15話 初めての道場
後日俺はレイアと道場にやってきた。剣術を学ぶためだ。
俺は前世では騎士をしていたためある程度の自分の剣術や知識はある。
だが20年以上年月が経ったのだ、きっと新たな剣術や知識が出来ているはずだ。
それに道場だと相手がいるはずである、そこで鈍っているであろう実践の感や経験が詰めるはずだ。俺はそれを目当てに道場に通うのだ。
俺がやってきたのがこの街一番の剣術道場だ。ここは女性が先生をしている。
ここに決めたのはルーカスだ、彼曰く「男性の先生に習うより女性の先生のほうが女性の戦い方が分かっているから」だそうだ
「初めまして私はこの道場の師範をしているエイダンです。これからよろしくお願いします。」
そういうと先生から自己紹介をされた。この世界では騎士などが怪我のせいで続けられなくなったものが道場を開く場合が多い。
「初めまして私の名前はデニスです。今日からよろしくお願いします。」
この道場では剣について専門で学んでいる。
この街には他にいろんな武器を学ぶ道場があり、ルーカスは最初こちらの道場に通わせようとしていた。だが、そちらの道場だと様々な武器の基礎を学ぶことが出来るが専門的な知識を得るにはやはり剣を専門で教えている道場に行ったほうがいい。それに俺は前世の記憶で大体の武器の基礎知識があるのだからそちらに通う意味はあんまりないのだ。
「では本日は初めてなのでこの木刀で素振りをしましょう。」
そういうと先生は木刀を渡してきた。 子供用に小さな武器なのだが今の俺には丁度いい。
「私の真似をするように剣を振ってみてください」
そういうと先生は素振りを始めた。基本的な上から下へ向けて振り下ろすだけの動作だ。
俺も同じように素振り何度かする。
その日は素振りをするだけで終わりの時間になった。
「今日は初めてだしこれで終わりにしよう。しばらくは素振りだけになるけど基礎は大事だから我慢しましょうね。」
「はい、今日はありがとうございました。」
俺は頭を下げお礼をした。
だが先生は驚いた表情をしていた。
「デニスちゃんはとても聞き分けのいい子供ですね。まだ始めたばかりの子は基礎をおろそかにしてすぐに実践をしようとするのに、この子は基礎の大事さをこの年で分かっているとても聞き分けがいい子です」
先生はレイアに向かって説明する。
「そうなんです。この子は考え方が大人びていて、ほとんどわがままを言わないんです。それにすべてに従うのではなく、間違いは間違いだと言えるとても賢い子です。」
それを聞くと俺は当たり前だと思う。精神年齢が大人である俺が大人な考えをしているのは当たりまえだ。それに素振りをすることで剣を振る大事な筋肉を鍛えることが出来る実践では大事な筋肉だ。
「では明日また来てね、明日も素振りになるけどよろしくお願いします。」
今日の訓練が終わり夕食の買い物を済ませると家へ帰る。
まだ食事の準備をするのは早いので、レイアは掃除を始めた。
俺はレイアの目を盗んで道場から持ってきた剣を振る、他のみんなと同じ練習量だと他のみんなと同じくらいしか筋肉が付かない、だが俺の理想を叶えるために頑張るのだ。
俺は剣を自分が満足行くまで振るとレイアが食事の準備を始めていたので手伝いをした。
今日も3人が早く帰って来た。最近は3人とも早めに帰ってくることが多い。
話を聞いてみるとエマちゃんがいなくなり、仕事ばかりでエマちゃんのことをあまりかまってあげられなかったことを後悔しているからだそうだ、エマちゃんがいなくなってからレイアもしばらくエマちゃんの分のご飯を作ったり、おばさんは異様に俺にかまうようになった。まだしばらくエマちゃんがいなくなった寂しさは残っている。
エマちゃんロスが深刻です。
あと話数が途中から間違っていたので修正しています。




