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飲めるあたたかさになるまで ――あなたの隣に、いてもいいですか。ずっと――  作者: 蒼宙 つむぎ


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5.Cafe Time with you(46)

46.恋? ~樹side~


 俺と巌さんがログハウスへと車で向かう道のあちこちでは、明らかに一般人ではない人たちが捕縛されていた。


「あの人たちはどうなるんですか?」

 少しだけ、気になったから聞いてみた。


「さあ、どうなるんだろうな。家には帰れんだろうな」

 無表情で、サラッと怖いことを言う。


 車の窓から見える景色は暗闇で何も見えない。

「瑞葵、怒ってるかな……」

 あと少し、車ならあっという間に着くだろう。




 ログハウスに近づくにつれ、縄で縛られた奴らがいくつかの塊になって点在している。

(生きて、いるよな?)

 転がっている奴らは悪人の類だが、命を落とすことがいいとは思っていない。

(平和に暮らそうよ……)

 俺は、大きくため息をついた。



 ログハウスに着くと、玄関口に人が立っていた。

 もしかして、あの女の手のものかと思ったが、俺を見ると空気が柔らかくなったので敵ではなさそうだ。


「あの2人と裏手に2人、こちらの手のものだ。安心していい」

「え、巌さんの?」

「君がいなくなるとあいつらが動き始めるだろうと思って向かわせた。中にも1人いるはずだ」

「あ、護衛ですね。ありがとうございます」

 この人は、どこまでも優しい。それを見越して俺も動いたんだけど、感謝しかない。



 俺と巌さんが扉を開き、中に入った。

「お兄ちゃん!巌さんも!」

 瑞葵が笑顔で駆け寄ってくれる。


「ただいま。1人にさせて、ごめん」

「あ、サツキさんがいてくれたから、大丈夫だよ」

「サツキさん?」

「1人、残ってくれた人だよ。お母さんの事、知ってるんだって」

「え、そう、なんですか?」

 ソファの後ろに立っていた女性を見ると、にっこりと笑ってくれた。


「お帰りなさいませ、樹様」

 彼女は穏やかな声で俺に話しかけてくる。

 黒髪を一つに纏め、化粧はきっとしていないと思われる。

 いわゆる、地味ないで立ちだと思うのだが……。


「可愛い、人だね……」


 なんというか、落ち着く。じんわりと心が温かく感じる。

 いや、違う。

 鼓動が早くなっている。


 俺は、初めてのこの感情を、どうしたらいいのか持て余してしまう。

(顔、熱いし)


 俺、どうしたんだ。


 視線が泳いでしまう。

 落ち着かない。

 普通に体を動かすって、どうしたらいいんだった?

 ああ、胸が苦しいや。




「樹さん、どうしたんですか?顔真っ赤ですよ?」


 瑞葵の後ろからやってきた健太郎を見て、大きく目を見開いた。

「健太郎君がなんでここに?」

(俺、君を連れてきてないけど?)


 なんだろう……。

 兄の直感ってやつ?

 2人の雰囲気が――、甘い?

 ていうか、近すぎだろ?


 イラっとした俺はこの後、ログハウスの近くに転がってるやつらを健太郎と数人だけで捕縛したことを知り、きちんと礼を述べた。


 ――2人の交際は、まだ認めてないけど。


あと数話で完結です。

もう少し、お付き合いください。

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