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鏡の向こうで溶ける永遠  作者: 光闇居士


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7/7

〈あとがき〉

雨は、永遠に止まない。


この物語は、鏡の向こう側で溶け合う二つの影を、ただ静かに見つめていただけのものだ。


愛という名の怪物が、どれほど優雅に、どれほど残酷に、人の輪郭を飲み込んでいくのか——それを、黒いフィルター越しに、ただ映し出しただけ。椎名零は、鏡野葵の藍色の瞳に沈んだ。


鏡野葵は、椎名零の影を自分の形に溶かした。


二人は、もはや「二人」ではない。


一つの、歪んだ、しかし完璧な永遠となった。


私はこの小説を書きながら、幾度となく自分の影を鏡に映してみた。


果たして私は、零か。


それとも、葵か。


あるいは、すでに鏡の向こうで、溶け始めているのか。歪愛サイコノワールとは、愛の理想形を、冷たい刃でゆっくりと切り裂くジャンルである。


甘い毒を、黒い硝子に注ぎ、読む者の喉の奥まで流し込む。


あなたが今、胸の奥に感じているあのざわめき——それこそが、この物語の真の結末だ。雨の夜に、誰かと目が合ったら。


その瞳が、あなたの影を飲み込もうとしていることに、気づいてほしい。


気づいたときには、もう遅い。


しかし、それでもいい。


愛とは、ときに、そんなにも美しく、残酷で、溶けるものなのだから。鏡の向こうで、永遠は静かに微笑んでいる。


あなたが次に、雨に濡れた路地を歩くとき、


この物語の欠片が、


あなたの影に、そっと絡みつくことを願って。


鏡野 零より、


いや——


鏡の向こうより、


愛を込めて。




―― 完 ――

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