あなたに視線を
手芸をやることしか、取り柄のない私。
そんな私が好きになったのは、親友の好きな人。
秘密で作った、彼に似た人形。
私の思いは、全てこれに詰め込む。
彼女と彼女。
親友の二人。
秘めた、思い。
「・・・どうしたの?鈴花。・・・目元、赤いよ?」
「・・・・なんでも、ない。」
朝から元気のない親友を横目に、心配の声を掛ける。
・・・西川くんがらみ、かなあ。
なんだか複雑な気分。
鈴花も好きで、最近いろいろあったから、とても心配だけど。
やっぱり、自分も好きな人のことを、うっとりした目で言われたりすると、嫉妬しちゃう。
「なにか、辛いことでもあった?」
「・・・・」
「あ、言いたくなければ・・」「私、もう、ゆーくんの大切じゃないのかもしれない。」
「え・・・どうゆうこと・・?」
大切・・?
「目が、あって、・・なのに・・っ・・」
「鈴花・・?」
なんだか、様子がおかしい。
「拒絶、だよ・・あれは、・・もしかすると・・、」
「ちょっと、鈴花?」
「はじめから、わたしはたいせつじゃ、なかったのかもしれない。」
なにが、あったんだろう。
どう考えても、この様子はおかしい。
「西川くん、プレゼント、何がいい?」
「ん、青菜さんがくれるなら、何でもいいよ。」
「そっかあ、迷っちゃうなあ・・。」
なんだか、理由が分かった気がする。
・・・へこんじゃうよ、私も。
鈴花までではないけど、それでも・・。
「・・西川くん、彼女、できたんだ。」
青菜さんかあ。可愛いな、やっぱり。
似たもの同士、だからかなあ。
こうゆうことは、あまり考えたくないけど。
ぽん、と鈴花の肩をたたく。
「西川くん、彼女、青菜さん。・・できたんだね。」
すると、鈴花がいきなり言った。
「そんなわけない、そんなわけないの・・っ!だって、ゆーくんは、・・あおな、さ、ん、」
じ・・と青菜さんが鈴花を見つめる。
冷たい、黒い瞳で、鈴花を睨み付けているような視線を送る。
なんだか、怖い。
このとき、直感的に感じた恐怖を、私はこのあと。
身に染みて感じることになる。




