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スキルなしと追放された俺、辺境で目覚めたのは〈領域支配〉だった 〜帝都が気づいた時には、もう遅い〜  作者: 影山クロウ


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第93話 教えるという戦い

北方同盟・前線都市ヴァルグリム。


空はまだ歪んでいる。


だが、崩壊は止まっている。


人が、人を支えているからだ。


アルカが静かに言う。


「……でも」


「安定してるのは、ここだけです」


カルディアが頷く。


「他地域ではばらつきが大きい」


ミヒャエルが腕を組む。


「つまり」


「“できる人”と“できない人”がいる」


ラグスが言う。


「そりゃそうだ」


アルトはリシアを見る。


「どうする」



リシアは少しだけ考えた。


そして言う。


「簡単にする」


沈黙。


アルカが首を傾げる。


「……簡単に?」


リシアは頷く。


「今のは難しい」


一拍。


「感覚に頼ってる」


カルディアが言う。


「確かに」


「再現性が低い」


ミヒャエルが言う。


「訓練が必要だな」


リシアは首を振る。


「違う」


一歩前に出る。


「誰でもできる形にする」



ラグスが笑う。


「言うのは簡単だな」


リシアは真っ直ぐに言う。


「やる」


沈黙。



アルトは頷いた。


「やれ」



リシアは兵士たちの方へ向かう。


先ほど助けられた男の元へ。


「大丈夫?」


男はまだ震えている。


「……ああ」


「怖かった」


リシアは優しく言う。


「うん」


一拍。


「でも、戻った」


男は小さく頷く。



リシアは周囲の兵士たちを見る。


「聞いて」


全員が彼女を見る。


「難しいことはしなくていい」


一拍。


「やることは三つ」


指を立てる。



「一つ」


「触れる」


兵士たちが頷く。


「二つ」


「声をかける」


アルカが小さく呟く。


「……同じ」



リシアは続ける。


「三つ」


一拍。


「一人にしない」


沈黙。



その言葉が、空気を変える。


ラグスが笑う。


「シンプルだな」


カルディアが静かに言う。


「本質です」


ミヒャエルが頷く。


「これなら広がる」



リシアは言う。


「それだけでいい」


「全部やろうとしなくていい」


一拍。


「できることだけでいい」


兵士たちの表情が変わる。


恐怖から――


「できるかもしれない」へ。



その時。


別の場所で、また崩壊が始まる。


兵士が一瞬、躊躇する。


だが――


走る。


触れる。


「戻れ!」


仲間も来る。


「大丈夫だ!」


「一人じゃない!」



ドクン。


光が揺れる。


崩れない。


アルカが叫ぶ。


「……成功!」


カルディアが言う。


「再現されています」


ミヒャエルが笑う。


「これだな」



ラグスがアルトを見る。


「いいの拾ったな」


アルトは答える。


「必要だった」



リシアは静かに言う。


「怖いのは変わらない」


一拍。


「でも」


「一人じゃなければ耐えられる」


沈黙。



その時。


遠くで、また歪みが生まれる。


だが今度は違う。


人が先に動く。


支える。


広がる。


アルカが震える。


「……早い」


カルディアが言う。


「学習しています」


ミヒャエルが呟く。


「文化になるな」



アルトは空を見る。


歪みはまだある。


カイネスも消えていない。


だが――


(変わった)



その時。


空間が歪む。


ラグスが笑う。


「来たか」


カイネスが現れる。


だがその表情は、前とは違う。


少しだけ、苛立っている。



カイネスは街を見る。


人が人を支えている光景。


「……面倒だな」


アルトを見る。


「増えたな」


アルトは答える。


「広がった」



カイネスは笑う。


「だが」


一歩前に出る。


「それでも限界はある」


沈黙。



カイネスが手を上げる。


ドクン!!


空間が歪む。


だが今度は――


一点ではない。


広範囲。


都市を超える規模。


アルカが叫ぶ。


「……大規模反応!」


カルディアが言う。


「同時多発!」


ミヒャエルが低く言う。


「来たな」


ラグスが笑う。


「次の段階だ」



カイネスが言う。


「見せてやる」


一拍。


「“維持できない世界”を」


沈黙。



アルトは一歩前に出る。


「なら」


一拍。


「維持してみせる」



ドクン。


世界が揺れる。


今度は都市ではない。


“領域”を越えた戦い。



リシアがアルトを見る。


「いける?」


アルトは答える。


「やるしかない」



物語はここから――


「文化 vs 崩壊」


次のフェーズへ入る。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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