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買い物

 翌日、オリオンの提案で一同は買い物に出かける事になった。

今までアサシンとして生活してきたヒロ達にとって暗殺着が制服のようなものであった。目立たないように上から何かを羽織ったりして誤魔化そうとはしたが、他の服を着ようと云う発想はあまりなかった。その分不要な荷物が減るという利点もあったからだ。


「君達は、もうアサシンではないのだからその服を切る必要はない」それはオリオンの言葉であった。

 カルディアの腕はまだ癒えてはおらず首から布で腕を吊り上げている状態であった。イオの治癒力でかなり回復はしたが前と同じように剣技が使えるようになるかどうかは解らないということであった。ヒロは彼女を守れなかった自分を責めたが、当のカルディアは意外と気にもしない様子で「そのうち治るんじゃないの、それにヒロが私を守ってくれるでしょう?」と言って笑っていた。


 一同は、商店の並ぶ通りに出る。

ブランドーの街には少し劣るがこのバーブンという町も活気に溢れる場所であった。女性物の服が売っている店を見つけるとカルディアとアウラ達は我先にと飛び込んでいった。

 その様子を見てヒロは苦笑いをした。


「ヒロ君はいいのですか?」唐突にオリオンが聞く。


「えっ、何がですか?」ヒロにはオリオンの質問の意味が解らなかった。


「いいえ、別に」オリオンは深くは触れないように話題を変える「この町に来たのは、実は理由があるのです」彼は真剣な顔をしている。

「り、理由ですか……」ヒロは真面目に彼の話を聞く。


「この町の娘さんが突然消えてしまう事件が多発しているそうなのです。それも決まって十五から十七くらいの若い女性に限定されているらしいのです」オリオンは腕を組んだ。


「女性ばかりですか……」


「そう、その事件の真相を探ろうと思っていたのですが、僕一人ではなかなか動きにも制限があると思っていたので、ヒロ君達にも協力して欲しいのです」オリオンは相変わらず真摯な口調であった。ヒロにしてみれば、ヒロ君ではなくて、ヒロと呼び捨てにされたほうがしっくりくるのにと少しだけ歯痒い感じがした。


「解りました。お役に立てるなら何でもご協力します」ヒロは快諾した。


「ありがとう、良かった。それじゃあ一つお願いがあるのだけれど……」


「えっ?」オリオンはヒロの手を掴むと少し強引にカルディア達のいる店に向かった。

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