その1
「ハッ!」
「良かった。気が付きましたか」
「ここは・・・」
「救急車の中ですよ」
ほっと落ち着いた山城。
「もうすぐ、病院ですからね」
女性救急隊員が優しく話しかけてきた。
と、その時。
「おわちょっ!?」
救急車が急ブレーキを掛けたのだ。
「どうした!?患者乗せてんだぞ!!」
「ストレッチャーは一つしかねぇだろうが」
「どういう意味だよ」
救急救命士の男はそう言ったが、ハッとなり叫んだ。
「ちょっと出てくる!」
しかしその後に聞こえたのは。
彼の悲鳴とそれに続く銃声だった。
彼を撃った人物は、後ろの扉を開けて顔を見せた。
「はぁい☆ キミが山城新くんで良いのかな?」
「お前・・・大和か・・・」
感情ソフトが導入されたcomloid試作機二機のうち二機目にあたる大和。20代前半のスレンダー巨乳の姿をしている。
「見るからにチェリーボーイだねキミ。貰ったげよっか☆」
「生憎、機械には欲情しないんでね」
「あぁら残念☆でもまぁいいや。それより山城くん、瑞穂ちゃん、探してるんでしょ?」
「・・・ああ」
「ここに居るよ☆」
彼女は、山城にバラバラになった瑞穂を見せ付けた。
「うふふ。混沌とした、いい顔してるわね・・・やっぱあんたロリコンじゃないの?」
もはや否定する気力さえも失ってしまっていた山城。
頭の中で例のアレが躍る。いつぞや感じた事のある感覚。
『・・・ん?ロリっこいたから近づいてきたロリコンさんです?』
『わたし、まほうしょうじょになりたい!』
『だからね、こう『まじかる・さんしゃいんぱわー』とか、『まじっく・じゃっじめんと』とかつかって、てきをやっつけたいの』
『あらたはわるいことなんてしない!しんじてるもん!』
「僕は・・・一体、誰のためにこんな事を・・・」
ここまで来るのに何日掛かったのか。
御崎は飛ばされ知立は捕まった。もう、誰も邪魔する者はいない・・・
「そう・・・だ!」
意識が回復する。そして。




