幸せを求めて
僕は、みんなを巻き込まないために、みんなを拒絶した。
・・・ううん、違うんだ。
こんなの、ただの自己防衛だ。
もう、傷つかないための。
あれから不幸は連鎖して。
彼らは幸せになんかなれないまま。
それでも、時は進んでいく。
「・・・僕は、どうしたら良いんでしょう。」
「私が知るわけないでしょ。」
「・・・・容赦ないですね。」
「当たり前でしょ。此処を何処だと思ってんの。」
「僕の安心できる場所、です。」
「へ?」
冗談を言ったら先生が赤くなった。
「冗談です。精神病院です。」
本当のことを言うと、何だ、と少し残念そうな声が聞こえてきた。
「はあ、で、何?」
早く本題に入れと言わんばかりに、南小波先生が、発言を促した。
「・・僕って、やっぱり呪われてるんでしょうか。」
「・・・・・どうして?」
「先生も、知ってますよね。・・僕の、姉のこととか、クラスメイトのこととか。」
「・・・まあね。・・・・それで、どうして優が呪われてるの?」
きっと、こんなこと聞かれても先生も困るだろう。
「先生は、覚えてますか。」
「何を?」
「あの日、の・・コト・・。」
「あーもう、分かってるから、何も、思いださなくていい。」
そう言って、僕の頭に手を置く先生。
「・・・先生のコレ、・・安心する。」
「そう?・・なら、よかった。」
あの日のことを思いだすと、今でも心が壊れそうになる。
あのときの僕は、幼くて、無知で、純粋だったから。
人を疑うことができなかった。
だから、約束を律儀に守って、壊れた。
「・・・ここは、」
「ん?」
「ここは、僕にとって、トラウマだけど、」
「・・・うん。」
「先生は、僕にとって多分、一番安心できる人だと思います。」
「・・・・・・・・・・」
しばらく沈黙してから先生は、「バカ。」と呟いた。
僕は、この些細な幸せも壊れないように、願った。




