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逆鱗

 夜になり、ひとまずヒロの体は鎖から解かれてカルディアと同じ牢の中に放り込まれていた。


「ヒロ!ヒロ!」カルディアはヒロの体の傷を見て半狂乱になっている。


「ヒロ様!」イオはヒロに手をかざして治癒を試みるが力を封印されていて、効果は全く無かった。


「酷いちゃ!酷いちゃ!オリオン様は初めから……!!」アウラは両手を後ろで固定されていて、ヒロの顔を上から覗きこみながら号泣している。


「オリオン様は、初めからヒロの術式が目当てで近づいてきたんだ!!私達を騙したんだ!!」カルディアの目は怒りに燃えている。今の彼女にとって、ヒロをこんな目に合わせた男達はもちろんであったが、この状況を招いたオリオンの行動に激怒している。


「う、うううう……」ヒロが苦しそうにうめき声をあげる。


「ヒロ!ヒロ!大丈夫!?ヒロ!!」カルディアがヒロに問いかける。


「カ、カルディアか……。大丈夫か……?」ヒロは自分の事よりもカルディアの体を心配した。カルディアにとってヒロのその優しさが余計に辛かった。


「私は大丈夫、大丈夫よ……、ヒロ、痛くない?あなたこそ大丈夫なの!?」カルディアは両面からとどめなく涙をながしている。その涙を拭う両手は固定されている。


「ああ、さすがに痛いな……」ヒロは、空元気のように少し笑った。どう見ても生きているのが不思議な位の姿であった。


「私は、私は許さない!オリオンを許さない!!」カルディアの両面が怒りで満ちている。


「うっ!」遠くで男のうめき声が聞こえ、ガチャガチャと鍵をあけるような声がする。


 少ししてから剣を手にした男が飛び出してくる。それはオリオンであった。


「オリオン様ダニ!」イオは喜んの声をあげる。オリオンは人差し指を唇に当てると静かにするように合図をした。それを見てイオは口を摘むんだ。


 オリオンは静かに気を集中すると檻の隙間を真っ直ぐに切り下ろして鍵を破壊する。

 そして、中に入るとアウラ達の手錠と首のチークを外して、剣を床に置いてヒロの体を抱き抱えた。「ヒロ様のキズを直すダニ!」イオは慌ててヒロの体に手を当て治癒の術式を発動する。


 


「えーい!!」突然、オリオンに向かって刃が振り落とされる。オリオンはとっさに転がりそれを防ぐ。


「カルディア!何を!!」オリオンは驚きを口にする。カルディアの手にはオリオンの剣が握りしめられている。


「あんたの!あんたのせいでしょ!!ヒロがこんな目にあったのは!初めから、ヒロの術式が目当てで私達に近づいてきて!……そして、ヒロの気持ちをもてあそんだ!」カルディアはもう一刀オリオンに振り下ろす。


「違う!僕は本当に君達と友達に!友達になって欲しかった!!」オリオンはカルディアの剣を交わしながら弁解する。怒りに燃えるカルディアの剣をは普通の剣士では交わせないスピードであった。


「うるさい!!」彼女はオリオンを本気で切るつもりであった。その時、瀕死の状態のヒロがオリオンの体を庇う。「ヒロ!!」カルディアは寸での所で刃を止めた。


「カルディア……、駄目だ……、止めてくれ……」ヒロは途切れ途切れの声でカルディアに懇願する。


「ヒロ!あなた悔しくないの!こいつのせいよ!こいつのせいで……ヒロは!!」カルディアはオリオンを睨み付けている。


「違うよ……、オリオンは……、俺達の仲間だ……」ヒロはまた意識を失った。


「イオ!」オリオンがイオに術式で治癒継続するように命じる。「カルディア、後で幾らでも御祓はうけよう。今はここを逃げ出すことを先に考えるんだ」


「くっ!!」カルディアは苦虫を噛み潰したようような顔をしてオリオンを睨み付けた。



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