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魔人戦 そして-NowLoading-

 『極大魔法』とは世界各国で禁呪とされる魔法の分類である。

 その魔法は一度の使用で百人単位の魔法使いが必要とされ。

 膨大な魔法力。場所と時間が必要となっている。


 肝心な威力の程は。一度発動すれば、その付近の環境が一変すると言われ。

 戦争において使うとなれば、最早個人の戦闘能力。

 兵の質等はまったくの無意味とされるぐらいの

 実に馬鹿げた威力を発揮する魔法である。


 使用した魔法使い達は、2度と魔法の使えない体となる者も。

 その場で命を落とす者までいると記載され。

 さらには、世界の理でさえ歪めてしまい。

 その地での人間は向こう100年間は生きられない地形となるまで伝えられている。


 故に。


 人間の間では禁呪とされているのが『極大魔法』に分類される魔法なのだ。



 だが、人間が100年生きられぬ地形を作る事になるその魔法も。

 魔物にとっては、人間が100年近寄れない環境を作成する魔法に他ならない。


 魔物に使用を躊躇う理由は無きに等しい。

 しかし、その魔物が『極大魔法』を使用した事例は人間が伝える限りに数件の報告があるにすぎない。

 使おうと思えば、こうも簡単に使える魔法であるにも関わらずにだ。



 今まさに、その『極大魔法』に位置づけられる魔法が放たれる時。

 一人の人間の姿をした何かが、敵対する者の居城に向け。


 禍々しい黒炎を纏う、その光珠を。

 全てを打ち砕き。焼き尽くし。

 人の手で作り出した全て物を消滅させるべく、その手から解き放たれた。



 兵士達はゆっくりと飛来するそれを見据えていた。

 敵軍であろう兵達も、その剣を止めそれを見てしまった。


 辺りは夜で、月明かりも無く。

 松明と魔法の光のみの薄暗い視野が眩しく照らされた。



 その人間の姿をした何かにとっては、兵士等捨て駒にしかすぎなかったのだ。

 ただ、この『極大魔法』が完成するまでの時間稼ぎとなれば良かった。

 恐怖を増徴させるだけの餌となればそれで良かった。


 そんな人々が絶望する様子を眺める二つの影が存在した。



 一つは人型の姿をする魔物。

 人はソレを魔人と呼んでいる。



 そしてもう一つの影。

 『極大魔法』の光に照らされる。


 異質な影であった。

 人間の構える居城の最上部から、ソレは全てを見下ろしていた。


 ソレもまた、魔物であった。

 蛇のような姿だが。その背には小さな翼が備わっている。

 口元を吊り上げるその様子には、

 少なくても楽しむという知性が備わってるように思える。


 この光景を楽しんでいるのであろう。

 その魔物は目の前の『極大魔法』には目もくれず。


 魔人を見据えていた。

 獲物を見据える狩人のように。

 玩具を見つけた無邪気な子供のように。



 音も無く。空が爆ぜた。



   *   *   *



 うわぁ…おっきい~。



 まるで小規模な太陽のように。

 近寄るモノ全てを灰にするかのような強大な力を感じる球体。

 それを目にした自分は感激していた。



 そうそう、こ~いうのが極大魔法だよね。

 ラスボスとかイベントなんかで、その系が使ってきそうな。



 アレが命中したら、この辺一帯はどうなるのやら。

 自分も直撃したら、ただじゃあ、済まなさそうだ。


 『不死の肉体』があるとはいえ、『蛇王の呪い』があるとはいえ。

 命の危険を感じるような攻撃に付き合えるほどに愚かではない…つもりであった。



 いやぁ、受け止めてみたいわぁ。

 投げ返してみたいわぁ。



 でも~無理だよねぇ~ありゃあ。

 でも~やってみたーいよね~♪



 だけどー、どうせなら、もっと相手が驚く顔を見てみたい。

 ねえ…魔人さん?



 さあて、人間さん。とくとごらんあれ。

 これが蛇の王様の力です。


 魔人さんも、活目して見るが良い。

 今から君の相手をする魔物が自分だよ。

 まずはド派手なこの光珠は予想通りに。



(ナンテ オイシソウ ナンダロウ)



・ユニーク『星食い』発動



 『極大魔法』を対象に。ユニークスキルである『星食い』を使用

 結果がどうなるか。ある程度は理解していた。

 どこまで派手になるかなんては考えていなかった。


 想像以上。文句無し。自分が求めていたものはコレだった。

 これからガチなバトルをしなくてはならない考えも吹っ飛ぶ程のこの衝撃。



―――確認

 『進化』が可能です

 『進化』先は『ユグドラシル・ティア』となります

 『進化』しますか?



 せめて情報だけと思い、戦いの後のお楽しみ取っておいたのだが。

 実際に進化が可能というアナウンスを聞き、さらにテンションが上がる。


 進化するなら今しかあるまい。

 この『極大魔法』を『星食い』にて捕食した余波により、

 一切の視界が遮られた、この瞬間しか。



―――確認 『ユグドラシル・ティア』へ進化を開始



 体が熱くなり。一回り小さくなった感覚を得た。

 『スネークリング』であった時は平均的な人間の大人サイズでの視界であったが。

 『ユグドラシル・ティア』となった自分の視野は子供サイズにまで縮まっている。

 体長もやはり短くなったようで、進化直後のこの感覚はやはり慣れないものだ。



 だが、体の大きさなど、問題ではない。

 何かがおかしい。今までの体とは訳が違う。

 『アサシンヴァイパー』よりも強靭な肉体である事を感じられ。

 『エビルパイソン』とは比べ物にならないぐらいに生命力に溢れている。

 そして『スネークリング』以上の魔法力を内包。

 むしろ、外の世界の視野。存在しうる全てが自身の魔法力であるようにすら感じる。


 姿の確認は残念ながら後になるが。

 間違いない…この姿は今までで一番最高の…魔物であると確信した。



―――確認

 獲得したスキルの詳細は後ほど

 戦闘中にて簡易に報告致します



・特性『生命の源』を獲得

・特性『精霊化』を獲得

・特性『魔分増幅』を獲得

・特性『無詠唱』を獲得

・特性『世界樹干渉』を獲得

・通常スキル『魔力感知』を獲得

・通常スキル『魔力奉仕』を獲得

・通常スキル『眷属化』を獲得

・通常スキル『再生能力』を獲得

・攻撃スキル『生命吸収』を獲得

・耐性スキル『魔法耐性』が『魔法吸収』へと変化

・耐性スキル『精神保護』が『完全なる精神』へと変化

・耐性スキル『呪術耐性』が『呪術無効』へと変化

・耐性スキル『属性耐性』のレベルが上昇

・耐性スキル『封印耐性』を獲得



―――確認

 情報量が過多

 習得スキルと未修得スキルの情報量に差異

 誤差が発生しています



 うん? つまり、スキルを並べたけれど、実際に獲得できてないスキルとか。

 これ以上のスキルもあるけど、表記しきれなかったという所かい?

 初めての経験だったが、守護者が把握しきれないとなれば。仕方あるまい。



―――確認

 その認識で間違いありません

 戦闘が終了した後に ラプラスにて解析を行います



 了解、未確定スキルがある以上は。

 新たに取得したスキルは効果を上手く使えればもうけもの。

 基本は進化前の現状スキルにてやりくりするのが良いな。

 身体能力については、ぶっつけ本番だが、前より悪い気はしない。


 この溢れ出る…力を扱いこなすにはちょいとばかり慣れが必要そうだが。

 まあ、なんとかするさ。



 さて、光が収まりそうだ。

 ココからは何もかもが、予想外の展開になるだろう。

 悪い方に転ばないように、初手だけはきっちり決めたいね。



 フッフッフッフッ…シャーッシャッシャッシャー!!!



(我 ここに 我の意思を理解するのであれば)

(直ちに 我が前に 平伏せ)



 『呪術』にて対象不問 無差別に意思を込め辺りに拡散!

 スネークリングの頃では無理であったが、今の姿であれば容易い事。


 先ほどの『極大魔法』の光と、突如現れた魔物の姿で多少の混乱はあったものの。

 一人が平伏し、それを見た他の者が平伏し、さらにさらにの連鎖反応。

 驚いたことに、人間全てが平伏したではないか。


 これはこれは愉快痛快なんとやら。

 上手くいくとは思ってなかった。というのが本音であり。


 魔人だけが、自分の前に立つという構図が出来上がるのだけが予想通り。

 問答無用で攻撃される、なんて事が無ければそれでいいのさ。



「貴様、何者だ?」

(ボクは見ての通りの魔物だねぇ)


 おお、喋った。意外とイケメン声。

 しかしまぁ、怖い怖い。眼光するどいねぇ、魔人さん。



「その魔物が何故だ? 人間の味方をしているのか?」

(うん 人間の味方をしている事になるね)

(美味そうな 魔法を見かけて ついつい)



「ふざけるな。オレの魔法を無効化出来るような魔物が人間に…等と」

(お前こそ ふざけるなよ? 魔物の精神に呼びかける魔法で)

(ボク達をこの地に呼び寄せたんだろ?)


「チッ…面倒臭い事に。

 貴様のような魔物ともなれば抵抗する事ぐらい容易だろうに。

 何故のこのこと、こんな場所に。しかも人間側を助けるだと?」

(それについては 楽しそうだったから とだけ言っておくよ)


「オレの目的はこの国を壊滅させるだけだ。

 用事がないなら、とっとと失せろ。魔物には用はない」

(生憎 こっちは用事があるし 断るよ)


「なら、邪魔をする気か? やりあうならそれだけで済む」

(勿論 そのつもり 楽しそうじゃない?)

 もう波動が見えそうなぐらいの威圧感。

 並みの人間だったらその場で失禁ものではないだろうか。

 恐れず自分が対等に話しかけられるのも

 今までの経験とスキルによるものであろう。


「…貴様、本当に魔物なのか?

 蛇の種族の奴らはちょっと脅せば大抵逃げ帰るもんなんだがな」

(生憎 ボクは特別でねぇ ちょーっとだけ暴れたいのよ 全力でね)


 魔人の表情が少し困惑気味になって来たものの。

 やる気はあるようで威圧感がとにかく凄い。

 一体どれ程の力が備わっているのかが図れないが、

 魔法力だけでなら自分が上回っている確信はある。

 物理的な力で言えば、現時点で最強の魔女っ子を体験しているが故に、

 基準がアレでソレなので恐怖感が麻痺している節もある。

 ともあれ、会話の中で興味を持たせる事が出来た時点でこの対話は成功であった。


「少し気になる奴だが。邪魔をされた手前。手加減は出来んぞ」

(望む所よ ついでにさっきの魔法 良ければまた食べさせてね~♪)

 ふざけた奴だ…と小さく聞こえるも。

 会話が途切れたその瞬間。


 『魔法弾』が文字通り光速で飛んできた。

 今の自分の知覚速度でも捉えきれない程の速さでの一射。


 しかし今の自分には『魔法吸収』という特性が備わっており。

 ダメージを受けるどころか、逆に回復してしまうという。

 理不尽さで相手の攻撃手段の一つを封じてしまっていた。



(それでは 此方の魔法も 受けてみるのじゃー)

 勝手にターン制バトル発動!

 腕前の比べあいならば、受けて攻撃してのこの流れこそが至高。

 という訳で自作魔法のお披露目である。



・『色彩魔法飴』《カラフルドロップ》発動!



 カラフルドロップと名付けたこの魔法。

『魔法弾』と『元素魔法』を鍛錬し続けた結果。

 綺麗な宝石のような魔法の弾にまで濃縮する事が出来た事で。

 良い名前が無いかなーと。宝石系を付けようと思ったのだが。

 複数色があっても覚え辛かったので。

 ちょっぴりファンシーに飴玉でいいじゃんとなり。

 こんな名前と化した『魔法弾』


 しかし威力は、おっちゃん曰くの折り紙付きである。

 無論、おっちゃんに見せたのは手加減を加えた状態の物であったが。

 魔人に見せるものは勿論全力である。



 1発2発3発4発と。数えていたとしたら何発だろう?

 触手より頭部より同時に射出される魔法の塊は狙いを外す事無く

 魔人へと着弾する。

 少しは驚いたかい? 魔人さん?



 効果の程はと確認する前に。お返しだと言わんばかりに飛んでくるソレ等が。

 自分が射出したものだと気づくのに一瞬固まったものの。

 別に避けなくて良いじゃん。と思うのも一瞬である。



(驚いた コレを跳ね返せるんだ)



「ふむ、やはりただの魔物ではないようだが。

 自我が備わり、自己流の魔法となれば。やはり魔人クラスか」



(それは 褒めてくれているのかな?

 もっと見てみたいなら 次はこいつを受けてみるかい?)


・『炸裂魔法飴』発動!


 先ほどのカラフルドロップを任意爆破させる系の魔法である。

 着弾爆破と違い、跳ね返す事は出来んだろう。

 そう思い、見た目は同じ。魔法力は同じ。

 ただ違うのは爆破タイミングが違うというだけの魔法。

 この2射目。どう対応する?


「評価はするが。オレには通じん」


 爆風が巻き起こるが、魔人は意にする事無く歩み寄る。

 まるで魔法という行為が無意味であると。

 自分には『魔法吸収』が備わっているが、もしや相手にも?

 疑いは深まるが。『魔法障壁』による効果である事には気付く事が出来た。

 つまり。『魔法障壁』の隙間にねじ込めれば魔法も効果があるということか?


「お互い魔法は効かんようだ。

 『極大魔法』を食うような奴に元々、魔法で勝負をしてやろうとは思わん。」


 魔法攻撃は甘んじて受けてやろうかと思ったのだが。

 肉弾戦する気満々じゃないですか。やだー。


(ボクは 魔法が好き なんだけど…)

「ぬかせ、貴様。元からオレとこっちで勝負する気だったんだろう?」


 …まあ言葉や心で思っても。

 こうなるこたぁ、分かってた。

 さて、覚悟を決めて。決意を固めるお時間だ。


 こんな体を貰ったんだ。負ける訳にはいかんよな。


「後悔するなよ。魔人にもなれぬ蛇風情が!」

(ボクが勝ったら 褒めてちょーだいね)

 小さい声で。再びふざけた奴だ…と聞こえたが。

 これ以上の会話は無いだろう。

 気を引き締め。ガチなバトルへの集中する時だ。




 …

 ……

 ………


 先に手を出したのは魔人だった。

 横薙ぎの一撃。


 手の先には鉤爪のような物が付いていた。

 伸縮自在。振り払う時のみに伸びるようで

 間合いを掴み辛いという厄介な部位だ。



 辛うじて避けたものの

 もしもあの速度で直撃していようものならば両断されていたであろう。

 そうでなくても、爪が通り過ぎる余波の衝撃だけで鱗が削れ落ちていくこの威力は尋常ではない。


 だが恐れるだけで反撃に転じる事なく見ているだけでは舐められる。

 此方も手札をきっちり見せていかねば、調子に乗られ流れを掴まれる。


 自分の武器、手も無く足も無く、牙はあれどこのタイミングでは使えない。

 牽制としての能力に最適な部位。それは『触手』である。


 変幻自在に動き、強靭で鞭のようにも槍のようにも。

 時には剣の代わりともなれるこの触手はまさに万能の武器。

 今の自分になら、例え相手が魔人であっても遅れをとることはない。

 そう確信している。



 触手の左鞭ジャブを数発。

 続けて右槍ストレートを一発。



 今までになく軽やかな連携だった。

 地面が抉れたのが不思議であり。

 魔人とやらが驚きの顔をしているのが見てとれた。

 ダメージは少ないが、互いに相手を知り本気を出すには丁度良い一撃となっただろう。



 気合を入れなおし、互いに相手を向き直る。瞬間、地面が跳んだ。



 比喩でもなんでもなく。

 自分と魔人を中心とした地面ごと吹き飛び宙に浮いたのだ。


 異常を感じ、間合いを離そうとした瞬間。さらなる異常に気が付いた。

 体が。動かない? 魔人の所為? アレ。もしかしてヤバイ?



 だが、驚いていたのは魔人も一緒だった。

 肉弾戦においても自分が予想以上に強かったのかもしれない。


 なんて思ったが、どうにもこうにも異常な事態であった。なんというか大地が遠い。

 少し遅れて確認したが、自分の体が根を張っていた。

 その根の力で地面が爆ぜて、

 自分と魔人が大地より数百メートルも高く移動していたと。


 どうやら、気合を入れすぎて触手を扱っていたが為に。

 体から根っこのような物が生えたらしい。

 理解したが、その根っこが体を固定し動けない。

 どうしよう、理解に体が追いつかん。

 素でヤバイ、真面目にガチに、戦いを楽しもうとした矢先にコレである。


 泣きそう…

 『ユグドラシル・ティア』である自分の体を理解してなかったが為の結果だ。


 毎回調子にのるとこういう事ばかり起きる。

 もう…ダメかもしれん…魔人と目が合ってしまった。


 ああ、動けん。動けない。移動不能。不能なら。

 耐えられるか?むしろ、根っこを操作出来るのか?


 不安定な足場に手間取る魔人も、攻撃に転じて鉤爪を振るう。

 触手を扱う要領で、蛇の体より突き出た根を意識する。

 イメージとしては触手より強靭で太い根を、拳のように振り上げる。


 鈍い音がした。鉤爪は自分の首を捉えていたが。

 切り裂くまでには至らなかった。

 何故なら自分の根が文字通り、拳となりて魔人を打ち上げたからだ。


 一先ずピンチは脱した。

 落着きを取り戻し、根っこの操作を意識すればその全てが体内へと収まっていく。

 こりゃあ、少し気持ちいい。


 おうおう、おっほっほう。


 やはり調子に乗っている自分がそこに確認できた。

 魔人の方は怒り心頭である。


 おちょくってるように見えたのかもしれない。

 だが、すまん。今の自分は進化したばかり。

 自分の体が少々変わりすぎて困惑している状態であるからにて。


 そこまで本気になられると、私めとしても困ってしまいます。

 ですから、その物騒な物。仕舞って頂けませんかねぇ?



 この目に確認できる分には。

 所謂、剣という代物なのですが。

 さらに言葉を付け加えるのであれば、魔法剣といった類の物。

 淡く白色に発光する、それに宿る魔力が『極大魔法』の比でないのですよ。



 本能的に感じるのであれば。

 アレを何の対策も無しに直撃を受けたのなら。

 おぅ…怖い怖い。

 胴体真っ二つで済めば良いのだが。

 もっと悲惨な目にあうであろう事は容易に想像がつく。


 だけど。そんな代物を出されるという事は。

 自分も相当に恐ろしい存在になれたという事であろう。


 睨みあいは続かない。

 先手を打つは魔人である。


 自分の知る限りでは、その剣術はフェンシングの様なスタイルであった。

 剣を触れさせさえすれば相手に打撃を与える事が可能というその魔剣の戦い方にあわせたスタイルなのかもしれない。


 無論、繰り出される攻撃は突きであろう。

 踏み込みは流石に速い。

 寸での所で鼻先を掠めるが、避ける事には成功。


 チリチリと鼻先で嫌な匂いが感じ取れた。

 こりゃあ、触れるだけで本当にヤバイ代物だ。


 幸いにも今この場は地上からは引き離された足場となっている。

 周りを気にする必要が無いというのは良い状況だ。

 意識する。根っこを操作し、不安定な今のこの足場の状況を。

 剣と剣で勝負をするに相応しいフィールド作りを意識して。


 僅か数秒。半径15M程度の平らな足場が出来上がった。

 魔人も周囲の状況に驚きを隠せず、様子を伺っていた。


 まあ、ココからが本番って訳ですよ。

 自分の『蛇王流剣術』…お見せしましょうか。


 『触手』に『魔力増幅』『硬質化』

 さらには『魔法障壁』を内包させ。

 ついでに『液体操作』にて滑り止めを作る。


 正眼に構えた『触手』の擬似的な剣は

 『アサシンヴァイパー』時代に培った物。

 完全な自己流剣術であるが。

 そこい等の冒険者相手に負ける事が無かったスタイルだ。



 待たせたね。こっちの準備はOKですよ。

 やるならきっちり全力で、先ずは此方からの~


 大上段に構え直しからの振り下ろし~

 からの根っこからの反射反動を利用しての振り上げ!



 やはり、思った以上の速さで繰り出す事が出来た。

 『アサシンヴァイパー』時代よりも格上の肉体だけある。

 相手方よりもタッパは低い自分だが上段攻撃でも相手を引かせる事に成功。


 対する魔人は今の攻撃の流れは避けきったものの

 踏み込みあぐねてるようだ。

 仕掛けてこないのであれば、続けて此方からいかせて貰おうか?


 触手を使い、羽根の用に軽く感じるこの体を操り、魔人の背面をとる。

 相手の反応速度を観察し、振り向く瞬間に触手突きを放つ。


 その一撃は魔剣にて防がれるものの。

 『魔法障壁』を内包した自分の触手にとってはただの剣。

 受け止められただけである。

 魔法の力の影響を受け、弾かれるなんて事にはならない。


 意を決した魔人は剣を振るう。

 1撃。2撃。3撃と、流れるように剣を振るう。

 横薙ぎであるなら、特に意識は不要。


 相手の手元を観察し、フェイントに注視。

 大地へと文字通り根っこを張り、全てを受け止める。


 感謝しよう。過去の『アサシンヴァイパー』時代の経験が

 今この場で、自分の命を繋いでいるのだから。



 対して相手の魔人は此方の剣捌きの一切を見切ることが出来ていないようだ。


 何せ、手元を見て剣の動きを見ることが出来ないのだし。

 受けにおいても瞬間的に『硬質化』を織り交ぜる事により

 万能の防御を誇れる『触手剣術』

『アサシンヴァイパー』時代には本来の知覚速度。

 身体能力にてゴリ押した感はあるが、

 それでいて尚、複数人のPTを相手にての大立ち回り。


 余裕のある相手の場合は、暴れん坊ヴァイパー的なノリで脳内BGMを流しながら戦ったものだ。

 それでもあの、一方的に師匠と呼んだあの男には、剣術で勝てることは無かったのだが。


 今に思えばあの師匠…何者だったんだろうか。

 お陰で剣術において、あれ以上の怖い物は無くなってしまって。


 目の前のこの魔人を相手にするのも苦にはならず。

 最初こそ防戦に徹していたが。

 隙を見ては、突き。余裕があれば剣を払い退け。

 手元を切り払い、間合いを詰めては剣を振ることを許さない状況すら作り出せる。


 魔人側も冒険者とは比べ物にならない腕前を持つものの。

 さらにその上を行く剣士を知っていて、尚且つソレを目指していた自分にとって。

 剣のレベルにおいては、この魔人より自分が上回っていたようだった。



 そもそも『触手』で剣とはこれいかに。



 ついに相手の剣が魔人の手元を離れ地へと突き刺さる。

 チェックメイト。剣に頼るのであれば最早、詰みです。


 だが油断はしない。

 調子には乗っているが、相手は魔人。

 剣以外の奥の手を持っている可能性はまだ残っている。



 …

 ……

 ………



 魔人の眼前に『触手』を向けているものの。

 動く気配は無い。本当に、手段を失ったのだろうか。

 そのまま数十秒の時間が過ぎた辺りで魔人がついに口を開いた。



「何故、殺らぬ?」


 …本当に手詰まりだったのか?

 …疑うも特に状況をひっくり返すような手段は思いつかず。


(ふーん もう終わりなの?)


 …少し子供っぽい感性はこの種族の特性だろうか。

 …なんだか、まだまだ物足りない。


「魔法も効かん。剣も通じん。悔しいがオレの負けだ。好きにするが良い。」


 …意外とあっさりした性格してるなぁ。

 …もっと高慢で他人を見下してなイメージだったんだけど。

 …強い相手は認める系男子だったか。


(やったー じゃあボクの勝ちね~)

(あと、逃げるならこっそり逃げてね)

(そのまま、そこにいると食べちゃうから)


「…オレを逃がすっていうのか?」


(別に~ 力試しに 魔人さんと 戦いたかっただけだし)

(どーせ 人間達も 一時的に命繋いだだけでしょ?)

(今回だけ ボクに免じて 撤退してくんない?)


「…なら。いずれまた会う事になるだろうが」


(うん また会った時は もっかい遊ぼうね)


「………」



 …あーら。行っちゃった。

 魔法の爆発に紛れて人間達の視界の外までは逃げられたみたいだね。

 あれなら、人間達も魔人が死んだものとでも思っていそうな演出ね。

 うんうん、素直でよろしい。

 これで自分も魔人に並ぶぐらいは強くなれたようだ。


 いやぁ、『ユグドラシル・ティア』って凄いね。

 この姿より上の進化ってあるのかな。気になる所よ。



―――確認

 過去の記録によれば先の進化は確認されていない模様

 以後の可能性があれば 新種となるでしょう



 ふむ、一先ずはこれにて打ち切りと。

 他の進化先であれば何かあるのかい?



―――確認

 『アサシンヴァイパー』であれば『イレイサー』『ロード種』

 『エビルパイソン』であれば『ソウルイーター』『ワールドイーター』

 『スネークリング』においても『ロイヤル種』等が確認されています



 ほうほう、つまり。王様系統みたいな感じで正当な進化するものと。

 ちょっと特殊な『ユグドラシル・ティア』みたいな進化先がある訳か。

 

 

―――確認

 その他 主と似たような種族には『コブラ種』『サーペント種』

 等の系統が存在しますが 主では適正が無く 進化は不可能のようです。



 ………ん。。。何か条件が必要とか。そういう系でしょうか?



―――確認 現状 これ以上の説明は出来ません



 まあ、それなら仕方ないが、どちらも蛇系のような気がするな。

 ともあれ現状自分が進化できる先はまだまだあるようで楽しみは残っている。

 それもこれも『セーブ&ロード』なんていうスキルを持ってるお陰か。

 これにはもう毎度ながらに感謝するしかあるまい。



―――確認 心からの喜びを感じました



 守護者ちゃん可愛い。ノルマ達成。

 では行動に移るとしよう。

 先ずは味方の蛇達である。


 おーい、お前等、集まれい~

 点呼!順番に鳴き声!


 シャーシャーシャーシャーシャーシャー×全部

 キューキューキューキューキューキュー×なんとか

 フシャーフシャーフシャーフシャーシー×少し

 キョエーキョエーギエーギエークー×ちょっと


 以下省略!

 全員居るな、大分食べたようだし。

 森へ帰るぞー、気をつけてなー。


 という訳でみんな帰っていった。

『アサシンヴァイパー』一匹を除いて。


 …あれ、帰んないの?

 もう一匹は普通に帰って行ったのに。

 なんかその一匹、結構ふらついてたよーな。

 流石に戦争ごっこしてたからダメージぐらい受けるよね。

 この子もまあ…帰らないっていうなら、別に一匹ぐらい問題ないか。


 思えば『セーブ&ロード』が無ければ自分はこの

『アサシンヴァイパー』系統の種族を選んでいた可能性が高い。

 なにせ『触手』があるんだもん。

 そうでなくても今の種族の『スネークリング』系統のどちらかであったか。

 …いや、多分『スネークリング』を選んでいた。

 今のこの姿を感じてしまえばこれ以外何がある?

 それほどまでに今の姿…何かが違う。桁が違うのだ。


 そうそう、自分の姿が変わっても魔物達には分かってるんだね。

 説明すれば国側の人間も分かるだろうし、深くは気にしないようにするか。

 逆に小さくなった事で少し甘めに見られるかもしれんし。


 とりあえずは、国王様に会いに行くとするかね 

 今の姿なら、さらに印象が~

 っとそうだ、自分の姿を確認したいね。

 鏡ぐらいは城内にあるだろう。

 ちょっくら見てくるとしようか、そうしよう。

 国王その他に会うのはその後で問題あるまい。

 では城内へ潜入。軍師か団長さんでも引っ捕まえて案内させよう。


 という訳で両方の姿を確認するなり、半強制的に連行!

 多少所か、相当な驚きようであったが。そんな事より確認だ。

『アサシンヴァイパー』もノリにノッテの軍師持ち運びスタイルである。

 ねえねえ、その人は食べ物じゃないからおろしてあげなさい。

 うん、乱暴に降ろされた軍師さんを抱き抱え、やんわり降ろしてあげるも。

 この子良く分かんない。友好的ではあるようなんだけど。


 事情を説明し、案内されるは王室と間違うぐらいの豪華さである客間だった。

 これで王様のお部屋ではないですよとは、やはりお城は凄い…


 本来であれば、この大きな窓から城下町が一望出来たのであろう。

 残念ながら今では半分廃墟と化した町並みとなっている。

 だがこれはこれで、個人的には楽しめる。

 もっとも、実際に住み着いてる人々にとっては堪ったものではないだろうが。

 魔物である今の自分にとってはこれでも十分住みつけるかなー

 なんて思ったり妄想が捗るのもある訳で。

 この国の行く末等、まったく頭に無かったのでそれ以上の感想は無かった。


 その他、豪華な金ぴかな装飾の椅子に机。衣装棚のような物もあればガラスのケース内には装飾品らしき飾りも見受けられた。

 天井は高く。吊り下げられたシャンデリアは真下に立てば

 落ちてくるトラップともなりそうなぐらいに見事であると感じるゲーム脳。

 そして今の自分であれば、その上で跳ねて遊べそうな程に

 大きめなベットが奥の部屋に見えたりと。


 …家賃はお幾らなのでしょう?と聞きたい。

 夢にまで見たセレブ生活体験版(蛇)とでも。



 さて、そんな事よりも、問題の鏡だが。

 丁度良い大きさのものがあった。

 人間が全身を映し出してまだ尚余裕があるぐらいの大きな鏡が。



 今までは水面に移る自分の姿を確認する程度であったが。

 今日は鏡。どこかの魔物のように姿が映らないとかはないよねぇ。

 そんな事を考えるも心配は杞憂だった。


 鏡に映るのは新しい自分の進化した姿。素直な感想を述べるのであれば。



 可愛いの一言で全てを表すことが出来た。

 なんだいこの、胸元のフリフリは。

 頭には猫耳ともつかず、ちょっとした植物のようなとんがり耳。

 くりくり大きな目玉はマスコットキャラのように愛嬌があり。

 舌をチロチロ出してみればそんな行為も可愛いという事場でしか表現できず。

 折角なので大口を開けて見れば…今までのように大きく開く事はなかった。


 そして、その背には例の翼であり

 スネークリングの時に生えていたあの翼と良く似ていたが。

 その翼の大きさだけは、前よりも大きく。

 ユグドラシル・ティアの可愛さに似合わない美しさを兼ね備えている。


 ふむむん、今までで一番

 人間と関わっても問題が起きそうにない姿をしているような気がする。

 人間と関わるのであれば、この系統の種族が良さそうだ。

 改めてそう思う。が、関わり方によっては多種族もまた視野には入るけども。


 まあ個人的には『スネークリング』系の種族であるなら付き合えそうな気はする。

 あくまで対話が出来ればの話ではあるけれどね。



 そんな考えをしながら、気になっていたベットへと潜り込む。

 うっひょー、ふっかふかやわぁ。


 サイズ的にはダブルベットよねぇ。

 デカイわぁ、ちょっと反発力が強い気がするけど

 別にこのぐらいなら快適ラインである。


 そういえば自分の体重はどのぐらいなのか。

 妙に軽い気がするが。

 その割に結構ナカが詰まってる感じがするという妙な感覚。

 色々と種族を経験してきたが。体感でしか分からないし。

 いずれきっちり図りたいものだ。

 体長何メートル?体重何キロ?みたいな感じでね。



 あー、しかしベット気持ちええわぁ。

 王様に会う前に寝ちゃいそう。

 そういえば『アサシンヴァイパー』はどこ?

 と思った矢先だった。


 顔が横にあった。

 乗っかられた。

 まきつかれた。

 ペロペロされた。


 あれ?


 こんなにフレンドリーでしたっけ。

 まあ、近くで見たらイケメンっちゃイケメンだわね。


 ほれ、可愛い奴め、舐め返してやるぞう。ほれほれー。


 なんて、じゃれついてるつもりだったのに…

 一層締め付けが強くなったんですが。

 ちょっと体格差ありすぎなんで加減してくださいな、イケメンさん?


 ええと動けないんですが、ちょっと痛いんですけど。

 別に痛いというよりも、密着具合が半端無くてですね。

 いえいえ。ちょっと嫌な予感がしてきました。


 ベットの上でまきつき、イチャイチャしてるんですよ。

 何もない筈がない。いや、でも蛇だし魔物だし。

 じゃれあうぐらい、可愛いもんでしょ。

 見る人によっては嫌悪感を示す恐れがあるのでご注意を。

 的な注意書きは必要かもしれない。


 ふぅ…だからそのー。

 『アサシンヴァイパー』さん?

 息を荒げてさらに密着するのはおよしなさって?


 ああ…察した。これ本気だ。

 つまりです、自分はメス側のようでして。

 密着しておるのですよ。アレが。ソレで。こうなって。


 本能のままに従うのであれば『アサシンヴァイパー』さんは

 相当にお強い訳でして、逆らう訳にはいかんのですよ。

 無論自分の方がこの子よりも強いと自負はしておりますが。


 魔物的にアレがアレでこうなってアレするとか

 魔物達にもそういう関係があるというのは興味があります。

 ですが、自分の体を使って実践するとなれば話は別であり。

 魔物として生まれてこの方、そういった感情とは無縁の存在であると思っていましたが。

 自分がそう思わなくて、相手側から気付かされるなんて思わなんだぞー。


 薄い本待ったなし。


 あ…いよいよヤバイ。

 こういう時はそのー。アレです。守護者ちゃんアレアレ。



―――確認 心のメモに残しておきます



 いえいえ違います。アレよアレ。



―――確認 ロードの準備をします



 いえ、すぐ出来るでしょう!

 なんで待つの!

 

 

―――確認 興味があるので



 え?え?守護者ちゃん?もしかして、腐った?



―――確認 腐る要素はありません



 いえいえ。自分ってそもそも。性別は。



―――確認 『ユグドラシル・ティア』の性別はありません



 あ…はい。。。いえいえ。でも彼は。そのー。



―――確認 性別はありませんが 子をなすことは可能



 ………まだまだ子供を作る気にはなれないのでお願いします。ロードを!



―――確認 ロード失敗 集中力が足りません



 我が貞操ココに終わった…本当に一番怖いのは守護者かもしれない。

 後で…後で。覚えていろよ守護者。ラプラス内に触手を割り増しだ。



―――確認 ロードを開始します





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 ………なんかお尻の辺りが痛い気がしますが今回も元気です。

 今回の生は魔人と戦闘で渡り合えるぐらいに強くなれたので大収穫です。

 魔物達も、生命としての営みを持っている事にも驚きました。

 何もない所から魔法の力で生まれる魔物もいるようなので生物として見ていなかった所がありました。

 今後、魔物の感じ方を変える必要がありそうです。


 守護者もレベルが上がり、会話のレベル等が自分に近くなりました。

 たまに反抗的な態度を取る事がありますが。好意的なレベルであるので今後もよろしく願いたい。


 ロードをするには早まったかもしれませんが。

 一国の行先をどうにかするまでに、人間側に情を移すにはまだ決意が足らず。

 心は依然と魔物側。中途半端であると自己を分析しました。


 魔物となったら、人間側と敵になったりもしてみたいじゃない?

 所謂、魔王を目指し突き進む一匹の魔物の物語。

 なにせユニークとして『セーブ&ロード』を持つのは自分だけ。

 いくらでもやり直しが効く能力で、少しぐらいは我が侭を通す事も出来る。

 その行為がその世界では許されないまでも。

 次の世界にて、まっさらな状態でやり直せるのだから。


 …しかし。この能力をどうにかして封じられた場合。そこで自分は終わり。

 そう考えれば魔王を目指すのも度胸が必要だ。

 こんなチートクラスの能力を持っているというのに自分ときたらとんだヘタレである。


 少なくても自分より上の強さを持つもの達がまだまだこの世界にはごまんといるようだし。

 魔王は冗談半分ですが。このまま自分の生が続くのであれば、いずれそうなるであろう事は想像が容易につきます。

 楽しみという楽しみが無くなった時。自分がどんな行為に及ぶのか。

 感情や自我がどう変わっていくのか。



 いっそのこと

 それならば

 イマノウチニ

 ワレ イガイヲ コワシテシマオウカ?



 自分が名前を覚えない理由。

 覚えてしまったら。壊し辛くなるじゃない?



 ならばなぜ

 こわさない?

 ナゼ ノロワナイ?

 ナゼ コロサナイ?


 

 まだまだ楽しいから

 作って練って形作り。

 最期に壊す。分からない?



 りかいできない

 わからない

 オナジダトオモッタノニ

 ニテルトオモッタノニ



 そのうち似てくるよ

 でもいっそ。次の世界を君に合わせるのも悪くない。

 自分達。友達にならない?

 もっと君の事知りたいな


    

 トモダチ?

 ワレヲ ツカワズ

 われを シラズニ

 なぜそういえる?



 だって君と自分と

 もう離れられないじゃないか

 なら、自分も君を知って

 共に生きたいと思うのはいけないかい?


 

 ならば ワレヲ

 ワレヲ メザメサセヨ

 愉しませろ ミセテヤル ミセテヤロウ



 もう時間だから言っておくけど。

 こうして君と対話が出来た事うれしいと思ってるからね。

 出来るか分からないけど楽しみにしておくよ。



   *   *   *

蛇の魔物ですので。蛇に好かれます。

当たり前の事ですが。人間からの恋愛感情等、期待は出来ません。

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