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私たちは翼を隠し持っている  作者: 鈴本 凜
高校生編

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出会い

桜の散る季節。私たちは出会った。


高3の春、クラス替えにて騒々しい教室の中で、私、相川ナズナは端のほうに座り、お気に入りの小説を読んでいる。

、、、正直、この空気は苦手だ。 

 小学生の頃から幾度となく経験しているはずなのにどうにも好きになれない。

新しい人達と新しい始まりまでは理解できるが、ここまで騒ぐほどのものなのかと思ってしまう。


そんな私にも話しかけてくる人はいるが挨拶程度で、会話は続かない。

会話を続けようとしても、流行りに乗ることができないためついていけず、空気が変になるのだ。

そういうことが続くと、私自身からも話を続ける気はないと気づくのかみんな安易に近づいてこなくなった。

そして【公式ボッチ】と呼ばれるようになったのだ。


「相川さんだよね?私、隣の席の本村です。よろしくね!」

と声を掛けられて、「相川です。よろしくです。」と短く返した。

その後は会話は続くことなく、私は小説に目を戻した。

隣からは、本村さんとその友達の会話が聞こえる。

聞き耳を立ててみると、

「相川さんは【公式ボッチ】って呼ばれてるけど、可哀想なぼっちではなくて、かっこいいぼっちだよね~」

「わかる!!クールな魅力があるよね〜!」

等と話していた。

、、、いや、かっこいいぼっちって初めて聞きましたけどなんて思った。

ツッコミを入れることでもないので、なんだそれと感じながらも小説に集中した。 

それから、朝のホームルームが始まるまで本の世界を堪能した。


―キーンコーンカーンコーン

本鈴が鳴ったことでみんな各々席に着く。綿日の後ろにはうるさそうな男子が座った。

「ここしか空いてないじゃん。。」と言いながら。

みんなが席についたことを確認して担任が話し始める。

「これから1年間担任を務める野原です。受験など忙しい1年になりますが、全力でサポートするのでみんなで楽しみましょう!」と元気よく言った。

担任になった野原先生はまだ20代後半らしい。

若いのに高3の担任なんて気が重いだろうに、すごいななどと思いながら話を聞いた。


「、、、じゃあ、席は好きな順のままでいいから、出席番号順に自己紹介していきたいと思います。まずは、、、1番の相川さんからね。」

と呼ばれ立ち上がる。

「相川ナズナです。よろしくお願いします!」

それだけ言い座った。

周りからは「かっこいい、、、。」「芯が強そう、、、。」などと言っているのが聞こえた。 

また言われてるとため息をつきながら、窓の外を眺めた。

しばらくして、最後の人、私の後ろの席の人が立つ音が聞こえた。

「横井亜輝です。アキって呼んでください!趣味は髪をいじることです。1年間よろしくお願いします。」

これで長い自己紹介をおわった。

テンションが高そうな後ろの席の人とは関わらないようにしようと思った。

「これで全員ね!みんなよろしくね!」

と担任の一言で一限目は終わった。


―2限目、、、

「委員会決めをしたいと思います。」

と説明していんのを見ながら、自分は一択だなっと思った。

「まずは、図書委員なりたい人いますか?」

という声と同時に手を挙げた。

周りを見渡してみると自分一人とのことで、みんな私が手を挙げたから遠慮したのかなと思いながらすぐに決まった。「じゃあ、相川さんで決定ね」と言われると、心の中でガッツポーズをした。


それから、3限、4限と進んでいき、今日は初日ということもあり午前中で下校となった。

教室を出ると私はいつものように図書館に直行した。

1年生の時から通っているだけあって、司書さんからも、昼休みの時間は手伝いをする代わりに開けてくれている。

この学校の図書館は、教室等とは別にあり、利用者が少ない。

そのため、休むためには穴場だ。

いつもの席について本を広げると!隣に誰か座った。

「相川さんだよな!俺、同じクラスの横井亜輝。よろしくな!」と急に自己紹介されて、握手を求められた。

つられて握手してしまい、横井亜輝はうれしそうだった。

「何か御用でもありますか?」と聞くと、にっこり笑って、「髪いじらせてくれない?」と言われた。

急すぎていっている意味が理解できなかったので「はい?」と聞き返すと、

「相川さんの黒髪がきれいで艶もあって、サラサラだからヘアアレンジしてみたくなっちゃって、俺の練習台になってくれない?」と尾行していたと白状した。

新しいクラスになってそうそうストーカーされるとは。。

「髪は褒めてくれてありがとう。でも、髪をいじるのはお断りです。」と言うと、

「うんちゃー、、!やっぱりだめか。。今日はあきらめて明日出直してきます。」と言っていなくなった。

何だったのだろうと思いながら本に向かった。


次の日の朝、また、横井亜輝が教室で「相川さん、おはよ!昨日の件考えてくれた?」と聞いてきた。

はっきり「お断りします。」と言うと、今日もだめかーなんて言いながらあきらめる様子はない。

私は、断ったはずなのにこの人は1日のうちにお断りの効力が切れるようだ。

ため息をつきつつ、「何度来ても、お断りですよ。」と言った。

するとそのやりとりを見ていた彼の友達は「相川さんと仲いいの?」と彼に聞いている。彼は「これから仲良くなる予定!目指せ、親友!」なんて言っている。

「恋人を目指してるわけじゃないのかよ」などとツッコまれていたが、彼はただ薄ら笑うだけだった。

彼のこの言葉の中にどれだけの意味が込められているのか私はこの時知らなかった。


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