↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

断絶

{次のゲームを開始します}


{学校の教室に集まってください}


僕たちは、教室に行くことにした。

「31人」一人を除く全員が学校に来た。


{ゲームを開始します}


と表示された瞬間、教室の電気が全てなくなり、完全な闇と化した。


「え…?」


「なんで?」


「停電?」


色々な声が飛び交う教室の中で、テレビがついた。


{第2ゲーム}


{メモリー}


直人は息を呑んだ。


「ゲーム…?」


其の瞬間教室内の全てのスマホが鳴った。

みんなが画面を見る。


{記憶保持者:7名}

{記憶消失者:25名}

{参加者:32名}


直人は7人…


伊藤美月


山口大和


水野凛


田中悠真


山本結衣


渡辺翔


そして、僕。桐谷直人


7人。全員が蓮のことを覚えている。

直人は画面を見つめた。

すると、画面が変わり、文字が表示される。


{MISSION}


{この中に存在しない人物が一人います。}


教室が騒めく。


「存在しない人物?」


「どういうこと?」


直人は嫌な予感がした。

其の直後新しい文字が追加された。


{其の人物の名前を答えてください。}


直人の心臓が跳ねる。

いや、そんな筈はない。

とは画面を見つめた。


{制限時間10分}


そう表示された瞬間、教室のテレビにも同じ時間が映った。

カウントダウン。時間が減っていく。


「おい。」


不意に後ろから声をかけられ少し驚いたが、振り返る。

そこには、25人の中のリーダー的存在、そして、クラスの中で一番冷静な黒崎恒一が立っていた。


「これはどういう意味なんだ?」


直人は答えない。

だが黒崎はまだ続ける。


「存在しない人物って言ったよな?」


「ああ。」


答える気もなかったのに、答えてしまった。


「じゃあ。」


黒崎は僕たち7人の顔を見る。


「お前たちが言っていた蓮というやつなんじゃないのか?」


教室が静かになる。直人の手が止まる。


「……」


「違うのか?」


直人は黒崎のことを睨みつける。


「蓮は存在した。」


「証拠はあるのかい?」


直人は言葉を失った。


「何?」


「だから証拠って言ってんだよ。」


黒崎が一歩こっちに近づく。


「昨日からお前たち7人はずっと同じ話をしている。」


「『蓮はいた。』『蓮を覚えてる』」


「でもさ、」


黒崎は教室を見渡した。正確には、25人の方に向いた。


「俺たち25人は誰も覚えていない。」



「写真はあるのか?」


「…ある。」


そう言ってスマホを取り出し、写真フォルダを見せる。


蓮と撮った写真。

蓮が消える日に撮った。

確かにあった。


直人は其の写真を開く。


「これだ。」


8人での写真だった筈だった。

でも、今は7人しか映っていなかった。

蓮がいない。

別の写真や動画にも勿論蓮はいなかった。


「名簿は?」


黒崎が言った。

直人は走って名簿を取りに行く。

ページをめくるとクラスメイトの名前が書かれている。

でも、神谷蓮。其の名前がない。

直人の顔から血の気が引いた。

黒崎が冷静に言う。


「な?最初からそんな奴いなかったんだよ。」


「違う…絶対にいた。」


「俺たち7人は覚えている。」


「7人で口を合わせているだけじゃないのか?」


其の瞬間大和が大声を出した。


「ふざけんな!」


25人の目が一斉に大和のほうに向けられる。


「俺たちが嘘をついてなんになるんだよ!」


黒崎は其の怒りにも応えず、冷静に


「知らねぇよ。俺たちには関係ない。存在しない奴のことを語られても困るんだよ。」


と言った。


「関係ない?」


少し怒りが湧いた。


「お前らが忘れただけだろう?」


「忘れたんじゃない。最初からそんな人物はいなかった。」


「……」


直人の拳が震える。


「俺は見たし、会話したし、笑い合った。」


少し間を置き、


「そして、ここに確かに存在していた。」


美月がいった。


「私も覚えている。」


それに続くように残りの5人が覚えていると言った。


25人は何も言わない。

黒崎のみが7人を見ていた。

其の瞬間テレビから音がする。


{残り5分28秒}


時間がない。

そして黒崎が


「早く決めろ。存在しない人物を」


直人はスマホの画面を見る。

そして、名前を入力する。


『神谷蓮』


他の6人も同じ回答。

一方、25人の方も入力する。

其の瞬間、テレビの画面が変わる。


{回答が全て出ました。}

{7人:神谷蓮}

{25人:神谷蓮}

全員同じ答え…?


「全員同じだな…」


「当たり前だろ。俺は其の名前しか知らないんだよ。」


何かがおかしい。

其の瞬間テレビの画面が変わる。


{正解判定中…}


全員が同じ答え。でも、もしこの答えが蓮だった場合…


其の瞬間テレビの画面が変わる。直人の鼓動はものすごい速さだった。


{正解}


テレビから音が鳴る。


『全員の正解を認めました。次のステージへ移行します。』


其の字を見ながら直人は薄々感じていた。

このゲームは蓮を消すゲームではない。

蓮を思い出させるためのゲームなんじゃないかと。

其の瞬間教室のドアが開く。

そこには、


ーー誰もいない学校があった。


直人のスマホが鳴った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。