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VRMMOぐだぐだプレイ記  作者: 兼乃木


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190プレイ目 アンセム

 クランチャットで[レベル65になったよ]と伝えてみたら、他にもレベル上げをしていたメンバーがいて、さらにレベル70を目指していた。


 危険度Bに挑んで[全然勝率上がらねえ]とボヤいている者もいたし、闘技場に篭っている者もいた。


 つまりみんな好きなことをしていただけである。


 (もみじ)はオーフォロ王国からカナーラント王国のアンセムの街に戻って来たが、次の行き先は迷っていた。

 秘境ハンターの火山ダンジョンの話も面白かったし、ちょっと行ってみたい。火属性の幻獣がいるかもしれない。


「…火属性?なんか火属性の何かの情報を聞いた気がする…」

「砂漠か?」

「二度と行かねえ!じゃなくて…」


 アンセムの冒険者組合(ギルド)で、買い取り窓口のおっさん相手に火山の話をしていて、遠い記憶の何かが掠めたのだ。


「…教えてシラベもーん」


 1番詳しそうな検証クランのクラマスに尋ねてみた。チャットを送ったら、さほど間をおかずに返事が来た。


 [炎の魔神の話?]


 それだー!と椛も思い出した。

 レベルを上げたかったのは、4体の魔神の話もあった、ような気がする。


「そう、王都カナリアのダンジョンの奥に、炎の魔神が封印されているのだよ」

「シラベが教えてくれたのか」

「…記憶力いいよね」


 たまにポンコツだが。

 今はだいたいの検証が終わったから、4月になったら情報投下して西の大陸に行くんだと言っていた。

 危険度Cのダンジョンのドロップアイテム関連と、レベル上げの方法論みたいな話である。


 でも喚く連中がいるの西の大陸が多いんじゃないかなと椛は思う。


 たまにポンコツ。


「そこは推奨レベル60だけど、危険度Cだからレベル70くらい必要だなって…あと鍛冶師の国に地の魔神が封印されてるんだって」

「おとぎ話でしか聞いた覚えがねえな、魔神なんて」

「行くなら水属性のダンジョンかな。武器は新調したい」


 属性素材で水属性の武器を作りたいところだ。

 でも鬼女の国ブローゼストには行けない。水属性のダンジョンが多い海洋大国なのに。


 次の目標が定まって来たのだった。






 トシュメッツ国の後日談イベントと呼ばれていたものは、少し前に完結したそうだ。

 ワールドアナウンスでもトシュメッツ国の部族間の関係が修復されました、と言っていた。


 トシュメッツ国内にいくつかある部族の長たちが集まって会議する定例会が復活し、九尾の妖狐に操られていた政府は解散となった。


 首都メルツを放置出来ないので、新しい国政を模索中だそうだ。


 一連の流れをまとめた公式PVも作られたので、イベントに関わらなかったプレイヤーにも分かりやすかった。


 オーフォロ王国のイベントはPVもないので、終わってないのかなんなのか。


「でさ、運営はもともと、世界のどこかでこんな事がありましたよってニュース感覚でPV作っておけば、全プレイヤーが参加しなくても構わないと思ってたのでは?」

「主人公になりたい奴が多すぎたってか?」

「生産職が参加出来ないイベントも多いしなあ」


 アンセムの冒険者組合に受付嬢のファンたちがいたので、ログイン時にPVを見たばかりの椛は思いついたことを言ってみた。


 そのくらいトシュメッツ国のイベントは、地味だからと1部のプレイヤーしか参加していなかったのだ。

 椛はその前のイベントに巻き込まれていたので近寄らなかっただけだが。


 1度しか起きない重要イベントが多すぎる。

 全プレイヤーが体験できるイベントもあるから、そういうものをユーザーは期待しがちなのに。


「任意でインスタンスエリアで体験できるようにしておけば、もう少しマシだった気がする」

「1番になりたい奴には効果ないだろうけど、物語体験したいプレイヤーは喜ぶかもな」

「何度でも追体験可能にしておけば帝都の鬼女たちも…」

「今から実装してくれていいんですよ…」


 イベントに引きこもって出て来なくなりそうだが、本人が満足ならいいんじゃないかなと思わなくもなかった。






 それはそれとして、今年もイースターのイベントの告知が来た。


 隣のサーバーが4月1日にリセットされるからか、イースターの日を無視して2週間開催される。内容は昨年と同じだが、イベントの報酬は増えていた。


「またモアイ像か…でも増えたの、西の大陸のフィールドボスのレアドロ武器(売買不可)となりきり狐獣人セット…」


 フィールドボスはレベル50前後なので、性能としてはいまいちだ。そのレベル帯なら強いが、フィールドボスのボス素材をたくさん使って強化しないと真の力は発揮できない。


 でも椛はフィールドボスなんて、遠い山の向こうに巨人を見ただけだ。ツチノコより遭遇できない都市伝説みたいな存在なのだ。


 見た目が格好いいのでコレクションするくらいしか存在価値を感じない。

 売れるなら迷わずオークションに出して金に換える武器。それがフィールドボスのレアドロ武器だ。


 他にも兎モチーフのイースターっぽい家具が交換できるが、10歳前後の若い女の子が喜びそう以外の感想が抱けない。

 可愛いのだが、おばさんには無理なデザインだし男子も使わないだろう。


 ポップでキュートは人を選びすぎる。


「1番要望が多かったの、兎のぬいぐるみじゃなかったのかなー」


 イースターの兎は可愛かった。おばさんでもぬいぐるみなら欲しいと言えるレベルの可愛さだった。

 ちょっと期待していたのにぬいぐるみはなかったので、余計にイベントに参加する意欲が失せたのだった。






 せっかくアンセムに戻ったので、毎日欠かさず主どん素材は集めている。さすがにレベル70になったら防具を新調したい。

 玄幽(げんゆう)の防具にも使うし、主どんスキルの武器もレベル70素材で作りたい。


「そろそろ主どんMK=Ⅱ(マークツー)とか来てくれてもいいのに…とりあえずレベル50くらいで。MK=Ⅲ(マークスリー)はレベル75かな…」


 ボーナスタイムに突入する主どん弱体技の呪縛から解き放たれ、新たな殺意マシマシ技を繰り出す…高速で高威力で、回避不可能な範囲技とか…


 …勝てる気がしないので、考えるのはやめた。きっと危険度Sにカテゴリされて、攻略不可能なエンドコンテンツとして君臨するのだ。

 格好いいけど、そうじゃない。


 主どんMK=Ⅱの素材は強そう、と思っただけなのだ。


 主どん以外から上位互換の素材が見つかったら寂しいではないか。


 などと考えながら、夜香花(やこうか)を摘む。まだオーフォロ王国に持って行くべきか否か。


 思考がすべって取りとめがなくなって来ていたが、ふと顔を上げた。


「あんっ」

「ぅおん」

「ぴゅい」


 流星(りゅうせい)月牙(げつが)、そして知らないミーティアがいた。

 つい月詠(つくよみ)を召喚して確認してしまった。


「やっぱりうちの子じゃなかった!」

「みゅっみゅう」

「ぴゅいぴゅい」


 また夜香花の群生地が占拠される…!と頭を抱えた椛は、黙秘することにした。

 報告の義務などないのだ。


 でもちょっとだけ頼んでみた。


「今宵限りのアイドルユニットは結成されますか」


 歌って踊ってくれたので、動画は鍵をかけて保存しておいた。掲示板などに血迷って投げないように、個別で設定を変えた。


 お礼にベリー各種を出したらストロベリーに食いついていたので、1番おいしい物に反応しているのかもしれない。






□伝説のミーティアの出現条件

1、夜の森

2、月夜

3、花畑


他にも条件はありますが、騎獣の激レア枠と同じくらいの出現率なので夜香花の群生地には年に2、3回現れる可能性がある程度

ちなみに1年48ヶ月の間に2、3回です


ミーティア風に出現条件を言うなら

「綺麗なお花が咲く場所にお月見しに来たんだ」

となります



□誰か呼んで契約させてあげたら良いのに!と思われるかもしれませんが、誰を呼んでも戦争勃発なので…呼ばれなかった人たちとの間に修復不可能な亀裂が生じそうなので…(日和った)

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― 新着の感想 ―
一夜限りの幻のアイドルユニットだと!?
同種の複数契約できない設定で良かったね...
有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪有罪…… 何某>冤罪だ!
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