの大暴走を起こし、深雪は何も対処できずにそれを傍観。結果、甚大な被害が出る――そういった事態が起きる事を警戒しているのだ。


 だが、深雪が火矛威の捜索に当たる事は、決して悪い話ばかりではない。深雪には火矛威のことに関していろいろ知識があるし、昔の友人という立場をうまく使えば、火矛威と接触した時に話もしやすい。だから、最悪の事態さえ起こさないと約束したなら、六道や事務所にとっても悪い話ではないのだ。

 むしろ、それなりに利益があると言っていい。

「……」

 暫く深雪を見つめていた六道は、次いで長い溜息をつく。そして、重々しく口を開いた。


「そこまで言うのなら、やってみるといい」


「……‼」

 深雪の表情は、ぱっと輝いた。本当に、火矛威を探していいのか。深雪の熱意が伝わったのだろうか。喜びを露わにする深雪に対し、六道はあくまで冷静に釘を刺す。


「だが、いつ何時も、《死刑執行人(リーパー)》として、己の為すべきことを忘れるな。それが条件だ」

「は……はい!」


「赤神には話を通しておく。……だが、それでは納得しない者も出るだろう。その時は自力で他の者を納得させろ」


「ありがとうございます‼ あっと……失礼します‼」


 深雪は退室の挨拶もそこそこに飛び出した。まさか、本当に火矛威探索の許可が下りるとは思わなかった。勿論、六道を説得するために所長室に向かったのではあるが、上手くいくかどうか、自信があったわけでもなかった。

 だが、これで火矛威を探しに行ける。火矛威が《死刑執行人(リーパー)》の餌食になる前に、再会することもできるのだ。


 一方、所長室では、飛び出して言った深雪を六道が半ば呆れつつ見送っていた。深雪が姿を消した後、静かになった部屋の中で、六道はパソコンに搭載されている通話機能を立ち上げる。

「マリア」

 すると、ウサギのマスコットが一体、くるくると回転しながら空中に浮かび上がる。


「は~い所長、お呼びですか?」 

「雨宮に入れ知恵をしたのはお前か?」


「ハテ? 何のことでしょー」

 ウサギはとぼけた顔をし、わざとらしく舌を出す。六道は小さく苦笑を漏らした。

「ふ……まあいい。今回のことは、雨宮にとっても、いい経験になるだろう」


 すると、マリアは複雑そうに六道を見つめた。不服と疑問が入り混じった、何とも言えない表情だ。そして唇を尖らせると、六道の周囲をくるりと一周する。


「所長~、一つ窺ってもよろしーですか?」

「何だ?」

「所長は深雪っちを、一体どうするつもりなんですか?」

「気になるか?」

「そりゃあ……まあ。あたしは今でも、この事務所に深雪っちみたいなのがいるのは、反対ですし~」


 六道は再び、小さく笑う。「はっきり言うな」

「嘘を言っても仕方ないですもん。……どうするんですか、あの問題児?」


 マリアは露骨に不満を浮かべる。マリアにしてみれば、深雪がいることで現場が引っ掻き回され、その度に余計な手間を避けなければならないのが気に入らないのだろう。若しくは、六道がどうして仇である深雪を手元に置くのかと、それが不愉快でならないのかもしれない。おまけに、それを隠すこともなければ、取り繕う気すら無いようだ。


 六道はふと笑みを消し、呟く。

「……すぐに分かるさ。あいつは野放しにしない方がいい。首輪をつけ、負うべき業を背負わせる。この事務所の為に……そして、《監獄都市》の為にな」


 マリアがどれだけ反対しようと、六道には雨宮深雪をこの事務所から追い出すつもりは無かった。仇であろうと、大量虐殺者(ジェノサイダー)であろうと構わない。雨宮深雪には、やってもらわねばならないことがあるからだ。

 マリアも渋々だったが、最後には頷いた。


「……所長がそう仰るなら、あたしも異論はありませんけど。 そう言えば、《関東大外殻》の周辺に出没する『幽霊』の件ですが……証拠映像がいくつか見つかりました。どうやら、こちらの睨んだ通りで、間違いなさそうです」


「……そうか。そちらの方も引き続き頼む」


 六道の顔色は土気色で、いつも以上に悪かったが、瞳の光は今なお鋭く、全てを凍てつかせてしまうほどに、ギラリとした光を放っていた。




 


 所長室から出てきた深雪は、まっすぐキッチンへ向かった。居間を覗くと、既にマリアの姿はそこになかったが、キッチンの中ではまだシロと海が後片付けをしていた。シロは深雪に気づくと、近寄ってくる。六道とどんな話をしたか、気になるのだろう。


「六道とのお話、済んだの?」

「うん、何とか六道を説得できたよ。すぐ終わったから、六道の負担も殆ど無かったと思う」

 すると、シロは安堵したように微笑んだ。

「ほんと? ……良かった。ユキも、良かったね!」


「ああ! ところで……俺のコーヒー、どれ?」

 後で取りに来ると約束したから、キッチンに寄ってみたのだが。すると、海はテーブルに置いてあったマグカップに視線をやった。

「えっと……すみません。冷めちゃったので、淹れなおしますね」


「ああ、レンジで温めるからいいよ」

 深雪は温まったコーヒーを口に運びながら、これからのことを考えた。あと、十五分ほどでミーティングが始まる。そこが、第二の関門だ。


(六道の了解は何とか取り付けた。……あとはみんなにどうやって説明するか、だ。六道は、流星に話は通すけど、異論が出た場合、自力で納得させろって言っていた。みんな、《Ciel(シエル)》の件にはうんざりしているはず……俺が火矛威の捜索に加わることが利益になるってこと、うまく理解してもらわなきゃ)


 しかしすぐに、それだけの材料で説得を試みるのは、難しい事に気づく。


(いや、それだけじゃ不十分だ。そもそも、俺と火矛威の関係から説明しないと、おそらく全てを納得してもらうのは難しい。でもその場合、《ウロボロス》のことから話さないといけなくなる。どうする……? 何とか《ウロボロス》の部分だけうまく誤魔化して……)


 そこまで考え、深雪は無意識のうちに逃げの姿勢になっている自分に気づいて、小さく首を振る。


(いや……それも駄目だ。みんな勘が鋭い。嘘を言えば、すぐにばれてしまうだろう。俺が偽りを口にしたら、その時点で信じてもらうことが難しくなる)

 深雪はコーヒーカップを握る手に力を籠める。


(やっぱり……ちゃんと話をするしかない。《ウロボロス》のこと……俺の罪のこと。火矛威のためにも、目を逸らさずに向き合うしかないんだ……‼)


 自分に都合が悪い部分だけ伏せ、それで納得してもらおうなど、虫が良すぎる。深雪にとって、火矛威がどれだけ大切な存在か、どれだけ親しかったか。それを理解してもらおうと思ったら、《ウロボロス》のことは避けて通れない。

 望むものを得るためには、リスクを冒す覚悟をしなければ。


 そんな事を考えていると、シロが不意に声をかけてきた。

「ユキ、何だかさっきと表情が違うね」

「え、そうか?」


「はい。何ていうか……吹っ切れたって顔をしてますよ」

 海も、柔らかく目を細めた。確かに昨日は打ちのめされ、ひどく落ち込んでいたから、余計にそう見えるのだろう。自分では余裕が無くて気付かなかったが、周囲にいたく心配をかけてしまっていたようだ。


「うん、まあ……覚悟が決まったっていうのは確か、かな」

 深雪が答えると、シロはにっこり笑う。

「よく分かんないけど……良かった! ユキ、何となく元気がなかったから……すごく焦ってたみたいだし、気になってたんだ」

「ごめんな、心配させて。でももう、大丈夫だから」


 すると、海も笑顔になる。

「頑張ってくださいね。私、外には出られないけど……でもここで、精一杯お手伝いしますから!」

「うん、ありがとう」


 あとはみなを説得するだけだ。折角、六道の許可を得ることができたのだから、ここで失敗するわけにはいかない。

 深雪は改めて気合を入れるのだった。






 時間になり、深雪はシロと共に、二階にあるミーティングルームに向かった。


 部屋に入ると、既にみな揃っている。深雪は昨日と同じく、部屋の視線が自分に一斉に注がれるのを感じたが、今日は臆することなく、その視線を受け止める。

 敢えて毅然とし、会議デスクの傍まで歩み寄ると、流星が何か問いたそうな視線を向けてきた。

「深雪……来たか」


 六道から話は既に聞いているのだろう。だが、どうして深雪がそこまで火矛威に拘るのかは聞かされていないようだ。そのせいか、瞳の中には訝しげな気配がある。

 どこから説明すべきか。深雪が思案していると、マリアがポーンと跳び上がり、空中でビシッとポーズを決めた。

「は~い、そんじゃここでメンバーチェンジのお知らせでーす! 深雪っちが闇サイト班の方から《イフリート》捜索班の方に移動しまーす!」


 すると、オリヴィエと奈落がほぼ同時に眉根を寄せる。

「それは構いませんが……どうして急に?」

「《イフリート》に関する情報と合わせて、まっとうな説明はあるんだろうな?」


 二人とも、はっきりと疑問を口にした。特に奈落は、未だに深雪が《イフリート》を逃したことに、納得がいっていないのだろう。低く、威嚇するような声音だった。


「あー、つまりこれは所長命令でだな……」

「ユキ……」

 流星はフォローをしようと口を開きかけ、シロは心配そうに深雪を見つめる。二人が、深雪を庇おうとしてくれているのは、痛いほどよく分かった。でも、そこに甘えるわけにはいかない。これは、深雪が自分の力で、闘わなければならない事なのだから。


「大丈夫だよ、流星、シロ。……自分で説明するから」

 深雪はそう言うと、他のメンバーに向かって口を開く。


「俺、実は二十年前の世界から来たんだ」


 皆が戸惑うのが、その空気から伝わって来た。オリヴィエや神狼、奈落はもちろん、流星も困惑し、こちらを見つめている。

「何ヲ言っテ……?」

「深雪はまだ十代であるように見えますが……二十年前というと、まだ生まれていないのではないですか?」

 神狼に次いで、オリヴィエが質問を投げかけた。頭から否定するわけではないが、とても信じられない――と、そんな様子だ。深雪は慎重に説明を続ける。


「信じられないかもしれないけど、本当なんだ。二十年前のある事件がきっかけで俺は《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》で眠らされていた。解凍されたのは数か月前だ」


「《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》……? まるでSF映画ですね」

 オリヴィエは驚きを隠せないようだった。オリヴィエは外国の生活が長いようだが、それでも《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》というのは聞き慣れない単語なのだろう。一方の神狼は、何か考えこむかのような仕草をし、口を開く。


「全くあり得ナイ話じゃナイ。何年か前、大陸の富裕層や政治家の間デ《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》が流行ったというのヲ聞いたことがアル。永遠の命とまでハいかなくてモ、遠い未来デ人生を再出発させることガできル……ト」


 その説明を引き継いだのは、マリアだ。

「でも、実際にはそんな夢のような技術ってわけじゃなかった。現代の《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》の技術では、解凍段階で被験者の脳や身体に損壊を与えてしまう可能性が高いということが分かったの。だから、倫理的な観点から、現在は人体を《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》に処すのは多くの国々で禁止されているわ」


 それは知らなかった。マリアの言った事が本当なら、深雪が今、こうして無事に動くことができるのは、運が良かったからに他ならない。もっとも、《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》に入る前の深雪は、とてもそれを拒めるような立場ではなかったが。


「……で? その《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》と《イフリート》とどういう関係があるんだ」

 奈落はやや不機嫌そうに、説明を促してくる。《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》は奈落にとって、どうでもいい話なのだろう。

 深雪にとっても、肝心なのはここからだ。


「俺は二十年前、《イフリート》と……帯刀火矛威と友達だったんだ」


「確かに、二十年前と言えば、帯刀火矛威は十七歳……ちょうど今の深雪と同じくらいの年頃ですね」

 オリヴィエは、白い手袋をした手を顎に沿え、そう答える。まだ信じられない気持ちはあるが、真っ向から否定するだけの材料も無い。半信半疑なのだろう。 


「俺と火矛威は共に、十代のゴーストばかり集まったチームに所属していた。それが……」

 

 深雪は僅かに言葉に詰まった。やはり、過去を口にするのには、今でも抵抗がある。それでも、何とか空気を吸い込み、それを一気に吐き出した。


「……それが、《ウロボロス》っていう名のチームだ」


 その単語を耳にし、真っ先に反応したのは流星だった。ひどく衝撃を受けた様子で目を剥き、額には冷や汗が浮かんでいる。


「《ウロボロス》って……あの《ウロボロス》か!?」

「流星、知っているのカ?」

 神狼はその事を知らなかったようだ。だが、流星の様子から、只事でない事は刺したらしい。その流星は、尚も驚愕から抜け出せないようだった。あまりに驚いたせいか、どこか動揺しているようにも見える。


「……ああ。日本で起きたゴーストがらみの事件の中で、初めて多数の死者が出た事件だ。当時、俺はまだ子どもだったが、大騒ぎになったのは覚えている。総勢、百五十名ほどの若いゴーストたちが、一夜にしてみな殺しにされたんだ。彼らの属していた集団の名が《ウロボロス》だ。原因はゴースト同士の抗争……ただ、容疑者の少年Aもその際に死んだと聞かされていたが……」


「……その少年Aが、俺だよ」


 当時、深雪は未成年だった。ゴーストであり、《冷凍睡眠(コールド・スリープ)》の実験体に回されたという事もあって、一般に名前は伏せられたのだろう。だが、『少年A』という呼称を聞くと、自分が許されざる重罪に手を染めたのだという事実を眼前で突きつけられ、骨の髄までそれを刻みこまれるようだった。 


「深雪……本当に……?」オリヴィエは、躊躇いつつ、そう尋ねる。


「……ああ。俺が……みんなを……仲間を、この手で……殺したんだ……‼」


 深雪が答えた途端、会議室は静まりかえった。みな、深雪の告白をどう受け取めるべきか、思案しているのだろう。真偽も定かでない上に、話の内容も残酷非道というとんでもないものだ。

 ただ、深雪が想像していた反応は、返ってこなかった。恐れていたような侮蔑や拒絶は無く、憐れみや断罪の言葉も無い。ひどく淡々としている。まるで、このような話には慣れているかのように。


 やがて、真っ先に口を開いたのは流星だった。

「……仲間だったのなら、何故、殺したんだ?」


 流星の言葉は震えていた。おそらく、並々ならぬほどの怒りに突き動かされて。それは最早、殺気に近く、会議室は瞬く間に緊迫感に覆われた。 

「りゅーせい……」

 シロは不安と心配を湛え、流星を見つめる。流星も、いつもならすぐに、己の感情を引っ込めただろう。だが今日は、激昂を抑えきれないようだった。


「本当に仲間だったら、殺したりはしないだろ。そんな必要もない筈だ!」

「……仲間だからということも、時にはある」

 意外にも、そう口を挟んだのは奈落だった。低く抑揚のない言葉だったが、頑として主張を譲らない。それが却って、流星を逆上させた。


「何だそりゃ? 殺される方の立場になって考えたことはあるのか!? 同じ釜の飯を食って、最も信頼した相手に命を奪われるんだぞ! たまったものじゃない‼ 俺には……俺にはそんな事、考えられない。簡単に殺してしまえるようなら、そもそもそれは仲間じゃない!」


 その一言一言が、ボディーブローのようになって、深雪をじわじわと追い詰める。流星の言う事は正論だ。何一つ、間違っていない。そのせいか深雪にはまるで、流星ではなく、《ウロボロス》の皆から責め立てられているように感じられてならなかった。


「流星の、言う通りだと……思う。言い訳は……しないよ。俺は……俺は確かに人として道を間違えたんだと思う。どれだけ言い繕っても、それが真実なんだ……!」


「……」

 神狼は何も言わない。奈落も同様に無言だった。誰も口が出せないほど、流星の怒りは激しかったから、というのもあるだろう。だが、その本心は分からない。

 ただ一人、状況を見かねたオリヴィエが、流星を落ち着かせようと試みる。

「流星、落ち着いてください。今、重要なのは、深雪が《イフリート》のことをどれだけ知っているかです」


「……くそっ!」


 流星はそう吐き捨てると、右手で顔を覆った。流星自身も、自らの感情を持て余してしるのだろう。どんな任務の時も、流星は事務所の仕事に私情を覗かせることは殆ど無かった。だからその反応には、完全に不意を突かれた。

 流星の発した非難は深雪にとって辛く、突き刺さるようだったが、それ以上に感情を爆発させる流星の姿に圧倒され、驚かされていた。


 一方のオリヴィエは深雪に対し、比較的冷静に質問を繰り出す。

「……その、《ウロボロス》のメンバーはみな死んだのに、《イフリート》は何故、生きているのですか?」


「俺たちにはもう一人、女の子の友人がいた。彼女は体が弱くて……火矛威はその子に付き添っていたから、俺が《ウロボロス》のみなを手にかけた現場には居合わせなかったんだ」


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