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化粧

 あらかたの買い物が終わり宿に戻る事にする。カルディア達も普通の女性が着る服を購入して、早速それを着ている。女性ばかりで華やかではあったが、やはり以前のように暗殺着で歩くよりは目立たない。むしろ違う意味で人々の注目を浴びていた。


「これは、どういう事なのよ」カルディアは少しだけムッとしている。


「な、なにがだよ……」ヒロは返答に困っているようであった。


「なんだか、ムカつくんですけど……」カルディアはふんと言いながら斜め上に目を反らした。


「ああ、ヒロ様、本当に綺麗だっちゃ……」アウラがうっとりした顔をしてヒロの姿を見た。


「アウラ……、あまりジロジロ見るな!恥ずかしいから……」ヒロは真っ赤に顔を染めた。


 あの後、ヒロはオリオンに連れられてカルディア達のいる女性服の専門店に連れ込まれた。


「えーと、これなんか良さそうだな」オリオンが可愛らしい服を手に持ってヒロの体に重ねた。


「あの、オリオン様……、一体何をしておられるのですか?」ヒロはオリオンの行動が理解出来ないでいた。


「先ほど話したではないですか。若い女性がさらわれていると……。カルディアさんにお願いしようと思っていたのですが、いざという時、彼女の今の状態では不安ですので……、うーん、これも良いな!」オリオンはカルディアの怪我の具合の事を言っているようであった。


「まさか、俺に女の格好をしろと!?」ヒロは顔を真っ赤にして驚いた。


「ええ、まさか僕が女装する訳にもいかないですし、やはりここはヒロ君にお願いするしかないと思いまして……、あっこれは可愛いい!!」オリオンは嬉しそうに服を物色している。


「ちょ、ちょっと待ってください!そんなの……、俺は……!」ヒロはオリオンが持っている服を奪い取ると棚に投げ入れた。


「あれ、さっきは協力してくれるって言いませんでしたっけ?」オリオンが意地悪な顔をして微笑む。


「うっ……」ヒロは返す言葉がなかった。


 数点の可愛いい服と、ついでに化粧品と髪を綺麗に整えてもらう。ヒロの髪の美しさに女性の美容を生業なりわいとする化粧師けわいしさえもうっとりしていた。


 そして美しくなったヒロを見てオリオンは満足化な顔を見せた。


「どうして、あんたが私より綺麗なのよ!」カルディアは膨れっ面のままである。アウラ達は物珍しいのかヒロの周りを何度も何度もクルクル回っては魅とれているようであった。カルディアも一緒に化粧をしてもらい見違えるように女の子らしくなっているのだが、ヒロのあまりにも綺麗な姿にすれ違う男も女も振り返った。


「ちょっと!目立たないようにって言ったのに前より目立ってるような気がするんですけど!!」カルディアは自分より綺麗なヒロの姿が気に入らないようであった。


「そんなこと、俺に言われても……」淡いピンクのブラウスのようなシャツにジャケットのような物を羽織り、少しだけ足が露出したスカート。髪は何時ものように後ろに束ねられているが丁寧にまとめられていて、綺麗な髪飾りが添えられていた。そして唇には淡い紅が添えられており、どこから見ても美しい十六、七の娘さんに見えた。


「それでは、お嬢様方食事にまいりましょうか」オリオンも王族の服ではなく、普通の庶民の男性が着るような服装に変わっていた。敵の油断を誘う為だそうだ。


「わーい!!」アウラ達もそれぞれ普通の子供達が着用するような服を着ている。考えてみれば変化を利用すれは、彼女達は自分の着る服などなんでも用意出来るのではないかとヒロは思ったが、喜んでいるのでそれは言わないことにした。


 オリオンの言いつけでヒロはこの町に滞在している間は、女性の格好をしていなければいけなくなった。

 ヒロは早くこの町から出たいと心底熱望した。

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