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 第0話 蛇に足が生えたような祭

〔84g〕


 地球の静止軌道上。

 それは、それまでは自分が持ちうる最大速度で、ただ宇宙を彷徨っていただけだった。

 目的地も時間も持たず、ただ飛んでいるだけの存在だったそれは、ちょっとした偶然で小惑星から地球の衛星へと姿を変えた。

 その小惑星がプルトニウムという、地球の有する自然ではほとんど作り出すことができない物質でできていたのは、偶然という言葉では足りず運命とでも言い換えるべきかもしれないが。



 そんな衛星が日本の領空範囲内で静止し、日本国の剣たる忍者たちが影でその所有権を他国と争い奪い合う中、この衛星を奪い取ったのは天魁星の異名を取るたったひとりのテロリスト。

 その中国生まれのテロリストを中心に、集まり集まったの百八人の好漢、悪霊、妖怪たち。

 彼ら百八人が各々が持つその技量と途方もない原子力で、衛星を改造したのが彼らの住処、梁山泊。




 そんな衛星の中、百八人のテロリストのひとり、天勇星の部屋で目覚めたひとりの少女が居た。

 彼女の心の中にあるのは、ただ漠然とした喪失感だけ。

 目の前の青年に対して懐かしさは感じていたが、その懐かしさは決してその喪失感を埋められない。

 何か約束があった。使命として、宿命として、命として抱いてきたものだった。

 「私は天勇星。その名を関勝、あなたの…遠い子孫ですよ」

 「…お前が誰かはわかった、だが、俺は…俺たちは誰なんだ?」

 彼女の後ろには、未だにフラスコから出られない数万の兄弟たちがいた。

 たったひとつの細胞から分裂し、年齢、性別、能力、全てが異なるが明確に同じ遺伝子から作られていることは実感としてわかる。

 「私の祖先…あなたのオリジナルは、とある戦で首を跳ねられました。

  それを百七人の仲間たちが見つけてくれまして…塩漬けにされていたおかげでDNAサンプルも採取できました」

 「…その…オリジナルの俺は…リュウとかヨクトクとか…云うのか」

 「いいえ、なぜです?」

 「そのふたつの名前が…ずっと頭から離れない、そいつらに…会いたくて…申し訳なくて…なんなんだ、これ」

 天勇星は、満足げに笑い、生まれたばかりで何も着ていない少女に、自分が着ていた白衣を渡した。

 「人生記憶はDNAには記録されていないはずなんですが…まだ人類には人類の知らない不思議があるということですか…素晴らしいッ」

 天勇星の高笑いと、それを見守る少女。

 その部屋には、プルトニウムの甚大なエネルギーで目覚めを待つ無数のクローン戦士が居た。


 NEXT STAGE 空想科学忍法帖 梁山泊編

選抜七人

生存・刀心居士(根来)

生存・夏心居士(根来)

生存・杉谷全銃坊(甲賀)

生存・西郷 流星(山至示現流)

生存・服部 半蔵(伊賀)

生存・百地 弾牙(伊賀)


百八人のテロリスト

生存×百八人


関羽雲長クローン軍団

生存×無数


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