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31.テッドは新しい従魔を手に入れる

何となく不機嫌になったフレアの機嫌を直す上手い方法はなかった。

ヒカリに協力してもらって宥めて、フレアが納得するまで模擬戦をした。

最後には涙声で『いつか勝つ』と言われたので非常に困った。ワザと負けてもフレアのプライドを傷つけるだけだし俺にできるのは出来るだけ模擬戦に付き合うだけだ。

なのでそれからほぼ毎日フレアとヒカリも第五クラス寮で俺たちと訓練をしている。


「ペッペッ。デルパ気を付けろよ。土がコッチに飛んできたぞ。」

「ごめんよ。」

今日は日頃の訓練料として労働力を提供してもらっている。

というのも森での狩りのお蔭で肉を、採取で果物が手に入るが野菜がない。

町で購入しても良いのだが第5クラス寮の敷地は広いのでそこに畑を作ることにしたのだ。

「テッド種はこんな感じで植えればいいの?」

「ああ、そうだよ。」

正直俺も他のみんなと同じで農業の経験はない。ただ前世の知識に自家栽培の記憶があるのとクロード兄さんに知識だけだがしっかりとたたき込めれているのだ。

「それじゃみんな離れて。」

クロード兄さんに教えてもらった農業の学術論文に植物の育成には魔力が大きく関係しているというものがあった。

そこでこの畑を作ったのには新しい実験のためでもある。

俺の身体で練り上げた魔力を地面に浸透させ野菜の種と果樹に魔力をふんだんに与えた。

(ポン)

(ポン)

(ポン)

「「「・・・・」」」

「テッド、僕目がおかしくなったのかな?野菜の種から芽が出てるように見えるよ。」

安心しろオランドお前の目がおかしいわけじゃない。俺にも芽が出ているように見える。

クロード兄さんに教えてもらった論文の内容が正しいなら色々おかしいところはあるけれどこの現象の説明だけはできる。

ただどうしても理解できないのはなぜ芽が出た瞬間にポンと音が出るのかだ。意味不明過ぎてわけ分からん。

「・・・果樹に花。」

「ホントだ。きれいな花が咲いてる。」

野菜だけでなく果樹にも目に見えた効果が出たみたいだ。

「よし、実験は成功だ。」

結果は出たので良しとしよう。

みんなは納得いかないようだが俺もみんなを納得させれないので強引に今日の農作業は終わりにした。


「テッド、テッド。大変だ。」

俺が森での狩りから帰ってくるとオランドがうっか○八兵衛のように慌てて走ってきた。

今日は顔面三人衆・オランドチーム対フレア・ヒカリチームに分かれて模擬戦をしていたはずだ。

そろそろ訓練の成果を見るためにも森で実戦を行っても良いかもしれない。

実践に勝る訓練はないだろうからね。たぶん。

「そんなに慌ててどうした?顔面三人衆が何かやらかしたか?」

別に顔面三人衆がいつも問題を起こしているというわけではない。寧ろ真面目にやっている。

ただイメージ的に何かやらかしそうなだけだ。まだ一度もやらかしてないけど。

「3人は今日も真面目に訓練していたよ。取りあえずこっちに来て。」

ついにオランドも顔面三人衆と言っても訂正しなくなったな。

顔面三人衆が諦めた後もオランドだけはしつこく注意してきてたからな。

これも俺の布教の成果だ。


オランドに連れられてやってきたのは訓練場ではなく畑だった。

「あ、師匠。」

「あれ見てください。」

「あんなの見たことありません。」

なぜ顔面三人衆はいつも一緒に話しかけて来るんだ。

三人が指さすほうを見ると既に畑に野菜が出来ていた。しかも見たこともないくらい巨大だ。

いや~、いきなり芽が出た後も毎日魔力を与えていたからだろうな。

これは農業革命が起こるんじゃなかろうか。手紙でクロード兄さんに報告しておこう。

「これは想像出来なかったよ。魔力が植物の育成に影響を与えているって言う論文があったから試してみたんだけど、こんなに早くしかも巨大になるなんて。」

トマトサイズまで巨大化した苺をちぎって食べる。

「うまい。みんなも食べてみろよ。」

なぜか全員が畑から離れて全く実りの収穫を行おうとはしない。

「・・・違う。」

違わないよ。おいしいよ。サイズが大きくなって味が悪くなるどころか寧ろおいしくなっているぞ。

「嘘じゃないぞ。ホントにおいしいって。食べたら分かるから。」

「テッドが嘘をついているとかついてないとかじゃないの。」

どういうことかサッパリ分からないぞ。

「ありがと。うんこれも上手い。」

リンゴの実を渡してくれたのでお礼を述べた。

「テッド、大丈夫なの?」

「何が?」

「・・・・隣。」

ああ、さっき俺にリンゴの実をくれたリンゴの木ね。

そりゃ分かってましたよ。リンゴの木が畑を闊歩してたんですから気が付かないほうが変でしょ。

恐らく大丈夫だとは分かってましたよ。グミオウと同じように俺の魔力を纏ってましたからね。

敵意がないことも俺には分かったけどみんなにも分かりやすいように安全性を見てもらったわけです。

グミオウが俺の頭から飛び降りてリンゴの木と向き合う。

プルンプルン。

ワッサワッサ。

どうやら先輩後輩であいさつをしているみたいです。

「みんな大丈夫だ。こいつも俺の従魔みたいなものだ。」

ただ魔力を与えたらリンゴの木が従魔になるとまでは想像してなかった。こんどいろんな物で試してみよう。



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