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VRMMOぐだぐだプレイ記  作者: 兼乃木


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248プレイ目 迷宮都市バロワ

 (もみじ)はA−Aルートから進めているが、26層からはフロアも広くなっているようだ。


 迷宮都市のダンジョンの攻略をしているが、次の階層へ続く階段を見つけたらすぐに降りて行ったのに30層に着くまでに3時間かかった。


「マップが穴だらけ…平日は次のボス部屋まで降りて戦ったら終わりかな」


 リアルの1時間分で進める程度だが、平日で1時間くらいしか遊べない日はそんなものだ。

 睡眠時間が1時間減るだけさ!と倍の時間遊ぶ日もたまにあるけど。


 イベントのプレゼントボックスを集めたいから、椛もなるべく頑張るつもりはある。

 でも今日はボスを倒したらログアウトしようと思って切り上げたのだった。






 所持金を確認したらオークションの売り上げが入って来ていたので、椛はアンセムの神殿の転職の間にやって来た。

 ゼロイスにも迷宮都市にも神殿がないので、愛狼たちとひとっ走りして来たのである。


 転職費用の70万(リグ)はやはりツラい出費だが、レベルが上がる前で良かった。

 大召喚士もレベル70になることが条件のひとつだったそうなので。


 転職そのものはすぐに終わるが、上位職になって何が変わったのか確認するのは楽しみだった。


「常時召喚枠が増える…訳ないか」

「大召喚士に関する書なら資料室でお見せ出来ますよ」

「…転職しないと見せてもらえない!?」

「規則ですので」


 その規則はどういう意図で作られたのだろうか。大金を払って転職をする前に確認して、比較検討したかった気持ちをどうすれば…


 仕方がないので検証クランのシラベに愚痴メールで教えておいた。

 まだ転職できたプレイヤーの話は少ないので、それは知らなかったと喜んでいた。


 いや、転職前に見せろよと怒る所であって、喜ぶ所ではないはずだけど。


 釈然としないまま資料室に向かい、神官が出してくれた本を借りて読む。持ち出し禁止だそうだ。


 召喚士の本と重複する説明もあったが、大召喚士になると増える要素もある。


 ステータス面の強化は全ての上位職にあるだろうが、召喚獣のCT(チャージタイム)が1時間から1時間半に延びている。

 地味にありがたい強化だ。


 それから召喚した召喚獣たちが常時1.1倍のステータスに強化されるとか。

 

「なんか無法なこと言い出した…?そんなでもない…?」


 伝説の幻獣ミーティアの1.5倍バフに比べたらささやかに見えるが、攻撃力100が110になるという話である。

 速度や防御力も全て1.1倍だ。


 固定値ではなく倍率強化なので、それだけで無法に見えてしまう。


「…まあ、召喚主はその恩恵ないけど。いいな、1.1倍…」


 椛のステータスは1.0倍のままだ。

 いや、上位職になったから上がっているのだが。その上昇に合わせたテコ入れかもしれないけど。


 ちょっぴり羨ましく思う椛だった。






 マイペースにダンジョンの攻略を進めて数日が過ぎた。イベント前半戦も終わりかけている。


 召喚獣たちは確かに強化されていたが、ものすごく強くなったという感じではなかったので、バランスの良い強化だったのだ。

 そんな気がした。


「…やっぱり数が少ないな。スライム先生にあんなにもらったのに、もっと欲しいのなんでだろう。夜のクモ狩りで水増しするか…」

「妾のフィギュアは本当にあるのにゃ!?」

「シークレット枠は、期間中に死にものぐるいで集めた挙句に手に入らないことがザラにあるものだから」

「にゃー…どんな出来か見たいだけなのにゃ…誰か当ててないのにゃ?」

「売ってくれ!って面倒くさい奴が湧くから、自衛のために黙ってるものだよ」


 ゼロイスの自宅でプレゼントボックスの開封をしていた椛は、天狐(てんこ)を召喚して一緒に中身を確認していた。

 掲示板は見せられないので、天狐はシークレットの姿を知らないままなのだ。


 シークレット以外はコンプリートしているのだが、可愛い天使や小妖精はたくさん欲しいという話である。飾りきれなくても100個200個持っていたいゲーマー魂。


「イベントが終わったらドゥナンの街の家具屋に行って、フィギュアを飾れる棚を探そう。他の家具も揃えたいし…お金足りるかな…」

「妾、シークレットじゃなくて良かったにゃ。たくさん出るほうが当たりな気がするにゃ」

「…そうかな」


 シークレットの他に1~10等まであるが、もちろん10等が1番たくさん出る。

 今回の10等はエレメント系で、存在が確認されていない属性も全て揃っている。基本の6属性の他に雷、氷、木、嵐、岩まであって、11種類だ。


 フィギュアと言ってもゲーム内のアイテムなので、仕組みが不明だが本物そっくりのエフェクト付きで格好いい。もちろん本物そっくりなのは雷と闇だけだが、他もこんな感じなんだろうなと納得するエフェクトなのだ。


 でも10等だからたくさん出るので、椛もコンプリート済みである。


「妖狐にゃんは数千体に分裂してるけど、フィギュアまでわらわら出なくて良いんじゃないかな」

「にゃ!?せ、せめてたまに出る1等くらいが良かったにゃ!」

「わたしは1体しか出てないけど」


 掲示板ではけっこうゲット報告が上がっているらしい。1等のミーティア。


 レアすぎないので、気楽に自慢できるラインのようで平和そうだった。

 シークレットを血まなこで探している人たちのスレはギスっているらしいが。


 でも1等なので、まだ出ないよぉ〜と泣いている人もいる。たまに出るというより、運が良ければ1個か2個出るくらいの排出率だろう。


「まあ、どこかで見られたらいいね」


 椛はシークレットなど探す気がないので、呑気に答えたのだった。






 ゼロイスの街の西にある森で、召喚獣たちも投入してクモ狩りをしたら、一晩でかなりのプレゼントボックスが手に入った。


 特に範囲攻撃できる魔法が強い。一気に殲滅して、すぐに大量にクモが湧くのだ。


 でも開封が大変なので、自宅で召喚獣たちに手伝ってもらっていた。

 魔神どもは呼ばない。文句ばっかりでうるさくて、役に立たないから。


「にゃ!?これにゃ!妾が入ってるにゃ!」

「…そうなの?」

「開けるにゃ!…妾にゃー!」


 天狐も自分しか探していないが、開けまくる速度はなかなかのものだ。それで手伝ってもらっていたが、何故かシークレットを言い当てて喜んでいた。

 出て来たフィギュアは他の妖狐ではなく、妖狐にゃんモデルなのが分かる。


「満足したなら開封手伝って」

「仕方がないにゃ」


 天狐は機嫌良く応じて、開封を手伝い始めた。

 自分のフィギュアとはそんなに嬉しいものなのか、と理解しがたい気分になった椛だった。






 椛が妖狐にゃんフィギュアのスクショ付きで「ゼロイスの西の森で夜のクモ狩りしてたら出ました」と掲示板に載せてみたら、案の定ゼロイスにプレイヤーが殺到していた。

 今日はイベント前半の最終日なので、ラストスパートだろう。


 人が多すぎて効率が下がっているように見えるが、そういう話に飛びつく者は多い。


「ロウガイじゃないけど、愉悦愉悦みたいな気分…」

「なんか嫌なことでもあったのか?」

「なかったはずだけど…」


 イベントのフィギュアはだいぶ手に入れたので、椛はのんびり過ごしていた。

 迷宮都市の冒険者組合(ギルド)で会ったフレンドたちと酒場で食事しながら話しているところだ。


「…いや、実験気分?縁起担ぎ以上にならないのに殺到するのかな、くらいの気持ちだった」

「そうだよな。そこで必ず落ちる訳じゃないのに、そう聞くとその場所が特別に思える錯覚…」

「宝くじ売り場と同じだな。1等出ました!って売り場で買う心理」

「あ、それだ!」

「もしくは伝説の幻獣の出現場所」

「主どんの所じゃなくて良かったな…」

「そうッスね…」


 なんか似た話があった気がしていたが、多分それだ。

 逆にここで落ちる分は無くなりましたと言われたら誰も近寄らなくなるだろう。


「でも範囲攻撃で蹴散らしてもリポップ早いから効率良かったよ。人が殺到してなければ」

「ドワーフの国のスライム先生もかなり効率良かったぞ。10体以上の集団があちこちにいて、倒して回って戻る頃にはリポップしてるから」

「スライム先生は集団戦の回避の練習にちょうど良いんだよな。意外とノーダメで殲滅するのが難しくて」


 先生と呼びたくなる相手なのだ。

 椛もまた遊びに行きたくなって来た。


「…それで、出た?」

「まあ、数千個のボックスが貯まれば…」

「1万個も目指せるくらいだったからな…」


 今回は数を集めたほうが確率が上がるタイプのイベントだったのだ。

 廃周回している攻略組も引き当てている可能性が高い。


「妖狐にゃんが開ける前にこれにゃー!って言い当てるイベントは」

「知らねえよ」

「え?そんな機能あったの、あいつ」

「何故か…」


 運営のお遊びなのだろうが、謎の能力である。

 見せてあげると喜ぶよ、と言っても微妙な顔をされたが。


「そういえば三陣の一部がこのサーバーに入ったらしいな」

「レベルの低いプレイヤーが1000人くらい増えたっぽい」

「辞めた人の分とかアレな連中の分だね」


 三陣の募集が2万人以上だったので、補充人員も募集したようだ。


「第三サーバーは2万人いるし、どっちが当たりだと思うのかな?」

「ここだと終わってるイベントがあるからな。第二だってワールドリセットでイベントは全て参加可能のはずだし」

「…わたし、第二は行きたくないけどな」


 既存プレイヤーは第二サーバーをハズレ扱いしそうだが、新規がどう思うかはまた別だ。

 2年の格差があるプレイヤーたちがメインのサーバーより、みんな同じスタートをきれる場所のほうが楽しめる気がする。


「掲示板限定のアイドル様動画があるからなあ」

「そうだ、新作まだか?待ってるって言ってた奴が、まだかまだかってウザい…」

「なんで毎日雑スレで言うんだ、専門スレ行けよって言いたい…」

「スレチですよって言えないからな…」

「雑談だもんね…でも後半戦の直前に出すと煽り扱い受けるから…」

「ああ、それもあったな」


 椛は何も書き込んでいないのだが、フレンドの誰かが「風の塔で新作を撮ったって言ってた」とか余計な事を言ったらしい。

 風の塔とか、もうかなり昔の話じゃないかなと椛は思うけど。


 それで「いつなの!」「まだなの!?」「早く早く!」と毎日湧くようになっているそうだ。


 椛がちょっと覗いた時は見ていないが、ちょっとしか見ていないのですれ違ったのだろう。


「…光属性の気配がする…」

「かもな」

「闇属性しかいない所に気にもせずにズカズカ入って来て自己主張してる所が光属性だよな…」


 どこの誰だか知らないが、今後も会話しないように気をつけようと思った。

 1度でも言質を取られたら余計にウザいタイプな気がしたものだ。






????「掲示板は匿名なのじゃ。犯人は不明なのじゃよ。ホッホッホッ」

??「語るに落ちるって奴だろ、それ…」

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― 新着の感想 ―
誰も読みたがらない自伝を書いてええ出来やろってドヤる奴や自分のフィギュアは嬉しいやろなぁ
>どんな出来か見たいだけなのにゃ… 妖狐にゃんのにくめないところが詰まっててかわいい アイドル様も前回自分入りのプレボ見通してたけど、召喚獣共通の能力なのかな 三陣で第三サーバー以外の人、自分で選べ…
妾がわらわら出て来ても精神崩壊する妖狐にゃんいそう
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