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13話 別れ

豚男が部屋からしぶしぶ出ていきソフィアを含めた俺たち5人だけが残されるとおばさんが口を開いた。

「ソフィア様先ほどはありがとうございました。」

「いえ、あの豚の態度に私も少し思う気持ちがありましたので、問題ありません。」

おばさんの言葉にソフィアは何てことないかのように答えた。

「ソフィアさんありがとう、パパとママのことを悪く言うあの人のこと嫌な気持ちになったからどこかに行ってくれてよかった。」

そういうとエマちゃんもソフィアに感謝をしていた。ソフィアは突然感謝をされたため驚いていた。

「エマは私のことが嫌いではないのですか」

「え、なんで私がソフィアさんのことを嫌いにならないといけないの」

エマちゃんは何を言っているか分からない様子で答えた。

「私があなたと契約したせいであなたは親御さんと離れ離れになってしまったのでしょう。その原因である私のことが憎くないのですか」

ソフィアの考えは当たり前だ、ソフィアと契約をしたことで幼いエマちゃんが親と離れて暮らす原因となってしまったのだから、人によってはかなり憎んでいても仕方ないだろう。

「私はソフィアさんと契約したことはもう憎んでないよ。確かに最初はソフィアさんと契約したことでみんなと別れないといけないなんて嫌だと思ったけど今はそんなこと思ってない。もうパパとママと会えなくなるわけじゃないし、それにデニスちゃんとの約束もあるもん。それに新しいお友達も出来たからうれしいよ。」

「新しいお友達?」

ソフィア突然出てきた単語に疑問を持つ

「うん、ソフィアさんだよ」

エマちゃんは何てことないかのように答える。その言葉にソフィアはとても驚いていた。

「私は何人もの人と契約をしてきましたが、私のことをお友達と言ったのはあなたで二人目です。それ以外の方は私のことを道具か何かのように扱ってきました。あなたはとても強い子なのですね」

その様子をおじさんとおばさんは笑顔で見ていた。きっと我が子の成長を感じているのだろう。


少しするとドアがノックされ豚男とは別の男が入ってきた。

その男は影が薄そうで、あんまり印象に残らない正直自己紹介をされたが名前も忘れてしまった。

「先ほどはトーンが大変失礼な態度をしてしまい大変申し訳ありませんでした。役場を代表しお詫び申し上げます。」

先ほどの顛末を聞いたのだろう、男は深々と頭を下げた。

「先ほどの男とは態度がかなり違うのですね。」

「もちろんでございます。もちろんご両親の方も大切に育てられたお子様を我が国の都合で引き離すこととなります。大変申し訳なく思っております。」

そういうとおじさんとおばさんは少し安心したような表情になった。国の人間がすべてあの男のような性格ではないとわかり安心したのだろう。


その後の話し合いは順調に進みおじさんが代表しておじさんがサインをした。

エマちゃんはかなりこれから首都にある学園に通うことになる その学園は貴族や強い精霊と契約したものが通うことになっている。だが強い精霊と契約したものが少ないためほとんど貴族用の学園になっているようで少し心配だ。

だがエマちゃんなら大丈夫だろうとても強い子だ。

手続きがどんどん進みもう少しでエマちゃんとのお別れの時が来た。

最初はおじさんだ。

「エマお前にはあまり一緒にいてあげられなくてごめんな、あっちに行っても元気で過ごすんだよ。何か病気になったらすぐに言いなさい一番の薬を持ってすぐに行くからな。」

「パパたまにある休みの時は一緒に遊んでくれてありがとう、私向こうに行っても元気にやるよ。でもお薬が必要になった時連絡するね。パパが作ったお薬が一番安心だから。」

次はおばさんだ

「エマ私たちも仕事ばかりであなたにかまってあげられなくてごめんね、私みたいにならないように家事を頑張るんだよ。」

「ママもお仕事ばかりじゃなくてちゃんと休んでね。確かにママには家事とかのこと教わらなかったけど、でもお勉強やルールを教えてくれたママのこと大好きだよ。」

その言葉を聞きおばさんは泣き出した。

最後は俺だ。

「エマちゃん元気でね。私も強くなってすぐにエマちゃんに会いに行くからね」

「デニスちゃんも元気でね。約束守ろうね、絶対にお手紙を書くからお手紙書いてね。」

そこまで言うとエマちゃんが泣いてしまい俺たちも泣いてしまった。


役場の方は俺たちの別れを見守ってくれていた。

最後にエマちゃんが「おじさんとおばさんにありがとうって伝えてね、みんなまた会おうね」

その言葉を聞き俺たちは退出をした。

本当はお別れをこんなに時間かけるつもりはなかったんですが、豚男を書くのが楽しくて少し長くなってしまいました。全部豚男が悪いんです。

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