第二話 ボーイミーツガール①
あたたかい。春はあたたかい。
切る風は程よく止めどなく流れる。
傾いた日差しの入射角はひざ関節から下半身を貫いた。
荒地と大差ないその獣道を辿り、側には筑紫が置かれているようだった。
身につけている不織布マスクを取れば良い匂いがするだろうな。
でも、取らなかった。
取ったところで頭痛は回復を見込め無いのもあったけど、何せ匂いはしないと思った。
顔は血液が周って火照り、口は水分を幾度と求め、喉にはハリセンボンがいるみたい。
その上、日差しが当たり風が頬を切る。
頼むからは今はやめてくれ、とそれに意思があったら叫べないが叫びたかった。
鉛よりは軽かっただろうが辛いから頭を下げた
そのまま歩いた。
砂。
砂利。
石。
そっけない縦動画をスクロールしてるようで。
砂。
砂。
砂利。
意思があったらあったで叫べないのに。
砂利。
石。
カタカタカタカタ...
見ずにわかる前からタイヤが地を這う音。
スピード的にそれは...
正直中学のころ登校していた景色と変わらない。
強いて言うなら今通る道は通らなかっただろうが、2本向かいの道はよく知っている。
田畑が満遍に広がっている為、未知の地を歩んでいる気はしなかった。
いつもと変わらない呆れるほどの平地そして奥に申し訳程度の林。
殺風景に何を告げれる。
告白したって何も返らない。
日に照らされ青に染まる空は、果てを忘れてそして私以外も忘れて、その因果で私自身を忘れてしまいそうだ。
都会に出ればこの草木は、生ける空気は素晴らしいのだろうか、2本向かいの道路はビルで見えないのか、その道は綺麗にアスファルトのスーツを着こなしているだろうか。
運動不足により足腰が苦痛を訴える矢先、視界に人影が映った。
それはマスクで顔面の半分以上が隠され、粗末な髪をしていた。
空白に一が生まれたら何が起こる。
宇宙にエネルギーが生まれたら何が起こる。
そこまで壮大な事柄ではなかったが、ついハンドルを掴む。
ついでにタイヤが回転をやめた。
その発された言葉で初めてその一の喉が炎症していて、男性であることに気づいた。
男性は首をけだるげに傾げ、疑問文を生み出す。
「...どうざれまじだ?」
どうと言うことなかったが、止まり降りたからにはやることがある。
降りた後の車両の錆びた金属は未だ音を鳴らしてる。
それは男性へと向かう白馬のようだ。
降りた騎士やら王子やらは鈍角に見える下向きに角張った口をしている。
どちらかと言えば線分の両端が持ち上がっている。
一重だが鋭い眼光と化粧なく精製紙に見える程凹凸なき肌、彼女は美少女と言うより美少年である。
そのためか、迫る夏目は二次元の得体が三次元へ衝突するようだ。
男性は畏怖する場面でないと理解しながら萎縮してしまった。
鈍角が広がりz軸方面へ穴を作る。
空気が振動する。
「後ろ乗る?」
声のトーンが親しい人へ向ける様で、男性は思わず後ろの居ない人へと首を回しかけた。




