第4章 5話
-一条みなみの場合-
だいぶ辺りが暗くなってきた。
こうなると、ますます行動範囲が狭くなってくる。
「仕方ないわ。こっちへ」
秋葉原駅の方へと向かう。
だけど、駅にもすでにヤクザ達の姿が。
すでに先回りされている?
でもさすがにこれだけの人数がいれば、堂々と捕まえに来るというのは無理みたい。
私の姿を見かけてはいるが、動く気配はない。
だけど、いつまでも安全だとは言えない。
すでに時刻は19時を回っている。
帰宅ラッシュは過ぎている。
この辺りには居酒屋もご飯を食べる所も少ない。
ほとんどの人はそっちの方へ流れている。
つまり、人通りはどんどん少なくなっている。
警察の姿もあまり見えない。
ほとんどが中央通り付近にいるせいか、そっちを中心にお互いが見張っているような感じ。
つまりここ駅前は意識の外にあるような感じ。
安全とは言い難い。
どうすれば。
「こっちへ」
坂本さんが引っ張る。
ここは?
秋葉原ダイビル!?
「ここの地下へ行くわ」
え?
地下!?
そんなの聞いた事無いわ。
ここにはたまに来る事もあるけど。
地下があるなんて聞いた事が無い。
せいぜい地下駐車場があるって程度だけど。
身を隠すにはあまり適していないと思うんだけど。
「早く!}
くっ。
仕方ない。
今は行動範囲がだいぶ狭くなっている。
贅沢は言っていられない。
え!?
ここが秋葉原ダイビルの地下!?
かなり下まで続いている。
こんなに深い地下があるなんて聞いた事が無い。
どうなってるの?
「いたぞ!あそこだ!」
ついにヤクザ達もダイビルの地下へとやって来た。
こうなったら逃げる場所は一つしかない。
未知の場所でもあるけど。
ヤクザに捕まるよりは、ほんのわずかな可能性に賭けるしかないわ。




