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飲めるあたたかさになるまで ――あなたの隣に、いてもいいですか。ずっと――  作者: 蒼宙 つむぎ


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4.Cafe Latte(28)

28.モヤ


 ブルッ


 腕につけていたスマートウォッチが震えてチャットの通知を知らせてきた。


(どうしたのかな?)

 仕事中なので軽く確認して手を戻す。

 が、またしてもブルッと3回震えた。

「……」

 何度も通知があると気になって仕事の手が止まってしまう。

(仕方ない、飲み物を入れて、ついでにちょっとだけ確認しよう)

 引き出しからマグカップを取り出し、そっと席を離れた。


 カフェラテのセットを入れる間、時間があるのでスマホをポケットから取り出しチャットの確認しする。

(あ、白石さんから次のミーティングの案内だわ。それから……)

 通知は思っていたより多く、スクロールをしていく。

「……」

 私への連絡は、ミーティング以外なかった。

 スマホの電源を落とし、カップを手に自席へと向かう。


 カタカタ カタ……


 キーボードを打つスピードが落ちていく。


 カリ カリ


 手に力が入らない。


 ペンを置き、目を閉じて小さく息を吐く。

 チームに入ったばかりだ。

 気にしても始まらない。



「瑞葵、ちょっと来てくれ」

 哲平から声をかけられ、部屋に向かう。

「失礼します。どうされました?」

「今度のミーティングも実家だから一緒に行こう」

「あ、はい。ありがとうございます」

「それから――」

 話をしていると、哲平のスマホが鳴った。

 哲平が“すまん”と手をあげて電話に出た。

「透、どうした?」

 相手は神崎だった。瑞葵は反射的に体をびくっとさせる。

「ああ、次も俺の実家で。え?それは……。いや、でも……。ああ、わかった」

 そう言って赤いボタンを押し、ため息をつく哲平。

 何かよくないことでもあるのだろうか。

「瑞葵、今度のミーティングは俺と樹だけで行く」

「……え?」

 さっきは一緒に行こうと話していたはずだが、予定変更を告げられ、視線が揺れた。

「あ、初期メンバーだけで、その、話をすることになった。悪い」

 いつもの切れのある言い方ではない。そして視線を逸らす。

 “私”が入る余地が、見当たらない


 渇いた口を閉じ、コクリと息を飲んで言葉を発した。

「あの……。大丈夫です。――それじゃ、仕事に戻ります」

 とっさにそう言って部屋を出た。



 カタ カタ カタ カタ


 集中力が切れてしまった。

 ペースが落ちている。

「はあ……」

 肺にたまったモヤモヤを吐き出した。


 カチカチ


 スケジュール開いて予定を組みなおす。

 少し余裕を持たせていたから、問題はない。

(大丈夫。ちゃんと、できてる)

 気を取り直し、背筋を正す。



 ――だが、吐き出したはずのモヤは、胸の奥に沈んでいった。


今日も読んでくれてありがとうございます。

明日も投稿頑張ります。

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