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伝説の竜騎士の後継者  作者: sold out
第二章
6/8

苦しむ少女

この話はかなり短いです。

ですので次の話に乞うご期待。

episode1〜信じるもの〜



<<AILIS SIDE>>




私にはとある日より『ある』声が聞こえる。毎回その声は私のことをなにかに誘ってくる。

心の中で拒否しても、何回も何回でも誘ってくる。段々と大きくなるにつれてその声もはっきりと、しっかりと聞こえるようになってきた。

最近では、その声の主が夢にまで出てくるようになってきた。

その姿は大きく、目が怪しく赤く光っていた。

全貌は、もやがかかっていてはっきりと見ることは出来なかったが、夢の中なのに、私にのしかかる重圧がとても大きかったことは、忘れようとしても忘れることは出来ない。


私はそのことを何回も友人に相談したが、誰にも相手にされなかった。それどころか友人の数は減る一方。そしていつの間にか私の周りには友達がいなく、孤独になっていた。

私の両親でさえも私のことを気味悪がっていた。しかし、私はそばにいるだけで充足感があった。だが、そんな幸せはいつまでも続かなかった。…両親は私をおいていつの間にか家から消えていた。そう。私一人をおいて家を捨ててどこかに行ってしまったのだ。

そして私は全てを失った。だからもうすべてがどうでも良くなった。私のことを必要としてくれる人なんか誰一人としていない。

もう嫌だった。何もかも。この世界のすべてが、そして自分の命すらも。だから私は耳を傾けた。『あの』声に。唯一私に残された話し相手。どんな存在なのかもわからないけど、でも…孤独よりかは幾分かはましだった。それはもう藁にもすがる思いで。



…ようやくわれの言葉に耳を傾ける気になったか。われの言葉に耳を貸すということは、二度と日の光を見ることはできないということを意味している。…それでもいいんだな?


その言葉は質問しているが、声が嬉々としていた。まるで、私の答えがわかっているかの如く…。



構わないわ。もうすべてがどうでもいい。私のことを嫌ったすべてのものが、全ての人が!そして…この世界が!だから…こんな腐った世界なんか消え去ってしまえばいい!!


私のそんな答えに満足したのか、声の主は悪魔のように、その時の私にとっては甘い甘い言葉を囁く。



…ふふ、そうか。ならばこの世界を憎み、嫌い、忌むお前は今、何を欲し、何を為す?



私は私を否定する全てのものを破滅させる力が欲しい。全てを凌駕し、全てを絶対的な力で押さえつける支配力を!そしてその力で…この世界を、全てのものを、全ての人間を支配する!!邪魔するものは全てなぎ払う。従うものは受け入れる。裏切ったものには死よりも辛い制裁を!…私は、私は!この世界の………支配者となる!!!



…面白い。いいだろう。ではお前に『力』をやろう。お前の望む『力』を!!さぁ思い浮かべろ!お前の望む力の形を!!


その言葉に釣られるように私は頭の中でイメージを浮かべる。何よりも強い力を。何者をも寄せ付けない絶対的な力を。そう、その力の先にあるのは絶望だけ。だから私の望む力は……!

『破滅の裁き(ダークネス・ジャッチメント)』これだ!これにしよう…



…そうか。心得た。ではその場で唱えてみるがいい。お前の力の言の葉を!!



破滅よ、私を害成すものを、私を否定するものを裁け。

『破滅の裁き(ダークネス・ジャッチメント)』

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