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「テッド、学園生活はどうだい。」

手紙を出した翌日にクロード兄さんが第五クラス寮にやって来た。

「自由に活動して楽しくやってるよ。」

「テッドが魔法が使えなくて落ち込んでなくて良かった。それじゃ畑を見せてもらって良いかな。」

「うん、こっちだよ。」

寮の裏手に作った畑にクロード兄さんを案内する。


「これはスゴイ。こんなに作物が大きく育つなら概算でも収穫量が50%は増えるぞ。そうなると国外への輸出も可能になり外交カードとしても使える。しかも収穫量だけでなく人員も削減できるはずだから農業以外の産業に人員を回せる。思いつくだけでも多大な貢献が期待できるぞ。これが成功したら爵位も夢じゃない。」

クロード兄さんから学んだことを試しただけなのにそんなに褒めないでよ。

「クロード兄さんが教えてくれた論文のお蔭だけどね。」

「実現した者が称賛されるべきだよ。」

クロード兄さんはできた人だ。普通は功績は自分の物にしたいと思うはずなのに。

「取りあえず僕のほうで実用化出来るように実験してみるよからお互いに情報交換を密にしよう。」

クロード兄さんが協力してくれればもう実用化したも同然だ。

「ありがとう。俺もいろいろ実験して内容を送るよ。」

「因みにあの動く樹木が手紙にあったトレント?」

魔力を与えた結果、動き出した樹木は精霊の一種であるトレントだった。

クロード兄さんに教えてもらって存在は知っていたけど、俺が精霊を生み出したことが信じられなくて図書館で再度文献を調べたから間違いない。

「そう、ただアル以外の樹木はトレントになってないからどうしてアルが生まれたのかは謎だけど。」

「そんなにポンポントレントが生まれても困るから謎のままが良いよ。」

トレントのアルに樹木という植物の精霊である特徴を生かすために畑の管理を任せている。もちろん従魔登録は済ませてある。

しかし、樹木であるアルが同じ植物である雑草を両手でブチブチ抜いているのはシュールだ。

「それじゃ、僕は戻るね。早く実用化試験を始めたいからね。」

「分かった。ムチャはしないでね。クロード兄さんは頑張り過ぎるからね。」

「ああ、分かってるよ。」

クロード兄さんは興味深いことがあると寝食を忘れて没頭するからね。

余計なお世話かもしれないけど早くお嫁さんを貰ったほうが良いよ。



寮を改良したり、畑の管理と実験をしたり、森で狩りをしたり、顔面三人衆やオランド・フレア・ヒカリに訓練したりして五か月はあっという間に過ぎた。

この半年で寮をできうる限り改良した。まずは寮と森を区切るように壁を建設。

大きな森の木を丸ごと隙間なく並べて突き立てた上に毎朝俺の魔力を付与し続けている。流石に俺の全力攻撃には耐えられないが顔面三人衆やオランドはもちろん、フレアやヒカリが何度攻撃しても傷一つ付かない。

フレアは余りにも傷が付かないことに不機嫌になってしまったので宥めるのに苦労した。

畑の管理はアルが頑張ってくれている。水やりにはグミオウも協力しているようだ。従魔二人の関係も良好だ。グミスライムに従うトレントの様子はここでは当たり前となっている。

なので畑に関しては定期的に魔力を浸透させることとトレントに魔力を付与することだけだ。魔力操作も日々上達しているのでチョチョイのチョイで終わるので全く苦ではない。

森での狩りも特に問題ない。ボスボアがいなくなったからかボア種の勢力圏がへってバード種の勢力圏が増えている。そのうちバード種のボスを探してみるのも良いかもしれない。

トレントが完璧な管理を行ってくれているおかげで普通なら狩りの頻度を減らしても大丈夫なくらい食料を調達できるはずだった。

しかし、訓練と称して寮外から5人も来ているので夕食で消費する肉の量がとんでもないので毎日狩りに出かけているのだ。

だから何とかもう一人トレントを仲間にして畑を増やしたい。今後の課題だな。

みんなとの訓練は順調だ。

顔面三人衆は実技授業の下位クラス最下位から中盤ぐらいまで順位を上げている。

フレアとヒカリも上位クラスで良い成績をだと聞いている。

俺?

どうやら俺とオランドはランキング外らしい。成績はきちんとついて卒業できるようなので問題はない。


「そう言えばテッドは休みはどうするの?」

アーズ学園は年に2回長期の休みがある。大体の生徒はこの休みを利用して故郷に帰る。

「もちろん、みんなと一緒で故郷に帰るよ。」

「そっか、それじゃ次に会うのは2か月後だね。」

「そうだな。」

「私は北部の別荘で家族と療養ね。」

高位貴族であるフレアは別荘という男爵家には縁の内ものを持っているのか。

前世の知識にある社長令嬢みたいなものだな。

「俺達は王都の実家で過ごすな。」

「師匠、休み中もここを使って良いか?」

「お!それ良いな。この休みで実力差を縮めてやるぞ。」

顔面三人衆は日々実力が上がっているのが嬉しいのか休みの間も訓練を欠かさないず少しでも実力差を埋めるようだ。最初に絡んできたときと印象が違いすぎてもはや別人だ。顔は変わってないけどね。

「みんな気を道中気をつけろよ。」

「テッドもね。」

みんなと別れて旅の準備をするために市場へと向かう。

前回と違って一人旅だ。不足がないようにしっかり準備しよう。


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