第2章 3話
-桜崎遥の場合-
あれ?
今何か物凄い衝撃を受けた気がするんだけど。
気のせいかな。
何も異常があったようには見えない。
よし。
気を取り直して。
再び窃盗団を探さなきゃ。
だいたいPCばかり狙うというのが気に食わない。
まるで私自身を挑発しているかのよう。
もっとも、犯人はそんな事考えてもいないでしょうけど。
でもこれは、パソコンが生活の中で重要な位置にある私にとっては許せない行為。
しかし聞いていると、警察がまったく動いていない事が判明してくる。
もちろん、盗難された店は被害届を出している。
だけど、警察が聞き込みや捜査をしている気配が無い。
警察の姿があるだけでも抑止力になるというのに。
そんな事をやっているようには見えない。
潜伏調査でもしているかのと思ったけど。
お店から色々と聞くと、警察が立ち寄った事が無いという話を次々と聞く。
これはおかしい。
普通、事情聴取として聞き込みをしなくてはいけないはず。
どういう事?
それと、もう一つ不思議な事がある。
盗難されたパソコンが何処にも流れていない事。
ネットオークションには同じ型番のパソコンが中古で売られているという事もなく。
またどこの中古ショップにも売られていない。
これが1台とかならまだしも、かなりの数が盗難に合っている。
当然、お金にする為だと思った。
なのに、中古には流れていない。
もちろん、今のパソコンには個別番号のように違うパソコンを区別する番号は記載されていない。
完全に闇ルートに流れたら、それを追うのは不可能。
それに、盗むなら最新機種にするのが普通。
それが一番高く売れるから。
なのに、盗難に合った物の中で最近じゃないのもある。
これがおかしい。
パソコンというのはちょっと過ぎれば次が出てきて、値段の下がりも早いという特徴がある。
1シーズン過ぎるだけでも、半額近く下がるのもある。
それぐらい早いペースで次が投入される世界で、盗むなら最新機種を狙わないと苦労の割に高く売れないという現状がある。
それなのに。
最新を狙っていない。
窃盗団はお金にするのが目的じゃない?
そうなると、色々腑に落ちない点も説明出来るかも。
何故ならお金目的だとすれば、かなり相応しくない品物を狙っている事になる。
窃盗団だって馬鹿じゃない。
わざわざ重くて場所を取る物を盗み、それで売る時には保証書だって見る。
闇ルートに流すにしても、正規の買取りよりも安く買い叩かれるのは目に見えている。
それなら宝石や貴金属を狙った方がマシ。
でも、違う理由だとしたら?
わざわざパソコンを狙うのだから。
もちろん、使う為。
何の為に?




