第32話:【朗報】大陸連合軍(笑)が「親睦会」を開いてくれる件w 王様たちが10人も集まって、わたくしに椅子を譲りたがっているようですわwww
【大陸連合軍:総本部・鉄壁の聖都】
エングラム王国、ベルガ帝国。二つの大国が「物理的対話」によって陥落した報せは、大陸全土に激震を走らせた。 残された十の諸侯国と聖教国は、生存を賭けて「大陸連合軍」を結成。その数、実に二十万。かつて英雄と呼ばれた老将や、英知の限りを尽くす賢者たちが一堂に会し、難攻不落の聖都で最後の軍議を行っていた。
「……皆、聞け。アリシア・エングラムはもはや人間ではない。天災だ。だが、我らには法があり、歴史があり、正義がある! 知性を捨てた暴力に、文明が屈してはならんのだ!」
教皇が叫ぶ。その声は震えていたが、放たれる言葉は至極まともな「文明の叫び」であった。 だが。
ドォォォォォォォォォォォォォンッ!!
その「正義の集い」は、聖都の外壁が地平線の彼方まで吹き飛んだことで唐突に終了した。
【親睦会場(戦場):お集まりありがとうございます】
「ごきげんよう、皆様。素敵な『お茶会』の最中、お邪魔いたしますわ」
砂塵の中から現れたのは、もはや返り血が模様の一部と化したドレスを纏うアリシア。 彼女は、肩に「帝国皇帝(スペア椅子)」を担ぎ、右手には「エングラム王(主椅子)」を引きずっていた。
「き、貴様ぁ……! 二十万の連合軍に囲まれて、正気か!? ここには大陸中の王と知恵者が集っているのだぞ!」
教皇が震える指でアリシアを指す。アリシアは周囲を埋め尽くす重装甲の兵士たちと、整列した各国の王たちを眺め、感激したように手を合わせた。
「まあ! わたくしを歓迎するために、こんなに沢山の『椅子候補』が集まってくださったの? 最近の若者(参加者は全員40歳以上)は、本当に気配りができて感心いたしますわ。特におじい様、その黄金の椅子(玉座)、わたくしに譲ってくださるのかしら?」
「これは神聖なる教皇の座だ! 暴力で奪えるものでは――」
「あら、そんなに謙遜なさらなくても。言葉で譲るのが恥ずかしいなら、**『衝撃』**で伝えてくださればいいんですのよ」
【対話(殲滅):一万枚分の「重み」】
アリシアは一歩、踏み出した。 彼女の脳内では、二十万の軍勢は単なる「会場の飾り付け」であり、王たちの正論は「心地よいBGM」に過ぎない。
「全軍、攻撃開始ィィィッ!!」
教皇の絶叫と共に、二十万の兵力が一点に集中する。魔法の雨、矢の嵐、そして地面を揺らす重騎兵の突撃。 アリシアは、そのすべてを「笑顔」で迎え入れた。
彼女が軽く、本当に軽く、空気を叩くように右拳を振るう。
ズガァァァァァァァァァンッ!!
「……。……。全く。これだから最近の若者は、元気が良すぎて困りますわ。もう少し、淑女の前では静かに(気絶)していなさいな」
放たれた「正拳突き」の余波が、扇状に広がり、前方三キロメートルの地面を数十センチ削り取った。二十万の連合軍は、戦う間もなく**「物理的な突風」によってまとめて空へと打ち上げられ**、聖都の空を人間と馬の雲が覆い尽くした。
【決済:十の玉座と一つの平和】
わずか数秒。 聖都に残ったのは、無傷のアリシアと、腰を抜かして失禁した十人の王、そして教皇だけであった。
「お、お姉ちゃん……。あの人たち、二十万人もいたのに、みんな一瞬で『お散歩(吹っ飛んだ)』に行っちゃったね」
「ええ。きっと、わたくしたちに広い場所を譲ってくださったのですわ。最近の若者は、本当に親切ですこと」
アリシアは、震えて声も出せない教皇の元へ歩み寄り、その冠をナックル代わりに拳へ巻き付けた。
「さて、皆様。改めて商談を始めましょうか。……金貨一万枚。これで大陸全土を買い叩いて差し上げますわ。お釣りは、貴方たちの『命』で結構ですのよ?」
「ひ、ひぃ……! 契約! 契約します! 何でも書きますからぁっ!」
王たちは泣き叫びながら、ありったけの権利書と財宝を差し出した。 暴力は善――。 アリシアの「脳筋・対話術」は、ついに大陸から全ての紛争(反論できる者)を消し去った。




