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15.テッドは筆記試験を完了した

「フ~。」

終わった終わった。何とか時間内に全ての問題を解くことができた。

隣の真っ黒とのイベントに時間を取られた時はどうなるかと思ったけど何とか時間内に問題が解けて良かった。

問題自体はクロード兄さんから学んだことばかりだった。

そう内容は問題なかった。しかし問題数が多いのが最大の問題だった。

これにはクロード兄さんの想定問題集に大変助けられた。想定問題のおかげで考えることなく反射的に解答を記入できたのだ。

それでも時間ギリギリまで必要で見直しは出来なかったが前世のように引っかけ問題はなかったので大丈夫だと思う。

明日の早朝筆記試験の合否を確認してから実技試験だ。

実技試験は受験者同士の模擬戦である。父様との約束があるので魔力操作を使った諸々の強化は使えない。

さてどうしようか。

イメトレで魔力操作なしだと父様、シオン兄さんとは一合すら打ち合えない。

クロード兄さんとは勝てないけどそれなりに打ち合える。しかしクロード兄さんは文官だからあまり参考にならないだろう。

シオン兄さんが言うにはスキルを取得していない入学前の子に負けるわけはないと励まされたが逆にそれがプレッシャーとなっている。

「・・・ありがと。」

試験問題を全て解答できるギリギリの時間しかなかったので時間を浪費するような動作を排除して長時間同じ姿勢でいた。

そのため身体のアチコチが痛いの解消するために身体を解しながら明日の実技試験について考えていると隣から声がかかった。

真っ黒がお礼を言いながら俺の筆記用具を返してきた。

「どういたしまして、次からは筆記用具の予備を持っておくべきだね。」

「・・・全部壊れたから。」

「それは、すまん。」

筆記用具ってそんなに高いのか?俺も自分で買ったわけじゃないから分からん。

この世界における貧富の格差は分かってないが真っ黒のようなヤツはたくさんいるんだろうな。

「それじゃ、学園でがんばらないとな。」

第一アーズ学園で頑張れば騎士になれる可能性がグッとあがるからな。

騎士の給料は悪くないはずだから真っ黒も頑張れば貧乏から脱出できるわけだ。

「あなたが助けてくれなかったら確実に落ちていた。ありがと。」

「まぁ、何となく優秀なヤツが落ちるのは勿体無いと思っただけだから気にするな。それにまだ合格が決まったわけじゃないだろ。」

俺が試験に集中するためにやっただけだ。

「優秀?」

あ、俺余計なことを言ってしまったな。言い訳したら余計に怪しくなってしまう。ここはさっさと退散するべきだけど、ちょうど良い理由がない。

「テッド~、一緒に帰ろう~。」

おお、救いの女神ヒカリが降臨されたぞ。

「悪い、連れが呼んでるから行くわ。明日の実技も頑張れよ。」

「あっ、ちょっと。」

真っ黒が呼び止めるが聞こえん。

カンニングはしてないが疑われるだけでも不味い。

まぁ、そもそもカンニングしても解答を書き直す時間もなかったけどな。

一刻も早く真っ黒の元から離れる為に早足でヒカリの元に向かった。


「お疲れ、試験はどうだった。」

ニコニコ顔を見る限り上出来だったのだろう。

「試験会場を見たときは緊張で頭が真っ白だったけど、テッドが緊張を解いてくれたから大丈夫だったわ。不思議といつも以上に頭だ冴えていたのよ。これでダメなら実力が足りなかったと素直に諦められるわ。」

おそらく適度な緊張感で集中力が高まったのだろうと予想する。

「それなら良かったよ。俺もヒカリがあまりに緊張していたから逆に冷静になれたよ。」

「ム、そこまで緊張してなかったはずよ。それにテッドも緊張していたのならお互い様です。それに私のお陰で緊張が解けたのだから試験に受かったら私のお陰ですね。」

なんか論理が破綻している気がするがそれを言ったらヤヤコシイことになりそうだ。

「そうだな。お互い筆記試験を突破できたらお互いのお陰だ。」

「そうです。恩人にはもっと敬意を払ってください。」

「はいはい、分かりましたお嬢様。」

「ム、まぁ良いです。ところでテッド君は試験できましたか?」

「お嬢様が緊張を解してくれたおかげで何とか全問解答できました。ちょっとトラブルがあってときはどうなるかと思ったけどギリギリ何とかなったよ。」

ほんと真っ黒とのイベントは無駄に時間を使った。もう気にしていないから良いけどな。

ただ時間内に解答を埋めれなかったら恨んだかもしれない。

「え!全部解答したの!?」

ん?

何をヒカリは驚いている。全問解答しないといけないだろう。俺は何か勘違いしているのだろうか?

「ん?ヒカリも出来たって言ったよな?」

そう、ヒカリも大丈夫だったと言っていた。

「イヤイヤ、私は筆記試験を突破できるくらいには出来たって意味よ。あの時間で全問解答なんて出来るわけないじゃない。出来ても半分が精々よ。」

「イヤイヤ、半分しか出来なかったら試験を通らないんじゃないか?」

「テッドは知らないの?半分も出来れば恐らく主席合格になるわよ。」

どうやら俺はクロード兄さんに騙されたらしい。

筆記試験を突破するには7割以上の正答数が必要だと俺は聞いていたんだが。

まぁ、想定よりボーダーが低いことは俺にとっては良いことだ。

「・・・どうやら俺は勘違いしていたようだ。半分くらいは正解できているはずだ。」

男爵の三男坊が目立って良いことはない。

ここは誤魔化すしかない。主席クラスでも十分目立つという意見は受け付けない。実技試験で調整すれば良いだけだ。

「・・・テッドがそう言うならそう言うことにしておくわ。」

ヒカリも納得はしてないけど深くは聞かないことにしてくれた。ありがたい。

さて、よほどのことがない限りは筆記試験は突破しているだろう。

実技試験の調整も魔力操作を使わないという縛りがあるので大丈夫だ。

もしものときは魔力操作をバレない程度に使えば良いだけだ。

明日に備えて今日はさっさと寝よう。

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