第4話・ギルドにて
これからも、頑張っていきます。
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城壁の番兵さんに教えられたとおりの場所にあった、石造りの大きな建物。
ここは他の建物とは違い、その入り口は開いていた。
ただし人間の姿は、まばらである。
ここが王都の、『ギルド』と言う建物らしい。
建物の外には、多くの張り紙が貼られたボードがある。
『臨時依頼』と書かれたそれらの紙には、非常に多くの『依頼」というものが書かれていた。
まあ、今は関係ない。
建物の敷居をまたぐと、うす暗い室内には窓口がズラリと並んでいた。
しかしそこにはやはり、人はほとんど居ない。
広い室内のせいで、中はより殺風景に見えた。
これもまた『冬』が終わらないのが原因だろうか?
一体、こうまでなるまで、何をしていたのか。
数少ない人が居る窓口の一つへと、向かうバルド。
「ようこそ冒険者ギルドへ。 本日はどういったご用件ですか?」
「セバルス村から来ました。 城壁の番兵に『冬』が終わらない理由はここで聞くように言われました。」
訪れたバルドに挨拶をするギルドの受付嬢。
特に会話をする気は無かったので、用件だけを伝える。
それを聞くと受付嬢さんは、悲壮な表情を浮かべて机の下から一枚の紙を取り出し、俺の前にそれを提示してきた。
「これは?」
「・・・この時期、この国では、いつもならば『季節の塔』にお住まいの『冬の女王様』が『春の女王様』と交代なされる事で新たな季節を迎えているのです。」
当然、それは知っている。
それによって、この国の季節は巡るのだ。
春から夏、秋から冬と。
だが現実として、季節はいつまで経っても『冬』のままだ。
いつもの時期はとっくに過ぎていると言うのに、季節は巡っていない。
どうしてそんな事になってしまっているのか。
「一ヶ月前、『冬の女王様』と『春の女王様』のご交代の式典が始まろうとしたときです。 いつまで経っても、『冬の女王様』が塔からお出にならなかったのです。」
「え、でも『春の女王様』が来れば、季節は巡るはずでしょう?」
前の季節の女王様は、ある時期が来ると、塔から出て行く。
入れ代わるようにして『季節の塔』に次の女王様が入る事で、季節は移り変わる。
それが、この国での常識だった。
つまり何らかの理由で『冬の女王様』が出なくても、『春の女王様』がやって来れば、季節は移り変わるはずではないのか?
女王様が、女王様を説得するなりして。
しかしそうではないと、受付嬢さんは首を横に振った。
「不思議な事に、『春の女王様』もお姿を現さなかったのです。 原因は分かりません。 こちらは、国王様からのお触れになります。」
そう言って、先ほど提示してきた紙に指を差す受付嬢さん。
『冬の女王を春の女王と交替させた者には好きな褒美を取らせよう。
ただし、冬の女王が次に廻って来られなくなる方法は認めない。
季節を廻らせることを妨げてはならない。』
書かれていたのは、これだけ。
なぜ女王様が姿を現さないのかなど、詳細は一切書かれていなかった。
「危険を伴う関係で、こちらのお触れは冒険者の方しか、お受けできない形をとらせていただいております。 しかし未だに誰も、この依頼を受けたものはいません。」
「え、もう一ヶ月は経つんでしょ! 受けた人が一人もいないんですか!?」
ギルドの様式は、親から耳にたこが出来るほど聞かされた。
提示された依頼を、冒険者が自分に合ったものを受けるというものだったはずだ。
しかもこれは国王様からの直々の依頼。
達成できれば名誉と、好きな褒美がもらえる。
内容もそう、難しくは無い感じだ。
一市民たちが、受けない理由は分かった。
だが一攫千金を狙う冒険者なら、飛びつくように受けるはずである。
なぜ誰も、受けないのか。
俺の気持ちを汲んだのか、残念そうな表情を浮かべながら説明をしてくれた。
「この依頼は、失敗すれば国が滅びかねないものです。 それに明確に何をすればよいか、なぜこのような事態に陥ったのか、何も書かれてはおりません。 それが冒険者の皆さんが敬遠する主たる理由だと考えられます。」
「くそっ・・・!!」
受付嬢さんから『冬が終わらない』原因を聞いて、頭を抱えるバルド。
季節が巡らない理由は分かったが、これでは何にもならない。
村へ帰っても報告できるのは、『季節はなぜか巡らないようだ』という事だけだ。
何のために、ここまで来たというのか。
いや、待てよ・・・
「それなら俺が受ける事は出来ますか!? 冬の女王様に出てもらうよう、頼めばいいだけなんですよね!??」
「え、ええ!? 確かに当依頼に年齢制限などはありませんが・・・しかし受けるとなると、あなたがギルド会員である必要が・・・失礼ですが、冒険者登録はお済みですか?」
そんなものをした事は無い。
だがそれをパスすれば、ニュアンス的には俺にも受けられるという事ではなかろうか。
登録なぞ、どうという事はないはずだ。
それで、その誰も受けないという依頼が受けられるというなら。
それで少しでも、『冬』が終わる可能性があるというならば。
このままでは、村の皆は飢えて死んでしまう。
原因が分からず、それをどうにかしようとする者が居ないというなら、俺が受けるほかには最善の方法は無いというなら。
俺はそれを、甘んじて受けようと思う。
俺は何も、英雄になりたいわけじゃない。
身に余るお金が欲しいわけでもない。
俺が欲しいのは、『フツーに幸せに暮らす』こと。
ただ、それだけだ。
作業が、遅れ気味です・・
どうにかしないと、間に合わないですね。
気を引き締めねば!!




