ドレスアップ
「兄上、……本当に宜しいのでしょうか……」グラウクスが遠慮がちに聞いてくる。
「もちろんだ!」オリオンは笑顔で返答を返しながら、グラウクスの肩を励ますかのように叩いた。「お前ならきっと素晴らしい王になるだろう。民を愛して国を良くしてくれ」
「兄上、ありがとうございます」彼の隣にはカシオペアの姿があった。
「オリオン兄様は、やはりあのヒロ様の事を……」カシオペアは少し寂しそうな顔をしている。
「ああ、僕はヒロを愛している。彼女と結婚をしようと考えている」オリオンはカシオペアの顔をまっすぐ見た。「カシオペア、君は僕の可愛い妹だ。きっと幸せになるのだよ」彼は優しく頭を撫でた。カシオペアの両の瞳から涙が溢れる。
「兄上……」カシオペアは、オリオンの体に抱きつく。それをオリオンは優しく妹として抱きしめた。
「今日は、グラウクス国王の即位の儀だ。君が泣いていたらだめだろう」オリオンはカシオペアの涙を人差し指でぬぐってやった。
「ぐ、ぐ、苦しい……」ヒロは初めてコルセットと云うものを体にはめられている。
「ヒロ様、我慢してください!!」メイド服の女性がヒロの背後から彼女の腰を蹴るかのように足を掛けてコルセットの紐を力強く引っ張っている。
「カシオペア姫や、ガイア王妃は毎日こんな物を着ているのか!?」ヒロの顔があまりの苦痛に歪んでいる。
傍らには先にドレスの着付けを終えたカルディアの姿があった。彼女は黄色い向日葵のような色のドレスを着ている。カルディアもヒロと同じくコルセットを着用するのは初めてだったようで椅子に座ってぐったりしていた。
「はい!出来上がりでございます!」ヒロの着付けが終わった。
彼女のドレスは、純白の美しい物であった。こんなに本格的なドレスアップをするのは、もちろん初めてであった。
「ど、どうかな……」ドレスを着たヒロがカルディア達の前に姿を見せる。
「綺麗……、本当にお姫様みたい」カルディアのその言葉を聞いてヒロは真っ赤に顔を染める。
ヒロの髪は後ろに纏められているが、それは豪華な髪止めで止められている。赤く美しくすこし膨らんだ唇。今まで着た服よりも胸元が強調され、腰がくびれ大きなスカートがフレアー状に広がっている。
それは、ドレスの着用を手伝ったメイド達もうっとりする姿であった。
「ヒロ様、凄く綺麗いっちゃ!!」アウラ達も歓声をあげている。
「しかし、待遇が全く違うよね。少し前まで地下牢で鞭を打たれていたのに、今はこんな格好させられて」カルディアは吹き出す。
「本当にそうだな」ヒロもケラケラ笑った。




