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欲と
欲望のあるところには、どんなものにも何とも言えぬ切なさがある。
有限の切なさ。色と空の切なさ。
欲望のないところに美はない。
醜さは欲望そのものには宿らず、欲望への軽蔑や嫌悪の混ざり合うところに生じる。
欲望とは何か。それは有限の営みである。それは次第に消えゆく生き方の肯定である。
すべての欲望は最後には否定されてしまうものであるがゆえに、その肯定は儚くて、かけがえのないものであろうと思う。
欲それ自体は美しいものである。それは花と土の香りのするものである。
欲が醜いものであると思われるのは、おそらくは欲の美しさに囚われ、もはや欲を抱いていないのにその欲自体を意志が欲してしまった場合なのかもしれない。
ただ欲深いだけの人間は醜くないが、欲深くあろうとする人間はひどく醜い。
人は、欲しくないものを欲しがろうとしたときに、当然内的な抵抗を感じ、それをどれだけかみ殺そうとしても、それは軽蔑や嫌悪としてその根は広がっていくものだ。
どれだけ多くの欲がその名誉を不正に毀損されてきたことか。
しかし、欲は愛されなかった時だけ美しいのであって、愛された瞬間にそれは醜さに変わってしまうもの。
ゆえに、これを正しく取り扱うことが私たちにとってどれほど難しいことか、ゆめゆめ忘れないようにしよう。




