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東亰PRISON  作者: 天野地人
《Ciel(シエル)》編
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第6話 アーケード街の激戦①

 オリヴィエは表情を曇らせた。言うは易しだが、実行するのは難しい。《サイトウ》を包む《グラビティ》は鉄壁の要塞のようなものだ。外部からこじ開けるのは不可能に近い。


「……『喰う』、か?」

 奈落は、すっと片目を細める。自らのアニムスを使おうというのだろう。だが、オリヴィエは激しくかぶりを振った。


「いいえ、今、あなたのアニムスを使うのはまずい! 私たちの目的は《サイトウ》の拘束であって、『消失(デリート)』ではないのですよ!」


 事実、奈落のアニムス《ジ・アビス》は攻撃力の恐ろしく強いアニムスだが、捕獲したり守ったりといった行為には絶望的なまでに不向きだ。どんなアニムスにも完璧や完全はない。用途や他のアニムスとの相性によって、その価値が決まってくるだけだ。


「くそったれ……つくづく、面倒臭えな!」

 奈落はそう毒づくと、装填の完了したハンドガンを再び構えた。


 一方、深雪は段ボールの山を掻き分け、どうにかシロを救出する。シロは擦り傷をいくつも作っていたが、見たところ大きな怪我はなさそうだった。


「シロ、大丈夫か!?」

「てへへ……失敗しちゃった」


 深雪が声をかけると、シロは舌を出して笑う。深雪との約束を破ってしまったからだろう、どことなくバツが悪そうだ。

 でも取り敢えず、怪我がなくて良かった――深雪はそう口にしかけたが、シロは打ち所が悪かったのか、突然、右肩を押さえた。

「肩……痛むのか?」

「ううん、大丈夫。こんなの、ヘーキ! シロ、ユキと一緒に頑張る!」


 悪気があるわけではない。シロはシロなりに、チームの力になろうと一生懸命なのだ。シロは且つて、所属していたストリートのチームを追い出されたことがある。もう二度と、そんな目に遭いたくないと思っているからこそ、余計に頑張ってしまうのだ。

 だからそこを咎めるより、良いところを誉めた方がいいのではないかと、深雪は思った。


「シロは十分、頑張ってるよ。とってもね。……でも今は、ここで待機していて欲しいんだ」

「……! どうして? シロ……いらない子? それとも、約束……破ったから?」

 やはり、自覚はあるらしい。


「そうじゃないよ。……俺に考えがあるんだ」

「考え?」

「《サイトウ》には物理攻撃が効かない。銃弾も《スティグマ》も刀の攻撃も……全部、《グラビティ》が弾いてしまうんだ」

「うん。シロ、知ってる。なんこーふらくってやつだね」


「そう、難攻不落。でも、俺たちは何とかして、《サイトウ》の持つ情報を聞き出す必要がある。だから……俺があいつを人間に戻す」


 シロは深雪の言わんとするところを悟ったのか、大きく目を見開いた。

「あの能力を使うの? 《ランドマイン》とは違う、もう一つの能力」

「うん」


 深雪には《ランドマイン》の他にもう一つ、計二つのアニムスがある。

 通常は、一人のゴーストには一人のアニムス、というのが基本的原則だ。それなのに、深雪だけどうしてその限りではないのか。理由は分からない。

 だが、そのアニムスがあれば、《サイトウ》を無力化させることができる。深雪の持つもう一つアニムスが、相手のゴーストが持つアニムスを消滅させ、人間に戻すアニムスだからだ。


「《第二の能力》を使えば……《サイトウ》のアニムス、《グラビティ》さえ消し去ることができたら、抵抗できなくなるだろ? ……俺たちは《サイトウ》を、絶対に死なせずに捕らえなければならないんだ……‼」


 人間に戻しさえすれば、《サイトウ》からじっくりと情報を引き出すことが容易になるだろうし、薬物売買に手を染めた容疑で、法律で裁くこともできるかもしれない。


 ゴーストは人間として認められておらず、国籍や戸籍などのいっさいが剥奪されると同時に、法が適用されなくなる。守られることがない代わりに、罰せられることも無いのだ。

 人間に戻ればその矛盾を解消できるだろう。そして深雪は、こういう時の為に、自分の《二番目の能力》があるのだと思っている。


 深雪の真剣な表情に押されたのか、シロも神妙になって答える。

「うん……分かった。シロにお手伝いできること、ない?」

「そうだな……もし、周囲に誰か人がいたら、その人たちを誘導して避難させて欲しい」


 荒れ果てた商店街だが、住人がいる可能性はある。《サイトウ》の制圧は一筋縄ではいかないだろう。これ以上、被害が拡大しないように努めることも大切だ。すると、シロは嬉しそうに声を弾ませた。


「分かったよ。みんなを安全なところに連れて行けばいいんだね? シロ、頑張る!」

「……頼む!」

 深雪も、にっと笑顔を見せる。そしてその場でシロと分かれ、《サイトウ》の元へと駆け出した。 


 深雪がアーケード街に戻ると、戦闘は未だ続いていた。オリヴィエも奈落も、《サイトウ》を包む球体の空気壁を破るには至っていないようだ。


 奈落とオリヴィエは、深雪が戻ってきたことに気づくと、《サイトウ》に向かって同時に攻撃しつつ、深雪のところまで後退してくる。まず口を開いたのは、オリヴィエだ。

「深雪、シロは無事でしたか?」

「うん。でも、ちょっと肩を痛めちゃったみたいで……今は待機させてる。二人の方はどう?」


「これが上手くいってるように見えるか?」

 よほど苛立たしいのだろう。奈落はまるで、深雪が諸悪の根源であるかのような、ふてぶてしい返事を寄越す。気持ちは分かるが、それは言いがかりというものだ。

「いやあ、奈落ともあろうものが、こんな奴に苦戦するなんてあり得ないかなー、なんて……」


 ちょっとした仕返しに、そんな皮肉を口にしてみる。すると奈落は、右手のハンドガンを《サイトウ》に向けつつ、左手でやや小ぶりのハンドガンを腰のホルスターから取り出すと、こちらの方を見もせずに深雪の足元へ向かって発砲した。

「踊れ」

 銃弾は妙に甲高い音を立てつつ跳弾し、背後にあった魚屋の看板にめり込んだ。深雪はさすがに青ざめる。


「ちょっ……それはさすがにシャレになんないよ! 本気だったでしょ、今‼」

「ちっ……外したか」

「や、やっぱり! 本気で当てるつもりだったんじゃないか‼」

「ぴーぴー、うるせえな。……もう一回踊るか? ワルツとサンバ、タコサックダンス、好きなものを選ばせてやる」

「ちょっ……選ばせる気も無い選択肢を並べたてるのは、詐欺って言うんだぞお‼」


 奈落はあくまで《サイトウ》に攻撃を加えつつ、隙さえあればこちらの足元にも銃弾をぶっ放してくる。どこまでが冗談でどこまでが本気なのか、全く分からない。深雪は泡を食って逃げ回り、慌ててアーケード街を支える柱の陰に身を隠す。


 呆れた様子でそれを見ていたオリヴィエは、子どもを窘めるような口調で言った。

「……楽しそうですね、二人とも。けれどそういうのは、全部終わった後にしてください」

「いやいや楽しくないよ、全然! 結構マジで殺されかかってるし!?」


 そんな会話を交わしつつも、オリヴィエも奈落も《サイトウ》に対する攻撃の手を緩めない。《サイトウ》を覆う透明な球体は、相変わらず全ての攻撃を弾き返しているが、様々な形状に変化する《スティグマ》とハンドガンから放たれる銃弾は、間断なく《サイトウ》へと襲い掛かり、その動きを牽制している。


 それが徐々に精神的なプレッシャーとなりつつあるのか、それまで得意げだった《サイトウ》の顔に、じわじわと焦りが広がっていった。

「うぜえ……うぜえんだよ……! ブッ殺――――――――――――――ス‼‼」


 雄たけびと共に、《サイトウ》はアニムスを発動する。黒づくめのその体を中心にして、地面が何段も段差をつけ、円形に抉れていった。

 商店街の中心に、瞬く間に巨大なクレーターが発生する。

 そしてその刹那、これまでにない巨大な重力波が周囲を薙ぎ払い、その場にいた全員が、等しく後方に弾き飛ばされた。


 商店やその近隣の建物、アーケード街を辛うじて支えていた鉄筋や、地面を覆うひび割れたタイル。全てが眼に見えない巨大なハンマーで叩き潰されていく。《サイトウ》が叫べば叫ぶほど、ありとあらゆるものがプレス機に放り込まれたかのように押しつぶされ、粉砕されていく。

 後にはもうもうとした土煙が立ち昇るのみだ。


 その中で、平然と立っているのは《サイトウ》だけだ。《サイトウ》はどろんと淀んだ目で周囲を一望すると、眉根を寄せて首を傾げ、再び奇怪な笑い声を上げ始めた。

「あっりぇぇぇぇぇぇぇええええ? なあぁぁぁぁぁんか切れてきちゃったんですけどおおおぉぉぉぉぉぉぉ……‼」


 おそらく、薬物の効果がきれてきたという事が言いたいのだろう。サイトウの摂取した《天国系薬物(ドラッグ)》は、服用時にアニムスを強化する作用が現れる。《サイトウ》の《グラビティ》も、平時はこれほどの破壊力はないはずだ。

 だが、薬物の効果はいつまでも持続しない。そして薬物がきれたら、言うまでもなくアニムスの増幅作用も消えてなくなる。


 このままではまずいと考えたのだろう。《サイトウ》は何かを探すかのように、ぐるりと周囲を見回す。通路に横たわる薬物中毒者から、薬物をぶん捕って補給しようという魂胆なのか。だが、彼らもこの騒ぎでとっくに逃げ出していて、既に姿はない。


 すると、土煙の向こうに数人の人影が見えた。何事か喚きながら、こちらに近づいてくる。

 《グラビティ》によって吹き飛ばされ、がれきの下敷きになった深雪は、はっとして顔を上げた。見ると、複数の住人と思しき人々が何事かとこちらを窺っている。


「な……何なんだ、これ……?」

「ゴースト同士の抗争か……!?」 


 商店街の住人はシロに頼んで退避してもらった。だから彼らは、商店街の外側に住む人々だろう。アーケード街が派手に破壊されているのを見て、何事かと様子を見に来たのだ。

《サイトウ》はそれを見て、にんまりと邪悪な笑顔を浮かべる。

「……あひゃっ‼ くれよ……足りねえぇぇぇんだよ……! どこだよ、俺の《Heaven(ヘヴン)》は―――――――……‼‼」


(《Heaven(ヘヴン)》……? 記憶が錯乱してるのか……!?)

 深雪はどきりとした。この男は知っているのだ。《Ciel(シエル)》を始めとした薬物が、全て《Heaven(ヘヴン)》をベースとしたものだという事を。

 巷では、あまりその事実は知られていない。《Ciel(シエル)》と違い、《Heaven(ヘヴン)》そのものが、あまり広まらなかったからだ。

(こいつは多分、重要な情報を握ってる……絶対に捕らえないと……‼)


 深雪は体に覆いかぶさっている瓦礫の数々をどうにか押しのけ、立ち上がる。だが、《サイトウ》はこちらには見向きもしない。その目は一心に、近隣住民と向けられている。彼らが薬物を持っているとでも思っているのだろうか。ゴーストであるとも限らないのに。

 だが、《サイトウ》にはまともな判断力が残っていないのだろう。


「あひゃ……あひゃひゃひゃひゃああぁぁぁぁーーー!」


 《サイトウ》は重力波を展開し、浮いたまま凄まじいスピードで無防備な住人達へと突っ込んで行く。それはまるでピンを狙うボーリングの球さながらだった。


「う……うわあああああああ!」

「こ、こっちに、く……来るぞーーーー‼」  


 住民たちは逃げ惑うが、《サイトウ》の転がるスピードの方が何倍も早い。このままでは、重力の球と化した《サイトウ》は、住民たちを轢き殺してしまうだろう。


 深雪は迷うことなく、手の中に会った瓦礫の破片――直角に折れ曲がったバールのような金属の部品を、《サイトウ》に向かって力いっぱい投げつけた。そしてそれが《サイトウ》の背後に到達した瞬間に、《ランドマイン》を発動させた。


 媒体に使うものの大きさにもよるが、深雪の《ランドマイン》は、ある程度、爆発の威力を調節することができる。深雪は咄嗟に起こせる中で最大限の爆発を起こした。爆発はやはり《サイトウ》を包む空気層に阻まれ、直撃はしない。だがその爆風は、《サイトウ》の進路を妨げるのに十分だった。


 《サイトウ》はきょろりとこちらに視線を巡らせる。深雪はその隙を逃さず、次々に瓦礫を拾っては投げ、立て続けに爆発を起こした。《サイトウ》の視線が、深雪を捕らえる。

「お前の相手はこっちだ‼」

「ああ!? うっせんだよ! 邪魔……邪魔じゃま邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔ああぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ‼」


 《サイトウ》は転がるのを停止し、完全に意識を深雪の方へと集中させた。深雪は更にビー玉を取り出して放り投げると、《ランドマイン》を発動させ、《サイトウ》を更に引き付ける。

 しかし《ランドマイン》は球体をした空気層を弾いたり威力を弱めたりはするものの、決定打になることは無い。それに、あまり強い火力を用いたら、ただでさえ傾いたアーケード街の天蓋が、支えを失って落下してくるだろう。

 これ以上、ボロボロになったアーケード街に損害を与えるわけにはいかない。


 深雪の意図を察してか、《サイトウ》はニヤリと凶悪な笑みを浮かべると、小刻みに重力波を繰り出してくる。《グラビティ》と《ランドマイン》、二つのアニムスは火花を撒き散らしながら激しくぶつかり合った。


「このっ……‼」


 深雪は《サイトウ》と距離を取りつつ、《グラビティ》をかわしながら、隙を見てはビー玉を投げつけ、《ランドマイン》を発動させていった。

 一方、《グラビティ》で身を守る《サイトウ》は、その表情からかなり苛ついているように見える。思うように薬物の補給をすることができず、焦っているのだ。深雪が仮に攻撃をやめたら、《サイトウ》は即座に薬物を手に入れようと走るだろう。それこそ、殺人も厭わないような強引な手段で。

 そうなる前に、一刻も早く人間に戻す必要がある。――だが。


(くそっ……これじゃ、《第二の能力》を発動させる隙さえ無いぞ!)

 おまけに、ピンチは唐突に訪れた。ポケットに仕込んでいたビー玉が尽きてしまったのだ。足元に転がっている瓦礫も使えなくはないが、いちいち拾い上げるほどの時間的余裕はない。

「く……‼」

「ありぇぇぇぇえええ!? 弾切れかにゃぁぁぁぁぁああああああ!?」

 《サイトウ》も深雪の置かれた状況を瞬時に読み、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。そして一際、鮮烈に、瞳を赤く輝かせる。


 深雪の頬を冷や汗が流れた。これは絶体絶命の危機だ。《ランドマイン》の媒体となるようなものは何もなく、このままでは重力波の直撃を受けてしまう。そうなったら、全身が圧し潰されてしまうだろう。 だが、《サイトウ》は手加減するつもりは無いようだ。ニタリと頬を歪め、嘲笑を浮かべている。 


 《サイトウ》が新たな重力波を放ち、全てを一掃させようとしたその瞬間。深雪の後方から何かが飛んできた。

 小さな短刀の形をした暗器――匕首(ひしゅ)。神狼が愛用しているものだ。


(神狼……!? こっちに来てるのか!?)


 更に別方向から《サイトウ》へと攻撃が加えられる。見ると、《グラビティ》によって吹き飛ばされたオリヴィエと奈落が、戦線に戻って来ていた。

「あなたの相手はこちらですよ‼」

「とっとと来い、パチンコ玉! 景品交換所に叩き込んでやるぜ!」


 二人とも、行動不能に陥るような大きな傷は負っていない。オリヴィエは《スティグマ》による副次的効果で、傷口の回復能力が突出して高く、奈落は奈落で、咄嗟の判断で上手く《グラビティ》の重力波から逃れたのだろう。

 ただ、アーケード街は今や殆ど崩れかかっており、むしろそちらが障害となって行く手を阻んでいたようだ。


「ああぁぁぁぁーん!? うぜえ、うぜえ……うぜえんだよぉぉぉぉおおおお‼」


 《サイトウ》は、今度は奈落とオリヴィエに向かって重力波を放つ。その行動に戦略性はなく、気が向いたものを手当たり次第に攻撃しているといった様子だ。

 だがそのおかげで、束のサイトウの意識が自分から逸れ、深雪は、ほっと息をつく。深雪のアニムスだけで《サイトウ》を引き付けておくのは、難しい。


 するとその時、山と重なった瓦礫を飛び越え、神狼がひらりと深雪の傍に着地した。やはり、先ほどの短刀は神狼だったのだ。

「オイ、まダ手こずってるノカ!?」

 開口一番、手厳しい神狼に、深雪は慌てて説明する。 


「あいつ、クスリを使ってアニムスを増強してるんだ!」

「何だト……!?」

 その一言で事態の重さを悟ったのか、神狼は眉を顰める。


「篠原の方はどうなった?」

「捕縛しテ、流星のところヘ連れて行っタ」

「さすが、仕事が早いな」

「お前らガ、グダグダなんダ!」 

「し……仕方ないだろ、あいつには物理攻撃が一切、効かないんだから!」

 深雪たちとて何もしていないわけではない。相手のアニムスが鉄壁すぎるのだ。


「攻撃ガ効かナイ……? あの球体ノせいカ……!」

 神狼は僅かに考え込み、身を翻す。「……流星を呼んで来ル!」

 だが、深雪は急いで神狼を呼び止めた。


「待て、それじゃだめだ! 《サイトウ》のアニムスは《グラヴィティ》……重力波だ。あの球体の膜みたいなのが物理攻撃を全て反射し、退けてしまう……! あの重力波がある限り、こっちが何人増えようと同じことなんだ!」 

「じゃあ、どうするんダ!?」


 声を荒げる神狼に、深雪は右腕をまくって見せる。そこには掌を中心として、腕全体に亀裂のような赤い痣が幾筋も走っていた。神狼はそれを目にし、はっと息を呑む。深雪はその神狼を真っ直ぐに見つめ、力強く告げた。


「俺が《サイトウ》を、ゴーストから人間に戻す!」


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