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さらなる転生を果たしてしまったようです

 意識を失ってどのぐらいの時が経ったのだろう。

 相変わらずに何も聞こえない。

 覚醒したようだけれども、体の動きは鈍く。

 なんとなく馴染み始めているものの調子がまだ悪い。


 ただ…落ち着くような感覚と、落ち着かないような気配がして。

 眠気で落ちる眼をちょっぴり一括してみれば。

 体は動く。動くが。目をあけて。熱源を感知しようにも全部真っ暗。

 変な触感がする。とりあえずもっと動いてみよう。


 お、揺れる。揺れる揺れる。

 壁があるようだ。

 そうと分かれば全方位を散策。


 おっと、さらに壁があるようだ。

 閉じ込められておる。

 暗くて全方位が壁ですな。



 …

 ……

 ………

 仕方ない。打ち壊すか。

 なんとなく。理解した。

 あれからどのぐらいの時間が経ったのかは分からないが。

 記憶は残っている。何が起こったのかも分からないが。


 壁を壊そう。

 多分。多分だが。そういう事なんだろう。


 せーので。そーりゃあー!



 ゴスッ………



 痛い…こ…壊れない。

 なんだ、このカラダ貧弱だぞ。

 いや、むしろ壁が硬すぎるのか。


 いや、諦めるな。

 ここでやらなきゃダメな気がする。

 一生をこの場で終えてしまう。そんな気がする。


 もう一度…!



 グキッ………



 ほわぁ…く、首が!

 なんだこりゃ…壊す力も自分には備わっていないというのか。


 いやいや、まだだ…

 触手がある。動いてる動いてる。これだ。これがあれば…



 バキッ…



 お、穴空いた。その穴より光が差し込み。

 やはりそういう事だったかと確信が持てた。

 やっぱり触手だね。これが一番使い慣れてる。

 となれば触手で穴をさらに開けての。乱れ突きぃ。



 パキッ…パキッ…パキパキ………



 そうして、止めに今度こそ頭突きでドーン!

 円形に穴を開けていた壁の部分が頭突きにより綺麗にすっぽ抜けた。

 なんとなく無意味に壊したくはなかったので綺麗に穴が開いた。

 頭には帽子のように何かが乗っている。


 

 おお、外だ。

 いつもの光景だ。

 森の中。


 ロードした直後のあの光景。

 変わっている事と言えば。とんでもない大きさの木が生えている事。

 見慣れない姿だが、記憶に残る強大な魔物が二匹。傍にいる。



 その二匹は、じーっと此方を見つめていた。

 どちらも巨大な蛇と竜である。



 (ぱぱ~♪ まま~♪)



 今の自分より遥かに大きい二匹の魔物を見上げ。

 なんとなく上目遣いに呼びかける。



 「…………」

 「…………」



 なにこれ、バレてるとは思うんだけど。

 二匹のなんとも言えない邪悪な笑みが印象深い。


 喜んでいるのでしょう。でも怖い印象しか受けないのです。

 食われそうだ…というのが素直に思った感想だ。

 だって、顔を近づけて大口開けて迫ってくるんだもの。


 その後はペロリストな二匹により体中を嘗め回されましたとさ。

 何がどうなったかを確認する術もなく

 疲れ果て睡眠を欲するまでに成すがままにされ。

 気が付けば見慣れぬ蛇は『アスピク』であろう。

 見上げれば威風堂々。なんとも野性味溢れるその姿。

 隣で伏せて様子を観察し続ける始祖竜にも劣らぬ貫禄がある。


 …この二匹で戦ったとしたら、そこそこいい勝負をするのではないか?

 そもそもに、何故こんな状況となった。

 自分が理解している事といえば。


 タマゴ確認。割れている。今そこから自分が誕生したと推測。

 『アスピク』と『始祖竜』の関係は不明。

 相変わらずな存在感のでかい大樹。

 始祖竜と守護者が世界樹と呼んでいたがなんとも不格好な。


 ああそうそう。守護者居る?



―――確認 おはようございます 私は守護者 ヨロシクネ



 あ、居た。何それ。流行ってるの?



―――確認 出来上がった器への転生を確認 いつものご主人様でした



 ああ、やっぱりね。

 さらっと転生なんて言ってるけど。

 つまりはアレでしょ。『アスピク』に元の体乗っ取られたんでしょ?



―――確認 その認識で間違いありません



 で、さらに聞くけど転生ってそんな簡単に出来るものなの?



―――確認 図りかねます 『アスピク』に聞いてください



 ………と守護者はそう言うものの。

 なんでしょうか、この状況は?



 今まで自分の中にいたのであろう『アスピク』なのだが。

 自らの体を持ち、自分の前に鎮座する…その姿を前にするとなれば。

 相当に度胸がいるんじゃないのか?

 魔王としての貫禄が、威厳が。

 これでもかというぐらいに詰め込まれている姿。

 野性的で巨大な体躯。その背に輝く『蛇王の象徴』の神々しさ。

 やはり…実際に前にすると。

 その存在感はRPGで言うラスボスクラスの魔物だと感じる。

 


 ドラゴンより…怖いんですけど。

 いや、怖さで言えばドラゴンが上なのだが。

 今の今まで、話し続けていた結果の安心感がある故の結果なのであり。



 …怯えていても仕方あるまい。

 意を決して対話だ。がんばれ自分!



(オイコラ…アスピクなんだろう? こりゃどういう事だ?)

 何の気なしに強気にいってみる。

 いつものアスピクならこのぐらいで怒ったりは。



「アア"? 可愛い奴だと思ったらやっぱりコレか? 食い殺すぞ?」

 普通に怖いです。はい。

 というか普通にお喋りになられた。

 蛇なのに喋れるのですな。


 …もしや。

 スキルである程度なら声帯をどうにかこうにか作り出せるのかもしれん。

 今度試してみよう。今は即席でどうにもなりそうにないし。念話だな。



(はい…申し訳ありませんでした。アスピク様…って。そうじゃない)

(説明が欲しい。何がどうなって…自分がこうなったのか?)

 ともあれ、アスピクからの悪意は感じない。

 顔は怖いが、内心で絶対笑ってるぞコイツ。



「そりゃあアレだ。丁度いい器があったからな。

 ソレにキサマの魂を押し込んだらこうなった。」

 丁度良い器…まあ、自分が産んだタマゴの事だろう。

 アレに押し込まれたって。

 なるほど…器は出来上がってるとユミルも言ってた覚えがある。



(押し込んだって…入れるならそっちが入れば良かったじゃあないか?)

 なんで自分の事を、他の体に押し込むんだよと小一時間。

 アスピクが入れば良かったじゃんと素直に思うが。



「そンな危ない事出来る訳無いだろ。失敗して消えたくないンでな。

 確実な方法を選んだまでよ。上手くいったンだから文句を言うな。食うぞ?」

 これもまた脅された。

 つまりアスピクは安全な方法で。

 自分側は失敗するかもしれない方法で…という事だろう。

 成功したから良いものを…



(って事はアレか。自分は確実な方法を選んで。)

(失敗するかも知れない事をこっちに押し付けた訳か!)

 でもまあ、アスピクだし素直に思ったことをぶちまける。

 友達だろう?友達を消し去るような事はしないだろう?

 信じる事にはしたが。やはり思った事は伝えてやる。



「何の問題がある?我が手を貸したのだから失敗等あり得ぬだろう!

 そこの竜にはちと説明が必要だったが理解はしたようだ。」

 うむ、やはりアスピクは心の友だ。

 対話が出来ぬ頃は怖かったものの。

 こうして話す事が出来ればなんとも身近な存在であると感じる事が出来る。



「確認ダ。オマエガ『ヨルムンガンド』でコイツガ『アスピク』か?」

 そういえばユミルも傍にいた。

 あまりにも…アスピクの存在感が凄すぎてユミルの影が正直に薄かった。

 こうして目の前で話せば…こっちもまたそれはそれで貫禄たっぷりなのだが。

 アスピクは説明したと言っていたが、どこまで理解できたんだろう。

 少なくてもアスピクを敵視したりはしていないようだけど。



(その認識で間違いありません)

 ともあれ、守護者の真似でそれっぽく答えてみる。

 思えば自分達は別々の精神を持っていたが、自我も曖昧になっていた時期もある。

 一つの体で二つの精神。良く混ざり合わなったものだ。



「フム…トモアレ。転生には我モ手を貸シテヤッタ。オドロイタゾ。」 


(え?どういう事デスカ?)


「アスピクとヤラガナ。強引スギタンデナ。

 アノ姿デ泣キツカレタラ…助ケテヤルシカアルマイ…」


(ん?んん?泣きつく?助ける?)

 ちょっと不穏な言葉が聞こえていますが。

 一体どういう事でしょう。アスピクさん?

 今の自分の姿がどうなっているかちょっと分からないが。

 それなりの睨みをきかせじーっとアスピクをみつめてみる。

 …この姿で泣きついたのか?

 いや、ユグドラシル・ティアの姿でだろう。多分。

 どちらの姿にしろ、泣きつかれたのならば破壊力は抜群にあるな。


「何を言ってる?ちょっと手間取っただけだ。

 別に手助け等無くても、どうにかなった。」

 なるほど…少し危なかったのか。

 何をどうしてこうなったか全然説明がつかないが。

 相当に難しい事であった。という事だけは理解しているつもりだ。


(そうかい。まあ結果良ければ言及するまい。)

 ともあれ、こうして目の前にアスピクがいる。

 自分も生きている。失敗した場合の事等考えていても仕方あるまい。

 それに、アスピクが凄味を効かせて威圧してくるので引き下がるのだ。


(さてと。色々と理解が追い付かない面があるが。一先ず…)


「名前を付けてやるとしようか」

「ウム…名前ダナ。」

 頷く巨大な2匹は顔が怖い。

 両者の意見は一緒でしたし、仲が良さそうに感じるが。



(へ…?名前?なんでそうなるん?)



「我等が名付けてやろうというのだ」

「毎回呼ビ名ガ変ワルノハ不便ダ」



(そりゃあ…確かに。不便だけども)

(前に魔物に名前付けるのは難しいと聞いたんだけど?)



「我なら魔物の一匹や二匹。名付ける事など容易い。」

「魔力ノ問題等アル筈モナイ。」

 名付けるには相応の魔力が必要。と守護者に聞いたが。

 この恐ろしくも頼もしい。魔王のような存在の二匹を前にするのであれば。

 確かに、全然心配いらない。気がする。



(それなら。お願いしようかな。覚えやすいので頼むよ。)

 確か名前を付けられれば強くなれる。とも守護者は言っていた。

 しかも蛇の王と始祖竜から名前を付けてもらえるのですよ?

 心が躍ります。思えば自分。この二匹の子供なのですね。


 …実感が沸きません。

 というか、蛇の姿になってから結構な年数生きてるのですよ?

 そりゃあ…転生なんていう経験。2度目か。記憶も残ってますし。

 なんとも奇妙な感じがします。



「任せろ。良い名前を付けてやる」

「アスピクよ。私ニモ考エサセロ。」

 そんな流れで二人揃って案を出しあっているのを傍で聞いてみれば。

 なんともまあ、御大層な名前が出てくる事。



 時間を操るから神からの名前だが、クロノスとかどうだ?

 実は時間を操ってる訳じゃないんだよね。それに神様の名前とか却下。


 ノルニル ナンテドウダ?

 どうゆう意味?

 トアル女神達ノ呼ビ名ダ。

 却下。その女神さん達に失礼。


 ウルダっていうのはどうだ?

 ん、なんか覚えがあるけど。なんだっけ?

 さっきの女神の一人を文字って。キサマの記憶によると

 どこかの惑星につけられた名前だとか。

 …んー。却下。女神とかヤダ。

 惑星ぐらいだったら別に良いかもしれないけど。

 スキルに星食いなんて物持ってるぐらいだし。

 というか人の記憶覗くな。恥ずかしい。


 ナラばヴジャト。ナンテドウダ?

 これもどこかで聞いたような…

 ウム。蛇ニ由来スルモノヲ身ニツケタ女神の。

 却下。女神はやめて!というか女神多すぎ!


 ならば、イルルなんてどうだ?

 お、知ってるような知らないような。

 なんか長ったらしい名前の蛇の最初の文字だけとってみたんだが。

 良い感じかもしれない。ちょっと保留。



 ムッ…ナラバ。私ハ。

 ヨ……ヨルン。ナンテドウダ?

 ヨルムンガンドを…短クシテ。。ダナ。


 むむむ。必死なその姿勢。無下に出来ん。

 語呂も良いし…2択であるな。他にはあるかい?



 ワイワイ…ガヤガヤ…

 覚えやすいからといって子犬につけるような名前はヤメテ!

 それで…なんでユミルは女神推しなの!?

 どさくさに紛れてペロペロしないの!

 グルルルル。。。。

 ウグァーキシャー!!!

 やめて!私の為に喧嘩しないで!

 ギリギリギリ。グイグイグイグイ。

 あー…即席スキル『世界樹の拳骨』 ドッゴォォーーーーン!!!

 よしよし。お直りなさい。

 何?生まれたばかりでそれは反則だって?

 ナニヲイマサラー

 …で、結局最初の2択ぐらいしか良いの出てないじゃん。

  


 さあ、どっちにする?

 私ノニシロ!



 ………そんじゃ。【ヨルン】で。




 こうして名前が決まりました。

 二匹揃ってなにやら魔力を込め自分の事を揃ってヨルンとする!


 なんて合わせて言った直後に。

 自分の体から暖かい光で包まれステータス画面に

 名前【ヨルン】が追加されたようです。

 名付ける時間に比べれば、実にあっさりとした演出だったが。

 これで晴れて自分もネームドモンスター【ヨルン】となったのだろう。


(という訳で。今から自分の名前はヨルンとなりました。ヨロシクね!)


「我はアスピク。キサマがヨルン。これで別な個体として名を冠した訳だ。」

「ウム。名付け親ハ私ダ。感謝スルノダナ。」


(はい。感謝します。だけど大丈夫かい?)

(なんだか二人とも。凄い表情してるけど)

 そんな名付け親の二匹の顔色は優れない。

 『世界樹の拳骨』がもしかして…とんでもない威力を出してしまったのかもしれない。

 とは思ったものの。あれしきの物理攻撃で彼等が根を上げるとも思わず。


「………いや。その。な。ココまで疲れるとは思わなかった」

「一体…キサマナンナノダ…タダの魔物トハ思エン…」

 原因は魔力を消耗しすぎた事による疲労であると伺える。

 魔物に名前を付ける行為って…そこまで疲れるものなのか。

 まったくもって…不思議である。


(それについては。自分もなんとも言えないもので)

(魔物として最初にこの世界に生れ落ちた経緯が…なんというか特殊でして)


「フム。理由ガアルトハ思ッテイタガ」

「我と同化していたのも、ちょっとした事故だったものな」


(転生したら蛇の魔物だったのよ)


「ナルホドナ。転生者カ。シカモ前世ノ記憶ガ…残ッテイタノダナ」

「我としては驚く事でも無かったが。他にはないのか?」


(他…? 言うなれば。この世界とは違う異世界というかなんというか)



「異世界…ダト? 転生者なウエニ…異世界カラダト?」

「守護者とやらから聞いてはいたが。

 我が知る限りそんなの聞いた事もなかったわ」


(強いて言うなら。正直。今こうして生きてられるのが不思議なぐらいだよ)

(争い事とは無縁だったし。多分)


「それについては。我のお陰だな。感謝するがいい」


(うん。感謝する。今後ともヨロシク。というかアスピクはこっちの事情)

(大体知ってたのね。まあ守護者と話せてたみたいだし。そりゃそうか)


「オイ。待テ。ナンダソノ守護者トカ。異世界トカ」

 こういう事情についてはどうやら、

 始祖竜であるユミルも知識が及んでいないようだった。

 ずーっと自分の中に存在していた【アスピク】はともかくとして。

 千年以上も長生きをしていたドラゴンでさえ、分からぬ事例だったらしい。


 話が長くなりそうだったので。

 とりあえずセーブをしようとした所で。

 アスピクが転生したのだから、

 今この状態でデータ3にセーブしろと言われました。


 自分としても異論はなかったので守護者に頼み、セーブをして。

 始祖竜であるユミルへ自分の知る限りの経緯を伝える事にしたのだった。

 アスピクも詳しい話は守護者には聞けなかったようで、

 興味ありげに聞いていた。


 そうしているうちに日は落ちかけている。別に戦慄の夜が訪れる訳でもないが。

 丁度良いのでロードによる影響を確認するためにスキルを使用。

 時は朝になり、説明された記憶を得たまま復元される。



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(確認です。記憶は残っているかい?)


「我はもう慣れてる。記憶も勿論残ってる」

「信ジガタイガ。理解シタ」


 多分自分は人間だったと話をしたが。

 始祖竜も何かを感じていたようですぐに信じたようだった。

 アスピスは元より知ってたようだったし。

 それが理由で敵対する事も無かったようだが。

 その後に、どちらかというとお前は魔物側だと言われてしまった。

 全くもってその通りと…返す言葉もなかった。


 他には何度も世界をやりなおしている…といった事も話したが。

 調べる事が出来た。そう始祖竜は言うだけで。

 その行為を咎められる事はなかった。

 むしろ、その現象を感じる事が出来るようになったので。

 何度か体験させて貰いたい。との事である。

 自分としても、特に問題のない方向へ話は進み。

 結果。今回の世界は。



 自分は。

 まったりしたい。

 癒しが欲しい。

 つまりそれ以外、何も決めてない。

 成り行きに任せ…気ままに生きる世界とする。



 アスピクは。

 自分の自由に動ける体を手に入れた事で。

 今回は好き勝手に生きたい。

 野良ラスボスの誕生である。



 自分の枷が外れたアスピクの行動は予想がつかないが、

 後でロードする事は確定事項。

 それはアスピクも承知しているので前回の自分のように暴れてやるだそうだ。


 ごめんよ。今回もこの世界に生きる者達は、

 またひどい目にあってしまうようだ。


 何より…アスピクは教会とやらの存在が気に入らないらしく、

 何度か滅ぼしてやるとかなんとか。

 そりゃあ…何度も何度も生まれたばかりで殺され続けたんだもんね。

 藁にも縋る思いで自分に憑りついて…

 この結果にまで持ち込めたというのが自己流で訳した内容である。


 自分としても、アスピクのお陰でこの世界を生き延びる力を得た。

 今後とも、友達として良い関係を続けたいが。

 魔物として生きるに積み上がる問題は山ほどにある。

 暫くは気のすむままに暴れさせてやろう。

 その結果がどうあれ、教会とやらの自業自得だ。

 最終的にどうなるかは知らんが。

 そのうち自分の目でもその教会がどんなものかと、確かめてみるとしよう。


 ユミルはといえば。

 世界を作り直しその時まで戻るという、能力による世界の影響を調べねば。

 という訳で暫くの間。その為に行動するだとか。

 悪い方向へ向かないように祈るだけだ。



 では、各自散開。

 よっぽどの事が無い限り。

 向こう10年は大規模なロードしないからね。とだけ言っておいた。


 その10年ぐらいが転機で世界に毎回何かが起きてる気がするのだ。

 前回で言えば、自分が『ヨルムンガンド』となった…みたいな事がね。



 何事も無ければ良いけど気になるのよ。その辺が。

 この世界に生れ落ちて10年で世界が終わりです系の出来事が目立つ。

 自分がやらずとも、いつかの魔人や魔王のような者達が事を起こす事になる。


 何かが起きれば同じ10年を繰り返すのも良いが。

 それではいずれ、変わらぬ時を毎回過ごすだけになってしまう。

 故に目的は決まった。そのうちその問題を解決しよう。


 これが今の最終目標だ。

 まあ、そもそも大規模なロードというロードの回数が少ないし。

 気のせいという事もあり得るが、その時はその時だ。


 何度か世界を繰り返し続けるうちに分かる事だろうし。



   *   *   *

親:蛇王【アスピク】

親:始祖竜【ユミル】

子:世界蛇【ヨルン】


性別なんて知りません。


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