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16.これから(最終話)

前回のあらすじ


依頼を受けナザック近くの森へと来たココとカロル。

ココはそこで、何者かの戦闘音を耳にする。

「誰かが戦ってる? 僕ら以外にも依頼を受けた傭兵がいたのかな?」

「魔獣と戦ってるにしては剣がぶつかる音が聞こえるんだよね……」

「……いってみる?」

「とりあえずそうしようか」


意見が一致し、二人で戦闘音の聞こえるあたりに向かう。そこには……


「ちっ、しぶてーなぁ」

「これでもトップやってんでね。そう簡単にはやられねーさ」


二人の男性が戦闘を行っていた。

一方は白髪の老人、もう一方は黒髪に若者だった。老人が振り下ろす剣を、黒髪が紙一重で避ける。


「ええいちょこまかと……」

「そういうあんたはとろくなってきたぜ? 引退も近いんじゃねーかじいさん」

「ぬかせ」


そんな軽口を交わし合いながら、二人は斬り合いを続ける。


「……ボスだ」

「ボス?」


カロルがつぶやいた言葉に首をかしげる。


「そう、あの白い髪の人はボスっていって、レギオンのトップなんだ」

「……なんでそんなーー」

「そこのガキども! 逃げろ!」


そんなひとがここにいるんだ。と言おうとしたら、当の本人から警告が為された。見ると黒髪の方がこちらへ向かってきている。


「てめぇらにゃ恨みはねーが爺の足止め係になってもらうぜ!」


そういって黒髪は斬りかかってくる。


「カロル下がって」


落ち着いてカロルを下がらせ、《空間把握》を使用しながら剣を抜いて待ち構える。


「うらぁ!」

「っの!」


そのまま剣がぶつかり合い、つばぜり合いの体制になる。


「へぇ、なかなかやるなお前……ってか腕輪持ちだったか」


つばぜり合いを継続しながら黒髪は僕を観察する。黒髪の腕を見てみれば、僕と同じ腕輪を嵌めていた。

実力は……相手の方が上かな? このままじゃ押し切られる……が、


「後ろ、危ないですよ?」

「げっ」

「おらぁ!」


黒髪を追ってきていたボスといわれる男性が、大きく振りかぶった剣を振り下ろす。って、あぶなぁ!?


「ちょっと!? 僕ごとやる気ですか!?」

「あいつの攻撃受けれるなら避けれると思っていた。謝罪も後悔もせん……結局逃がしちまったしな」

「いやいや、新米にいきなり殺す気で剣振り下ろすとかひどすぎるぜじじい」


そう、離れた場所で軽い調子で言っている黒髪を見ながら、ボスは言う。


「そんじゃーなー。あ、もうここでの仕事は終わったから俺たちはもう立ち退くんでよろしくー」


そういって、黒髪はそのまま逃げ去っていった。


「まてこらぁ!」


そう叫びながらボスは黒髪を追いかけていった。


「……なんだったんだろう?」

「……さぁ?」


カロルとともに首をかしげる。



「……へぇ、そんな偉い人だったんだ」

「偉いなんてもんじゃないよ。レギオンのトップ。傭兵ならだれでも知ってるすごい人だよ」

「へー……」


ナザックへの帰り道、カロルからボスについていろいろ教わった。


「僕の夢は、ボスのところみたいなクランのリーダーをやることなんだ」

「……カロルはクランを作りたいの?」


そう尋ねると、カロルはキラキラした目でこちらを見てくる。


「そう! 栄光の剣や魔技の道とかの、大きなクラン!」


例に出された二つは知らないが、とにかく大きなクランが作りたいということはわかった。


「そうだ! ココも入ってよ! 僕のクラン」

「僕?」


思いついたかのようにカロルが言い出す。


「そう! ココ今のところ特に予定ないんでしょ?」

「そうだなぁ……」


確かに記憶の手掛かりも何もない、これから特にしたいこともない……クランに入るという選択肢もありかもしれないな……。

さて、どうするかな?

アオイです。

申し訳ありません。まことに勝手ながら神の見捨てたこの世界で、は今回で完結とさせていただきます。

理由は、誤字チェックも含めて、1話から読み返してみたのですが、自分でも何が書きたいのかわからなくなってきたからです。

このまま、おかしな流れのまま続けるのもよくないと思ったので急遽打ち切りにしました。

では、ここまで読んでくださった方々、どうもありがとうございました。

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