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東亰PRISON  作者: 天野地人
《Ciel(シエル)》編
177/752

第21話 譲れないもの①

「珍しい名前よね、『カムイ』って。どこにでもある名前とも思えない。だから、《アラハバキ》の構成員に該当する名前がないかどうか調べたの。

 そしたらあったわ、一つだけ。帯刀火矛威、現在三十七歳。《アラハバキ》での序列は三百三位。ただ、これはあくまで二年前のものだけどね」


「二年前……? どういう事だ?」

 流星は怪訝そうな表情をする。するとマリアは、睨むようにして他のメンバーを一瞥すると、厳しい声音で告げる。


「帯刀火矛威は二年前、《収管庁》に《臨界危険領域者(レッドゾーン=ディザスター)》の指定を受けてる。その際に《アラハバキ》を除名されたのよ」


「《臨界危険領域者(レッドゾーン=ディザスター)》……!?」

 それを聞き、明らかにぎょっとした気配を見せたのは、オリヴィエだ。


「……奴のアニムスは暴走域に入っているのか」

「アニムスの暴走、厄介だゾ。本人ハもちろん、止める側にモ、深刻な被害ガ出る可能性があル」

 奈落や神狼は、驚きを露わにすることは無かったが、緊張した空気を発しているのは伝わってくる。それほど、厄介な事態なのだ。

 一方、深雪も動揺を隠せなかった。

(もう、そこまで調べているなんて……!)


 名前や年齢だけでなく、《臨界危険領域者(レッドゾーン=ディザスター)》であることも突き止めているだなんて。

 マリアの情報収集能力が優れているのは知っているし、普段であればそれは頼もしく感じるところだが、今回ばかりは脅威を感じずにはいられなかった。


「つまり、帯刀火矛威はこのままいくと、最終的に《リスト執行》と同じ扱いになるということだな?」

 流星はどこか冷徹に呟いた。

 それは深雪が最も恐れていたことだ。火矛威が《死刑執行リスト》に登録されてしまったら、助け出すことがより一層、困難になる。


「そ、そんな……待ってくれ‼」

 反射的に声を荒げる深雪だったが、それをマリアがちくりと剣呑な声で制した。


「あら、深雪っち。何もかも話してくれる気になった? それとも、自分は何一つ説明する気がないのに、非難だけはしようっていう腹積もりじゃないよね?」

「……ッ!」

 深雪は何一つ反論することができなかった。マリアの言う事は正しい。特に事情を知らないメンバーには、深雪が駄々をこねているようにしか見えないだろう。

 唇を噛み、再び俯く深雪をよそに、会議は淡々と進んでいく。


「とにかく、まず帯刀火矛威の居所を突き止めるぞ。そうでなければ、満足に対策を立てることもできないからな」と、流星。


「《イフリート》が《アラハバキ》で殺し屋をしていたのなら、奴を飼っていた人間がいる筈だろう」

 奈落が指摘すると、マリアがそれに頷いた。

「ええ、上松組派の下部組織に成田商事ってのがあって、そこの社長が《イフリート》を使っていたようね。でも、その社長は亡くなってる。外出先で火事に遭い、その火災に巻き込まれたのよ。一か月前にね」

 マリアはその時の画像を浮かび上がらせる。ただ、離れた場所で撮影された画像らしく、どこで何が燃えているのか、詳細はよく分からない。


「火事……? まさか、帯刀火矛威の仕業でしょうか?」

 確かにオリヴィエの言う通り、現状で火と言えば、真っ先に《イフリート》が想起される。だが、普通の火災の可能性も十分にあり、断定はできないだろう。


「可能性はあるな。《監獄都市》では火災が起きても、いちいちその原因を調べる奴はいない。《新八洲特区》で起きたのなら、尚更だ」

「厳密に言うと、《中立地帯》との境界線上だけどね。こっちでも詳しく調べてみるわ」

 流星とマリアがそう答えると、今度は神狼が口を開く。


「《カオナシ》……馬場泰成の線かラ、元売りを特定することハできないのカ?」

 折角、《カオナシ》の素性を突き止めたのだ。そこから新たな情報が拾えるなら、それに越したことはない。だが、マリアの表情は芳しくなかった。


「……それね~。どうやら馬場泰成の立場は、《アラハバキ》の中で微妙なポジションにいたみたいなのよね」

「どういう事ですか?」オリヴィエは訝しげに尋ねる。


「まあ、一匹狼と言えば聞こえはいいんだけど、要するにボッチだったのよ、あいつ。ああいう自己顕示欲のやたら強い性格でしょ? 《アラハバキ》の中でも馴染めず、つるんでいた仲間も他にいなかった。上手く立ち回れば、序列ももっと上だったかもしれないわね」


「そういえば、《サイトウ》の方はどうなんだ?」

 今度は流星がマリアにそう尋ねる。《サイトウ》の情報も同じく少ないが、少なくとも顔は割れている。何か手掛かりがないかと思ったのだろう。

 

 だが、やはりマリアは渋面を作った。

「《サイトウ》の本名は三橋平太。こっちは《アラハバキ》の構成員じゃなく、企業舎弟――つまり《アラハバキ》の傘下企業でバイトしていた《中立地帯》のゴーストね。でも同じく人づきあいが苦手で、単独行動が多かったみたい。どういう奴なのか、同じ職場の人間でさえ把握してない」


 部屋にふと沈黙が下りる。《サイトウ》と《カオナシ》、二人とも人づきあいが浅く、周囲にはその行動を把握している人間はいなかった。それは即ち、この二名から情報を辿っていくのは困難だという事だ。しかし、果たしてこれは偶然だろうか。


「……偶然じゃないな」奈落は低い声で呟く。

「元売りは明らかニ、人間関係ノ希薄なゴーストを手駒として選んでイル」

「何かあった時に、いつでも切り捨てられるように、ね」

 神狼とマリアも険しい表情でそう続けた。敵の方が一枚上手だったと、そう認めざるを得ないからだろう。そしてそれは即ち、深雪たち東雲探偵事務所にとって、ますます窮地に追いやられたことを意味していた。

 奈落に至っては、それをはっきりと言葉にしてみせる。

「……とどのつまり、《カオナシ》にしても《サイトウ》にしても、完全に無駄骨だったというわけか」


「そう決めつけるのは、まだ早い。どこから何が出てきて、手掛かりになるかは分からないだろ」

 流星は発言を窘めるような視線を奈落へ向けた。「完全に無駄骨だった」などとはっきり言われては、みな立つ瀬がないし、何より全体の士気にも関わる。

 だが、深雪には奈落の無神経さを批判する資格はない。深雪がだんまりを決め込んでいる事が、事務所にとって一番の損失であろうからだ。


(俺は……俺は最低な事をしてる……!)


 みな、深雪を問い詰めたり責めたりはしない。深雪の様子から、何か事情があると察してのことだろう。マリアにしても、冷たく突き放しはするものの、力尽くで深雪の口を割らせようとまではしない。

 自分はそう言ったみなの優しさに甘えている――そう考えると、深雪は己があまりにも情けなく、居た堪れない思いになる。

 だが、やはり深雪の心境など他所に、ミーティングは着々と進んでいた。


「……もう一つ、闇サイトで《Ciel(シエル)》の売買をしていた連中の件だけど、アドレス主がようやく割れたわ。特に頻繁に書き込みをしていたもの、複数のアドレスを使い分けていたもの……怪しいのを五十件ほどリストアップしといたから」

 マリアが、空中に画像を数枚、浮かび上がらせる。それは名簿だった。表の中は、びっしりとアドレス及び個人名で埋まっている。

 それにざっと目を通した流星は、気合を入れるかのように、両手を叩いた。 


「よし、ここからは二手に分かれるぞ。奈落とオリヴィエ、俺は《イフリート》の行方を追う。神狼と深雪、マリアは闇サイトの方を追ってくれ」

「……分かっタ」 

「了解です」

 神狼とオリヴィエは順にそう返事をする。だが、深雪はとてもその命令を受け入れることはできなかった。今すぐにでも火矛威を探しに行きたいのに、深雪は《イフリート》の捜索から外されてしまったのだ。


「運び屋の《サイトウ》に続き、《カオナシ》まであんなことになったんだ。敵も相当、警戒しているだろう。下手をすると、このまま地下に潜られる可能性もある。その前に、どうにかして連中の尻尾を掴むぞ」

 そう締めくくる流星に、深雪はすぐさま声を上げた。


「流星、俺も《イフリート》を追う! ……追わせてくれ、頼む‼」


 このままでは、火矛威は《リスト登録》されたものと同じだ。深雪がこんなところでまごついていたら、《死刑執行人(リーパー)》に処刑されてしまうかもしれない。

 それだけは何としてでも避けねばならなかった。せめて、事務所の誰かが火矛威を捕らえる前に、深雪が自ら接触したい。だが、このまま闇サイトの調査に回されたら、それも叶わなくなる。


 どうにか、この配置を転換できないか。深雪は必死で頼み込んだが、流星は首を横に振るばかりだった。

「いや、駄目だ。深雪は今回、《イフリート》の捜索からは外す」

「……!? 何でだよ!?」

「それが所長命令だからだ」


(六道が……!?)


 深雪は、はっとした。六道は《ウロボロス》のメンバーだった。当然、深雪と火矛威の関係にも気づいているだろう。

(いや、六道は間違いなく気づいてる。だからこそ、俺を《イフリート》の捜索から外したんだ!)


 いずれにせよ、配置転換をしてもらおうと思ったら、六道に直談判する外ない。所長はあくまで六道であり、いかに流星が現場責任者であるとはいえ、その命令には逆らえないからだ。

 

 深雪はミーティングが終了すると同時に、会議室を飛び出し、一階の所長室へと向かったのだった。 





 所長室に飛び込むと、六道は部屋にいた。


 そこは相変わらず、執務机や書類棚、応接セットなど、必要最低限のものしかない簡素な部屋だ。六道はその執務机に就き、いつもの暗く鋭い視線を深雪に向ける。

 ただ、心なしか常より余計に顔色が悪いような気がしたが、六道が口を開いたので、すぐに深雪の意識はそちらに傾いた。


「何の用だ、雨宮?」

「俺に《イフリート》を……火矛威の行方を追わせてください!」

 だが、六道の返答はにべも無かった。


「指示は赤神に出していた通りだ。変えるつもりは無い」

「どうして‼」

「帯刀火矛威に関して、お前が冷静な判断を下せるとは思えない。……ちょうど、今のようにな。だからだ」


「……‼」

 深雪はその冷静な指摘に、奥歯を噛み締める他なかった。

 六道の言う通り、自分は感情的になり過ぎているのかもしれない。でも、たとえそれが事実でも、火矛威を諦めるわけにはいかなかった。

 六道も、深雪が全く納得していないのを見て悟ったのか、言葉を続ける。


「帯刀火矛威は《臨界危険領域者(レッドゾーン=ディザスター)》だ。いつ重度の暴走状態に陥ってもおかしくない。深刻な被害が出て手遅れになってからでは遅い……それは分かっているだろう?」


「……火矛威を殺すんですか」深雪は低い声で問い詰めた。「あいつを殺すのに俺が邪魔だから……だから外すんですか!」


「必要になれば、排除も当然あり得る」


 感情を全く差し挟まない、しごく簡潔な答えだった。そうするのが当然で、受け入れられない方がおかしいのだと言わんばかりの。

 深雪はカッとした。冷静さを欠いていると指摘されても尚、爆発する怒りを抑えることができなかった。


「どうして……助けられる方法だってある筈だ! それも模索せずに、危険だから殺すなんて……そんなの、本当にただの人殺しじゃないか‼」

 すると、憤懣をぶつける深雪に、さすがの六道も僅かに苛立った気配を覗かせる。 


「人殺しは帯刀火矛威の方だろう。奴は《アラハバキ》の殺し屋だった男だ。今まで幾人もゴーストを殺し、それで生計を立ててきた。当然、《死刑執行リスト》にも登録可能な案件だ。……お前がどれだけ感情的になって喚こうが、それが事実なのだ」

「どうあっても、火矛威を殺す……そういうことですか」

「勝手は許さん。組織に属する以上、方針に従ってもらう。分かったら、自分に与えられた仕事に戻れ。……いいな?」


 だが、深雪にはそんな命令など、聞けるはずもなかった。


「方針……!? そんな間違った方針に、従えるわけがないだろ! 火矛威は殺させない! 絶対に‼ ……どうしても外すというなら、俺は一人になっても火矛威を探します‼」


 そう怒鳴り散らし、所長室を後にしようとする。すると六道は、今度は苛立ちを隠しもせず、うんざりしたように溜め息をつく。


「……変わらんな、お前は。お得意の『友達ごっこ』か」


「なっ……!?」


 深雪にとっては侮辱とも取れるその台詞に、一瞬、返す言葉が無かった。同じことは奈落にも指摘されたことがあるが、それと六道の言葉では、全く意味合いが違う。

 だが六道はそれを撤回するつもりは毛頭ないらしい。落ち窪んだ眼窩に光る突き刺すような視線を、深雪へと注ぎ続ける。 


「――だが、お前と帯刀火矛威が友人だったのは二十年も前の事だ。確かに君たちは《ウロボロス》の中でも特に仲が良かった。式部真澄も一緒だったな。三人、いつも一緒だった」

「やっぱり……覚えていたのか」


「……しかし、時の流れは無情だ。この二十年でいろんなものが激変した。街も、人も――帯刀火矛威にもそれは当てはまるだろう。変わっていないのはお前だけだという事を、少し自覚した方がいい。お前がいくら帯刀火矛威の身を案じていたとしても、向こうはお前のことを覚えてすらいなかったかもしれない。そういう可能性もあるという事だ」


「そんな事……まだ分からないだろ!」


「分かるさ。……俺がそうだったからな」 

「……‼」


 深雪は、再び息を呑んだ。しかし、今度は怒りのせいではない。深雪の見開いた眼は、六道の顔面に刻まれた傷跡、そして半身を補う義手を順に追っていた。どちらも、深雪が二十年前に六道から奪い、或いは与えたものだ。

 六道は、急に押し黙った深雪を冷徹に見つめつつ、静かに続ける。


「二十年前……お前に半身を奪われ、確かに俺の人生は一変した。だが、いつまでもそれを恨み、囚われているほど暇だったわけじゃない。実際、お前が再びこの《監獄都市》に現れるまで、俺はお前の顔など思い出しもしなかった。……歳月の流れとはそういうものだ」


「でも……でも、俺は!」

 尚も食い下がる深雪に、六道はとうとう声を荒げた。


「このままお前が帯刀火威の居場所を探し当てたとして、何が出来る? あの時と同じことを繰り返すだけだろう!

 判断を誤れば、大勢の人間が巻き込まれて死ぬ。ただでさえ《Ciel(シエル)》によって深刻なダメージを受けている《監獄都市》の秩序も、著しく損なわれるだろう。……それだけは何としてでも避けなければならない! 覆水盆に返らず……失ったものは二度と容易には取り戻せないのだからな‼ 

 

 どの選択をするのが最善か――感情に流されず、理性で判断すれば、自ずと答えは出る筈だ‼」


「で……でも………」


「お前は一度、道を誤った。……今度は間違った道を選ばない事だ」


「くっ……‼」


 深雪は俯き、唇を噛み締めた。六道の言う事は常に一貫している。《中立地帯の死神》として、この《監獄都市》を守る――その為には、どんなに残忍で非道な手段も厭わないのだ。

 そこに正義があるのか、本当に《監獄都市》の為になることなのか、深雪には分からない。だがいずれにせよ、六道の言動は強い信念に裏打ちされており、深雪の主張など、入り込む隙間もないのだった。


 だから深雪はいつも最終的に反論できなくなってしまう。まさに、今のこの状況がそうであるように。


 それでも、火矛威の事は諦めきれない。どうしても、仕方ないと割り切ることができない。感情的になっていると言われれば、その通りだろう。でも、ただ感情だけに振り回されて動いているわけでもない。深雪は二十年前、火矛威と真澄の手を放してしまった。もう二度と、同じことはしたくない――そう思うからこそ、火矛威を諦めるわけにはいかないのだ。


 エニグマの情報から察するに、火矛威は危機に陥っている筈だ。《臨界危険領域者(レッドゾーン=ディザスター)》に指定されるほどアニムスが暴走し、その上、十四歳になる娘までいる。

 

 それに真澄も、行方不明だとはいえ、決して死亡が確定したわけではない。この《監獄都市》のどこかで生きているかもしれないのだ。そうであるなら、どうにかして二人を助けたい。


 二十年前に深雪が対応を誤ったのは事実だ。だからこそ、あのような最悪の結末を生んでしまった。

 ――けれど。


「でも……それでも、俺は……俺は火矛威を……‼」


 自分勝手であるのも、事務所の足を引っ張っているのも分かっている。だが、ここで諦めてしまったら、二十年前と何も変わらない。みんなのため、チームのため。そうやって、自らの正義と使命感に酔っていた、あの時と何も変わりがないではないか。

 

 どうすればいいのか。どう説得すれば、理解してもらえるのか。


 しかし、深雪はふと、妙に部屋の中が静かであることに気づいた。自分も無言だったが、六道も何も言わない。

 奇妙に思って顔を上げた深雪は、六道の異変に気付いた。先ほどまで鋭い視線を深雪に浴びせていた六道は、机の上に伏せって幾度も咳をしている。しかも、その咳は止まるどころか、どんどん激しくなっていくではないか。

 控えめに見ても、かなり具合が悪そうだった。


(六道……? どうしたんだ……?) 

 

 深雪が戸惑っていると、次の瞬間、六道は口元を抑えた。


「ぐッ……ゴボッッ‼」


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