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31話 ルークの再会

カミラとの再会を約束してから俺の生活は変わった。

いつもは遊んでばかりだった俺は家の近くの道場に通うようになった。

最初は俺より先に通っていた同年代の人たち相手に最初は勝てなかったが年数が過ぎるとだんだん勝てるようになった。

その間カミラの噂が俺の住んでいる町にも聞こえてきた。

曰く不治の病に侵された王子を治療しただとか。疫病が蔓延した村を救ったとか。王国最強の騎士とともに魔物反乱を解決しただとか。彼女はモールス国最強の回復魔法使いとして有名になっていた。

俺は彼女に負けずと毎日努力をした結果15歳で騎士団入団試験を受けることになった。

俺の国では騎士団入団試験の項目は体力測定・模擬戦・学力試験の3つだ。

最後の学力試験は字の読み書きが出来ればそこまで苦戦しなかった。

体力試験と模擬戦は道場に通っていた俺はそこまで苦戦することがなく難なくと騎士団に入団出来た。

騎士団に入団してからは道場に通っていたころと同じで体と技を鍛え続ける日々を送った。

しかしそんな俺でもどうにもならなかったことがあった。

俺には簡単な魔法すら使うことが出来なかったのだ。

他の人は魔法を使うことで日常生活で使う火や少量の水を出すことが出来るのだが俺にはそれが使えなかった。

模擬試合ではやはり騎士団に入団するほどの実力者ばかりで入団当初は技術に差がなかったがやはり強化した力で負けてしまう。

しかし俺はカミラの護衛騎士になる必要があるため勝つ方法を考え続けた。

結果たくさんの武器の特徴や技術を学んでその弱点を把握することで力負けすることを補った。

しかしどうしても身体能力強化が得意の精霊と契約している騎士には苦戦してしまった。

それでも負けたくない俺は必死に技術を学んだ。

その生活が3年間は続いた。

俺の所属していた騎士団は最初入団した時はランダムで所属する場所が決められるが3年が経つと希望先を選ぶことが出来る。

俺は迷わず護衛騎士を選択した。

しかしそれぞれ所属できる定員数が決まっているためその数を超えると実力で決まる。

今年の定員数が一人なのに対して希望者が八人集まった。

八人それぞれが俺の同期の実力者ぞろいだったためかなり苦戦したが3年間の修行の末何とか勝つことが出来たのだった。


今年護衛する対象はこの国では聖女として有名になってきたカミラだったのが運がよかった。

俺はカミラと11年ぶりの再会をする日がやってきた。

俺は護衛騎士の先輩の後ろを歩いていた。

「あなたは聖女様について知っていますか」

「はい私はカミラとは幼馴染で昔は一緒に遊んでいました」

俺の言葉に先輩が少し怪訝な顔をする。

「ルーク騎士あなたは聖女様のことを名前で呼んではいけません」

確かに先ほどから誰もカミラのことを名前で呼んではいない。全員が聖女様と呼んでいる。

「それはなぜなのでしょうか」

「それは聖女様自身を守るためです。聖女様の名前を知られれば親しい者が誘拐された彼女を脅すような輩が現れるかもしれません。聖女様を守るために私たちは彼女の素性を隠さなければいけません。それは聖女様を守る我々の役目です」

先輩に護衛騎士のその言葉に彼女が10年以上もの長い間国のため国民のために頑張ってきた彼女の努力の成果の賜物だと分かり彼女の凄さを改めて実感した。


「聖女様ロージーです。本日は新人を連れてまいりました。入ってもよろしいでしょうか」

「ええ入って頂戴」

中から女性の声が聞こえてきた。彼女がどのように成長したのか楽しみだ。

扉を開けるとまさにカミラを成長させた姿の女性がいた。

俺の最後に見た姿を大人に成長させており、顔も大人の顔になっている。

服装は清潔感を感じさせる真っ白な服をしている。彼女は俺の顔を見ると驚いた表情で固まっている。

「私は新人騎士のルークと申します。よろしくお願いします」

俺の言葉に彼女は固まったまま暗い表情に変わってしまったのだった。




かなり駆け足です

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