登場人物
僕は人の名前を覚えるのが苦手だし、そもそも人を覚えること自体が苦手だ。物語を書く際にも、登場人物が五人を超えると、五人目がわからなくなるときがある。四人目も怪しい。
三人ならば、僕はずっと憶えていられる。でもそれ以上だと、厳しい。頑張って四人、だ。
登場人物が、三人一組のグループが二つ、つまり六人を超えると、僕はその物語を書くのが嫌になるのではないか、とふと思った。
ひとつ、自分という人間の特性を理解する必要がある。
僕は四人以上が話していると、誰が話しているかわからなくなる。
通常、自分を含めて、四人が限度。頑張れば、五人。
一人称視点の物語なら、主人公はキャラクターである必要が少ないので、登場人物が主人公含めて四人いていい。一つの場面に、四人いていい。
三人称視点なら、ひとり減る。
物語は基本的な舞台的なものだ。現実用のように、雑多であってはならない。映像作品や絵を用いた作品ならば、雑多であることができるのだが、文章で書かれたものは、決してそうあってはならない。
わけがわからなくなるし、疲れるからだ。
いてもいいが、存在感を出してはいけない。
あらゆる場面は四人以下の主要人物と、それ以外のモブで構成されている。
それはおそらく、現実社会でも同じだ。
いつだって疎まれるのは五人目の主要人物になろうとする人間かもしれない。
例外的に、敵であれば、その存在は覚えることができるから。




