進化の先
―――確認 『ソウルイーター』へと進化したことにより 以下のスキルを獲得しました
・特性
『体格変化』『抗体作成』『魂魄内包』
『空間収納』『内臓操作』を獲得
・通常スキル
『魂魄改変』『魂食い』『脱皮』『精神分離』を獲得
・攻撃スキル
『波動砲』を獲得
・耐性スキル
『腐食無効』を獲得
『封印耐性』が『封印無効』へと変化
・エクストラスキル『空間支配』を獲得
なんだ、進化をしていたのか自分は。
気がつかなかったな。
日が昇り、玉座の間だった場所を拠点とし。
次に何をすべきかと答えも出ずにぼけーっとしていた時だった
守護者は相変わらずだ。私の味方だな。
唯一、守護者さえ裏切らなければ、自分は自分のままでいられる。
―――確認 心からの喜びを感じました 裏切る事はありえません
分かってる、また何かがあれば頼んだぞ。
―――確認 スキルの確認を行いますか?
勿論だ、順次確認していく。
・特性『体格変化』
体の大きさを自在に変える事が可能。能力値も上下する。
種族の適正を外れると能力値が大きく減少する。
・特性『抗体作成』
身体に影響を及ぼす外的要因を察知する事により
それに対抗する抗体を作り出す能力
他者へ使用する事も可能
その抗体自体に他者が適応できるかどうかはまた別の問題
・特性『魂魄内包』
他者の魂魄を自分の身へと内包するスキル
内包した魂は、器が消滅するかスキルにより解放される機会がなければ
永遠に捕らわれ続ける事となる
・特性『空間収納』
魔力で作成した異空間に生命以外の物を収納することが可能となる
容量はスキル所持者の魔力に準ずる
・特性『内臓操作』
内臓臓器の操作が容易に行えるようになる
位置を変更。機能を操作。無理を通せば命に関わる事にもなりえる。
特性も細かい所に手が届くスキルが揃った。
魂魄内包については、今現在も意識すれば体内にその魂魄とやらが存在しているのが感じられる。
しかしそれが何なのか、良く分からないのが現状だ。
もしも自分が、何者かに討ち取られた場合。
食らった者達の魂が、解放されるエフェクトでも追加されるのだろう。
今の自分にとってはそんな程度の印象だ。
空間収納はお世話になるだろう。便利すぎる。魔力に順ずるというが。どの程度持ち込めるのやら。
体格変化も要は小さくなったり大きくなったり出来るという事か。能力変動には注意と。
内臓操作…感じた程度では良くは分からない。使い道はありそうなのだが。
そして抗体作成か。毒も麻痺も無効な自分にとっては、この抗体とやらがどの程度の効果を持つかだな。
他人にも使えるようだし、暇を見て検証するとするか。
・通常『魂魄改変』
その身に内包した魂魄を組み合わせの能力の向上。
単体でもその魂魄の意識を改変するスキル
しかし改変するだけで他のスキルと組み合わせなければ全く意味を成さないスキル
・通常『魂食い』
触れた者の魂をその身に捕らえるスキル
抵抗されなければ肉体を崩す事なく吸収可能
・通常『脱皮』
皮を綺麗に脱げる
通常の脱皮と違い、魔力が篭っているので有効利用が可能
・通常『精神分離』
仮初の精神を作り出し、身体に簡単な命令を行わせるスキル
複数の頭部が存在する場合に特に有効。
ふむ、魂関連がやはり多いな。
魂魄改変については深く調べる必要がありそうだ。
魂食いはその身に魂を内包させる事が楽に出来る訳だ。
抵抗されなければ触っただけで相手が死ぬ…という事だろう。
いよいよ持って対策が必須なボスキャラと化してきたな。
…ともあれ『星食い』がある時点で何を今更といった所だな。
んで、何気にスキルにも脱皮が来たか。
今まで生きてきた中で、脱皮といえば勝手に脱げてた感があるが。
スキルで脱皮か、綺麗に脱げる…どの程度綺麗に脱げるのか。初見の楽しみにしておこう。
しかしランクB+の魔物で脱皮を取得となるなんて…意外と凄いスキルなのかもしれない。
そして精神分離。
スキルを取得した時に、存在の危険を感じたが。
説明を見れば納得だ。もしもだが。
頭部が複数あるが何の機能も果たさないとか。
触手の本数が100本だが特に飾りですとか。
流石に今の頭で体の部位が増えてきた場合は操作しきれる自信はない。
別の人格が出来て、他の頭部からの命令で体を勝手に操作とかされた時には気が気でなくなるわな。
でも頭が二つぐらいならば、守護者がその頭役をしてくれるなら。
まあそれはそれで良いかもしれない。
―――確認 謹んで お断りします
…守護者が冷たい。
―――確認 その問題はリトルスネーク時代に解消しております
そういえば冷気耐性を得た経緯って。
―――確認 寒さに震える蛇の為 守護者が夜なべして 会得しました
…守護者が温かい。
―――確認 心からの喜びを感じました
………心からの感謝を。だが区切りにはまだ早いので、残るスキルを願います。
何気に一番気になるスキルだったりします。
・攻撃『波動砲』
魔力を指定の部位に収束
魔力の波と化して指定方向に打ち出します
主に頭部 触手 尾等から発動すれば効果が高くなります
『魔法弾』と似たようなイメージで使えそうだ。
しかし『波動砲』である。波動であるぞ?砲であるぞ?
実際に使ってみなければ効果の程は分からんだろう。
そして…説明を見る限り指定方向に打ち出すというのも気になる。
方向を間違えれば、自分がその『波動砲』の影響を受ける事もありえる訳だ。
その辺は錬度を高めて自滅を防ぐ必要があるだろう。
曲がり間違って尻尾より胴体方向に放ち全て消し飛びましたとか洒落にもならん。
後は忘れ物は無いかと見返してみたが。
なんだい、この『空間支配』というのは?
・EX『空間支配』
スキル所持者を対象。もしくは影響を及ぼす範囲での空間系スキルの使用を封じる。
もしくは対象の空間系スキルを自由に操る事が可能となる
唯一『蛇王の呪い』を打ち破った空間系スキルに対抗する為に生み出した
蛇王『アスピク』により賜ったエクストラスキルです
…へい守護者よ。まさかとは思いますが。
蛇王と交流なさっとるので?
―――確認 楽しい方です 自我に芽生え ごく最近対話が可能となりました
自我に…芽生えた。。。だって?
『蛇王の呪い』が打ち破られたという説明も気になる。
詳しい話は…?
―――確認 知らないほうが楽しめる と言っています
うーむ気になる、色々と。
自分も蛇王とやらとじっくり話したい。その『アスピク』とやらが名前なのかね?
―――確認 その認識で間違いありません 加えて進化条件のお知らせです
………ん? 珍しい。守護者側からその系の話が来る等とは。
―――確認 『ワールドイーター』『アスピク』の進化先が存在します
………ふむふむ、しかも種族として『アスピク』があるのな?
―――確認 ですが『アスピク』への進化はお勧めしません
………はい。
―――確認 『ワールドイーター』への進化を推されています。
………へえ。
―――確認
これは友として。別の道を歩んだ姿を見てみたい。
という個人的なお願いだそうです。
『アスピク』となるのであれば。
その体、貰いうけてでも阻止をする。との事。
それは、脅迫されてますな。
何も知らずにそっちに進化するのを防ぎたいと。
別に構わんが、『ワールドイーター』について進化方法については何かあるかね?
―――確認 食って食ってデカクなってりゃそのうち進化する だそうです
へぇ、際ですか。ついでに『アスピク』側は?
―――確認 呪って呪って呪いまくってれば なるそうです。
となると普通に生き抜いていればどちらにしろ『ワールドイーター』側だな。
勝手に『アスピク』へ進化する事態は避けれるか。
絶対に進化するなよ?絶対だぞ?なんてふられてる訳でもないみたいだし。
中の人。もとい中の蛇がそう言うなら従ってやろうじゃないか。
………とそこまで考えて、直接は話せないが。
守護者を通じてなら話せるんだろうか。と思いつく。
―――確認 可能ですが 長話をする気は無いそうです
守護者が言うなら、間違いはなさそうだ。
予想外だが、これで大分、蛇王とやらの理解が深められそうです。
―――確認 暫く寝る 起こすな 進化までがんばれ ( ZZZ... )
前言撤回、丸投げされた。『アスピク』側に進化すんぞコラァ。
―――確認 『蛇王の呪い』の対象をオマエにして 永遠に殺し続けるぞ (大激怒)
………はい、『ワールドイーター』へ進化するようがんばります。
洒落にならん。そんな不死身スキル持ち相手専用の拷問されたら
そのうち考えるのをやめる事になる…
―――確認 冗談だ 意識を乗っ取るぐらいで済ませる (満面笑)
………はい、どっちにしろ自分じゃなくなるじゃないですか。
共存の道を選びましょう。そうでなくても今の姿、自我がヤバイんですから。
―――確認 その点は評価する 我が楽しめてるのもそれが理由だ ~>°)m
………あれ、意外と本当に仲良くなれそう。
なんて思うのも、守護者が仲介役となってくれているお陰だろう。
実感は沸かないが、守護者以外にも自分の内に一つの人格が増えたという事か。
―――確認 追加情報『アスピク』について
………あ、はいどうぞ。
―――確認
過去に存在した魔王として世界を脅かした魔物
自我を持たずに永遠の命を持ったが故
命ある者と戦う事を続け世界に破壊の限りをしつくした種
勇者と呼ばれる者の手により異空間の彼方へと呪いごと送り込まれ
その存在が消え去ったとされていたが、呪いの存在だけが復活し
延々と現世に残り続けている。
永遠の象徴として神格化し、崇める宗教も存在している。
その後、現在までの『アスピク』の誕生については報告はなし。
呪いの存在をこの世界の教会が許さず『アスピク』へ進化する可能性のある種は
駆逐され続けているのが理由。
今現在では一介の蛇の中に自我が芽生えた『アスピク』が存在しています
なるほど、魔王として世界を脅かした種であると?これは心が躍る。
自我のない暴れるだけの魔物が、自我を持ち、知性を持って行動する。
それが強化となるか弱体となるかは分からんが。
自分が『アスピク』となりて、世界の動向を観察したい欲が沸々と沸いてくる。
―――確認 『蛇王の呪い』発動対象 『ソウルイーター』(無慈悲)
湧いてくるだけでちゃんと『ワールドイーター』へと進化しますよ!
―――確認 『アスピク』は我だけの姿だ ~>°)m
ああ、はいはい、そういう事ですかい。
つまりは、一種の独占欲をもってらっしゃる訳ですね。
敵に回す事だけはしたくないので、素直に譲っておくとしよう。
自分も『ワールドイーター』の姿が気に入ったらそっちを貰うからな?
―――m(`<~ 我は『アスピク』
唯一無二の 蛇王なり それ以外は許す ~>°)m
うむ、意外と可愛いかもしれん。
えーと、でもお姿だけ拝見しても構わない?
むしろ、見せてください。友として、イメージをしっかり固めたいのです。
―――確認 『ワールドイーター』としての姿を見せて貰えるなら 考えないでもない
よっしゃー、スキルゲットチャンスは得た。
なんだかんだで、命の危険も去りそうだ。
―――確認 やっぱり許さんだそうです
ちょっと、思考まで読むのは反則ですよ。
プライバシー侵害です。守護者に訴えますよ。アスピクさん!
―――確認
『蛇王の呪い』と『不死の肉体』は持ってるだろう?
残りは『威圧』や『蛇眼』の強化版みたいなものだ ~>°)m
ああ、これ等のスキルって…そういう事だったのね。
どうりで他のスキルに比べて桁が違うと感じてた訳だ。
一応その二つの強化版ってのも気になる所ではあるが。
―――確認 『アスピク』と同調 以下のスキルを獲得しました
・特性スキル『土竜遊泳』を獲得
・通常スキル『体質変化』を獲得
・攻撃スキル『蛇王の魔眼』を獲得
・攻撃スキル『蛇王の威光』を獲得
・耐性スキル『状態異常無効』を獲得
………あれ、今とんでもないコトがさらっと自分に起こった気がするんですが。
意識がすっごい勢いで掻き回されたというか。
『アスピク』とやらが体験した記憶の一部が垣間見えたというか。
…姿を見せてくれたというのだろうか。
何気にスキルも獲得出来ている。
しかしそんな事よりもあれが脳裏に焼き付けられたあの姿が『アスピク』なのだろうか。
………その姿は、やっぱり蛇だった。まさしく蛇だ。
そしてまごうことなく魔物である。蛇の魔物の王と呼ぶには相応しい姿だった。
野性味溢れる鱗の荒々しさ。ある種の美しさを兼ね備え、金色に光る眼にも引きこまれそうになる。
強大な体躯を持ち、尖った鱗が頭部から背にかけ、髪の毛のように流れを作っているのがなんとも自分好みだ。
その背に輝く『蛇王の象徴』であろう部位に至っては神話で目にするような現実離れした姿を印象付けされた。
うーむ、ラスボスクラスだコイツぁ。
………惜しい。とても惜しいが。
諦めるしかあるまい。
せめて『アスピク』の姿を実際に拝むのは、自分の中にいる蛇王をどうにか現世に復活させる。
元からそのつもりでがんばるつもりだったが。
自分の中の蛇王とやらは別段どうでも良さそうな雰囲気をしてらっしゃる。
ココまで来たんだ。とりあえず魔物道はイケルとこまで突き進む。
やるしかあるまい…アホ面かいて涎垂らしてる場合じゃないな。
意識を戻せば、ぼけーっと大口開けてどこを見ているんだか自分は。
周りに誰もいないよなぁ?
あっ………居た。
人間である。それには見覚えがあった。
『アサシンヴァイパー』二匹に確保を命じた男だな。
その人間を命令どおりにちゃんと、怪我もなく連れてくる事に成功したようだ。
そして自分に引き渡す所であったのだろうが。
その肝心の自分が、中の存在と誰にも分からないやりとりをしていたので。
彼等もどうしたら良いか分からず、困っていたらしい。
アホ面して涎ダラダラ垂らしていた系の所。見られたかな?
見られてしまったよね?
仕方ないね。見られてしまったものは仕方ない。
みぃーたぁーなぁ~?
なんて証拠隠滅を図る悪党思考をしてみるも。
眷属にはやさしくしたい所だし。
どれ、気合を入れ直すとするかな。
…ではなんとなくだが、いざ咆哮!
ルグオォォォォーーー!
どうよ?
結構迫力あるでしょ?
だから、股を塗らしてへたり込むのは仕方ないね。
『アサシンヴァイパー』には人払いならぬ蛇払い。
褒美は何がいいかねぇ、後で考えるとしような。
という訳で対話のお時間です。
(人間よ 質問に答えれば 生かしておいてやろう)
「は…はいぃぃぃ! なんでもおこたえします!」
(先ずはだな その前にそのだらしない格好をなんとかしてやる)
『液体操作』にてだらしねぇ部分をお掃除してあげ。
尚且つ『アサシンヴァイパー』に乱暴に扱われた結果であろう服装を整えてやる。
多少は緊張も解けるだろう。逆に怖がる可能性もあるが。その時はその時だ。
「ひぎゃあ! あの! 私はその! おいしくありませんのでー!」
なんとも正気とは思えない程にやかましい。
今すぐに切り捨てたい感情が込みあげてくる悲鳴だが。
まあ仕方あるまい。我慢だ。
悪党っぽい方が扱いやすいとは思ったが何事も挑戦あるのみである。
命の危険が無いと知れば一転攻勢に出られるかもしれんし。色々と様子見だ。
(そんなの知るか 臭いし不味そうではあるがな)
本当、見れば見るほど不味そうだ。
裕福そうな体つきをしてはいるものの、顔や服が汗まみれでなんとも言い難い嫌悪感が湧き上がる。
「は…はいぃぃぃい! ええと。私めは何をすれば!」
裏がえる声を必死で張り上げるも、同時に飛散する汗でなんとも気が散る事。
落ち着かせるにはどうしたら良いかと考えるも、落ち着く訳ないわな。
一国の住民を消し去ってしまった魔物の前だしと…そう思うことにする。
(話が早いな この国が 1日で落ちたと 各国に振れまわれば良い というのがやってもらう事だ)
こういう類はさっさと、何をさせたいか伝えて命の危険はないぞと伝えてやった方が良いだろう。
気が他のコトに向けば、今よりはマシだろうし。
「………ええ! っとつまりは。私めは。そのー。この情報を流すだけで?」
お、食いついた。役割を与えて外に出してやると伝えればとりあえずは生き延びられるからな。
(あとはお前の情報だ。この国で何をしていた?)
折角だしついでに聞いておこう。
現場は目撃していたものの、本人の口から聞けるのなら確信が持てる。
「ええと…私めは……しがない奴隷商でして…なんというか」
うむ、予想通り。イメージとしてそのまんまではないか。
(差し当たり 問題の無さそうな 人間をかどわかして集めているという所か?)
それにしても、一人でそれを成すには難しそうなものだが。
ふと思ってしまった。『アサシンヴァイパー』にはコイツ以外連れてこいとは全く言ってなかった。
もしかすると、仲間は居た。のかもしれない。
「へ………へい。その通りでございます」
でもそれについては特に妙な素振りは見せないな。
仲間がいるとか聞いても仕方ないし、掘り下げた所で特に有益な情報が得られるとは思わん。
別の場所に待機させていたから、等も考えられるが。
例えば街の外とか、推測ではあるが。
(ならばもう一仕事して貰おう この国にその奴隷達を集めて貰う)
ともあれ、やる気は十分に備わっているようだし。
目の輝きかたが違う。生き延びる道を見つけた男の目だ。
役割を与えてやった方が何かと都合が良いだろう。
「おやすい御用でさぁ…出来る限りやらせて頂きます!」
良い返事だ。声が裏返っているがなー。
(素直な奴だが 我が呪術にて枷は付けさせて貰う 期待しているぞ)
という訳でハッタリでもない、ガチでヤバイ呪術による枷をプレゼント。
命令一つでボンです。我ながら恐ろしい。でも我、魔物だもん。怖がられなきゃね。
「ひぃ…分かっております。拾った命。すぐには捨てませんよ。」
よしよし、頭をなでてやりたいが、また床を濡らされてはいかんしな。
(ならば仕事をするにも準備があるだろうしな 欲しい物ががあれば我に遠慮なく言うがいい)
という訳で飴を与えるお時間です。
多少なりとも向こうからの要求が出てきたので快く。
自分の懐でもない、国庫からの金銭やら何やら、あとは蛇の兵士を預け仕事に向かわせる事にした。
遅かれ早かれ、国が無くなったなんて世界に知れ渡るだろうし。
奴隷商人ごときで、火種が大きくなるとも思ってない。
本当の目的は『世界樹干渉』による第3の目ともなる能力を奴隷商人に植え付け
視野の一つを得たことだ。
そんな効果があると気が付いたのも、今回の眷属化の検証中に気付いた能力だ。
ランクAの魔物のスキル…すっごい便利…
ともあれ、そんな視野を手に入れた理由の一つは単なるお試し検証。
この巨大な蛇の魔物な姿では、どうしようもなく目立つので良い手はないかと思っての行動である
試しに人間の視野を確保してみた。効果の程は後ほどだな。
上手く遠くまでの視野を確保できれば配下の魔物にくっつけて状況確認なんかも楽になりそうだね。
ついでに、奴隷商人を相手にしていて気がついたが。
今の自分の体長は立地面より5メートルを優に超えている。
尻尾の先で立ち上がるとなれば………ひいふう。みぃ。。。
15メートル…いかないか?
確か、アナコンダとかデカイ系の蛇の体長で10メートルだとか聞いた事があるが。
現実的な大きさではあるか? やっぱり進化したてはちょいと動きづらい。
自重がとんでもないなこりゃ。
下手すりゃ自分の重さで動けなくなるのではないか?
初めて『エビルパイソン』に進化した時の感覚の一回り上を再び味わった…そんな感覚だ。
さて、今の自分の胴回りは…うーむ。とにかく太いな。人間一人…二人ぐらい軽く納まりそうだ。
確か特性に『体格変化』があったな。
思ったとおりの体格に変化出来るのだろうか。
縮まれー。縮まれーぃ。
そう念じて力を込めればあら不思議。半分ぐらいまでは縮まった?
一応人間台の視野にまでは小さくはなれた。
これ以上小さくなるとすれば…適正を外れて大幅な能力ダウンを受けるやもしれんな。
今のままでも十分キツイのだが、そもそも原理が分からんのを無理やり縮めてる感が凄い。
―――確認 現在のステータス値は通常時と比べ7割程となっています
流石に体躯が半分ともなれば能力ダウンもするか。
同じ膂力を持つ者が小さくなった場合。密度が高まって強化かと思ったが。
そうでもないらしい。
逆に大きくなった場合どうなるか分かるか?
―――確認 中身がスカスカになりさらに大幅なステータス低下と予想されます
なるほど、でもそうなると逆に器が大きくなって、基礎の体格がデカクなるとかない?
ワールドイーターっていうぐらいだからでかくなるのも条件に入ってそうだし。
―――確認 試す価値はあるかと思われます
うむ。守護者も同意見か。
となると、小さくなるよりはデカク。とにかくデカく生きるとしよう。
デカくなるにはとにかく食べねばならん。単純な事よ。
そう考えれば………重要な分岐点だな。
このまま腰を据えてじっくり魔物の国を作るか。
全てを切り捨て、何もかもを食らいつくして強くなるか。
『アスピク』か『ワールドイーター』。
前者の国を作れが『アスピク』
後者の何でも食らい尽くせが『ワールドイーター』
直感だがそう感じる。
『アスピク』は自我もなく暴れまわったと聞くが。
なんとなく、魔物の王という雰囲気が漂っていた。
呪いを得るためにも他者からの感情が必要だと思われる。
『ワールドイーター』はどうなのか。
本能の赴くままの姿が此方のような気がする。
何も感情も抱かず、他者を食らい、肉体的な強さのみを求めるような。
というのも、湧き上がる魔物の衝動を抑えなかった場合そうなるだろうという推測である。
下手に理性的に行動するよりも。
ただただ、全てを食らい尽くすだけの存在となれば『ワールドイーター』となれるのではないか。
となれば。組み立てていた浅くも単純な世界征服への段取りは全て廃し。
己の体一つだけで挑む気概が必要なのかもしれん。
自分の中の『アスピク』も『ワールドイーター』になれと囁いている。
ならば、そちらを選ぶというのが自分の選択だ。
今の姿ならば。出来るだろうな。
出来なければ。何度でも。何度でもだ。
自分は『不死の肉体』『蛇王の呪い』を持っている。
出来ないこと等何もない。
今の自分は魔物であり。その道を進むと決意を固めた存在なのだ。
何を今更。怖気づく必要がある。
他者を哀れむ気持ちなど。とっくに捨てた。
一国を滅ぼした魔物が後先考えてどうする?
他の生命は全て我がモノに。光栄に思うが良い。思わせる!
見よ…
10万近い眷族は。我が身と一つになれる事に歓喜しておる。
お前達の命は…我が全て頂こう。
そして我がどこまで先へ進めるか。
我が内で見ているが良い。
全て、全ての命を我が身に。
―――確認 称号『世界を食らうモノ』を獲得
* * *
方針がコロコロ変わっているような気がしますが。
自己の中に潜む意思に従う。それが当初の目的ですので何も問題はありません。




