第2章 2話
緊張した時間はまだまだ続く。
この状況では誰もが疲労を感じる。
それは運転している運転手もそうだし、犯人たちもそうだろう。
そして僕たちもかなり疲れている。
そのせいか、少し気づくのが遅れた。
バスが若干蛇行しているのだ。
もちろん白線を跨ぐほどではないが。
こんなに左右に揺れているのは、さらに疲労を加速させる。
「おい!しっかり走れ!」
運転手を見張ってる奴が叫ぶ。
だが、それは若干無理な話だ。
そもそもが、ノンストップで走ってるだけでも疲れる。
それに加えて、この状況だ。
肉体的にも精神的にも疲れるのが普通だ。
だいたい、こいつらだって微妙に疲れが見えている。
少人数体制で犯行を行っているせいで、休憩が取れていない。
よく見ると焦点も微妙に合っていない。
そう。
全員に疲労が見えている。
それなのに、運転手に無茶な注文をぶつけている。
このままだとまずい。
一瞬の運転ミスで、この爆弾は爆発する危険性がある。
そして、それはそれほど遠くない時間にやって来るだろう。
どうするつもりだ?
そんな事ぐらいはこいつらだって分かってるはずだ。
何が目的なんだ?
何処を目指しているんだ?
間違っても自分達もろとも自爆が最終目的って事ってのはごめんだ。
そんな狂信的な事に巻き込まれて死ぬ訳にはいかない。
人間はいつか死ぬ運命とはいえだ。
これならまだ不運の事故で死ぬ方がマシだ。
いや。
そもそも、この状況が不運とも言うべき事なのか?
くそっ。
どうすればいい?
あいつらも集中力が低下しているとはいえ、こっちも体力が消耗している。
しかも二人いる。
手前側の方はまだなんとかなりそうだが、運転手を見張ってる方は難しい。
二人同時に飛びかかっても、一人は死ぬ可能性が高い。
そんな事を頼める訳が無い。
かと言って一人では成功率は0に等しい。
どうすれば。
ぐらっ。
突然、大きく揺れた。
バスが路肩に乗り上げる!
「危ないじゃないか!!」
ふぅ。
確かに、今のは危なかった。




