君の優しさに甘えて
掲載日:2026/03/20
窓を叩く雨の音が
少しだけおさまった夜
僕はまた
答えのない静けさの中で
君が差し出す傘を探している
大丈夫だよという君の言葉は
割れた器に愛情を注ぐように
僕の心を解くけれど
その魔法の裏側にある
君の溜息を
僕はまだ知らないふりをした
君の優しさに甘えて
本当は自力で立つべき足元を
君の影に隠してしまっている
その温もりに沈み込むほどに
僕は少しずつ
弱くなっていくのかもしれない
何も言わずに隣にいてくれること
無理に笑おうとしなくていいと言ってくれること
その一つ一つが
眩しすぎて
ありがとうを言う代わりに
深く甘えてしまうんだ
いつか僕も
君の雨を凌げるような
大きな傘になれるだろうか
それまではもう少しだけ
この穏やかな中にいさせて
君の優しさにすべてを委ねてしまう




