第48話 覚悟と絶対条件
俺は覚悟を決めた。
俺は《奇跡》なんか必要としない。
◆
「タクマ?? 早く、三ツ星を発動させるんじゃ!」
トトナが俺に発動を急かした。
それもそうだ、状況は限りなく瀕しているからだ。
異人のトトナにはどうにも出来ないし、恐らく、他の従業員達も。
焦っていて、頭の中がぐちゃぐちゃだろう。
だから、願うんだろうな。
◇
『まず。期待されるのも、させるのもんってのが、一番さぁ~~目に毒だしwwwwぅんならだよ。だよ? たくまちゃんは、きっと動き辛いだろうね。俺だって、一番面倒だってうんざりしちまうよwwww』
◆
(確かに。うん……面倒くさいな、この期待の眼差し)
俺は後方さんの――魔法使いの言葉を思い出した。
これを失くす方法は、多分。
魔法使いの言葉に従うしかない。
「《英雄の拳》装着!」
俺は軍手を履いた両手の拳を合わせた。
すると、青白い光りと機械にような、ゴツイ半透明なものが装着した。
何て言えばいいのか。
ロボットの手みたいな感じだ。
「……タクマ? 主は何をする、つもりなんじゃ?」
トトナが俺のことを、信じられないものを見るかのように聞いた。
俺も息を飲んで、動悸と息切れを整えた。
「っご、ごめん……トトナ、さんっ」
俺は《英雄の拳》をトトナの頭上から振りかざして。
勢いよく、ぶん殴った。
ガッゴ‼‼
「!?」
トトナの身体が崩れ落ちた。
夥しい血が噴き出して、零れていく。
「っはー……はー……っつ」
俺にも血が噴きかかって顔も、服も真っ赤に染まった。
滑った感覚に背筋もザワついた。
◇
『心臓が止まったって……肉体の一部さえあれば。生き返る、って意味の重さが分かるかなぁwwww冷淡に、非道にもなんねぇと、生き残れないってんなら――堕ちる他ねぇじゃねぇかよ。それが……《情愛》ってもんじゃあねぇかなぁ? 違っちゃった?』
◆
「俺はあんたらの時間を止める覚悟が出来たよ」
大きく腕を振りかざして。
諸星さんの頭上を、津軽さんの頭上へと拳を振りかざして脳挫傷を起こした。
多分、頭蓋骨陥没と脳の損傷における出血だ。
ぼたぼたた――……
「『った、たくま、君』」
残したのは源さんだけだ。
彼は必要だし、手助けが欲しかったから殺さなかった。
「怒りますか。軽蔑してもいいですよ」
「『……そんなの、今は時間がないから。何も、言わないよ』」
「ありがとう、ございます」
「『あとでぶん殴ってあげるよ。フルボッコだ』」
◇
『ただな。1人は残せよたくま。人間はよぉ~~やっぱさ、1人でやれるには限界があんのよwwww限りなく信用における人間を選別して傍に置くんだ! いいな! これは絶対条件だ‼』
◆
「『それで。僕をどう扱うのか聞こうじゃないか、たくま君。いや――隊長』」
雷神の姿をした肩を竦めて、俺に聞くんだ。
応えは決まってる。
「雷を水中に放電して下さい」
「『! ああ。なるほど! 案外、馬鹿じゃないようで安心したよ。考えなしとばかりに思っていたからね』」
ビリ。
ビリビリ――……
「『了解! 牛男隊長‼』」




