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第25話 現れた追撃者

(これって。また――ヤバい展開パターンじゃないのかなぁ!)


 【34:19:31】


 俺は時計を見た。

 時間が喋っていたせいでかなり経っていた。

 焦っているからなのか。

 俺の息も荒くなってしまう。


 かなり、頭の中が混乱パニックになっている。

 自覚はあるから困る。


 でも、俺が困ったところで。

 問題は片付かないのも、また事実だ。


「よかったな! たくま!」


「?! っな、何が?? おじさん!」

「今回は魔物が出ないようだぞ!」


「っま、魔物」


 そういや、前も何か出て来て。

 おじさんが何かやって強制なんちゃらをしたっけ。


「……俺を強制退場リストラしないでね。おじさん」


「それりゃあ。くまちゃんの頑張り次第だぜー」


 笑いながら言うおじさん。

 まだ、笑ってくれるなら。

 まだ、大丈夫なんだ。


「うん! 分かってるって!」


「その意気。その意気ー」

 おじさんは俺の頭を撫ぜた。

 嬉しい反面、子供扱いされているという感じだけど。


 今は、それでもいい。


「っと。おじさん……時間がないよ」


 【29:19:07】


「もう。29分、切ってる!」


 俺はおじさんに今の時間を言った。

 おじさんも、

「後方ーあのさー~~」

 辺りに漂う後方さんに声を掛けた。

 

「お前達も帰れなくなるでしょーだからさーどう? おじさんと組まない?」


「組む? 俺とあンたが?? っぷ! っはっはっは!」


 後方さんが、またアバ化を解いた。

 口許には煙草が咥えられたままだった。

 どうなってんの、煙草それって。


子供そっちに嫉妬されねぇ? 刺されそうじゃね?」


 俺も目つきが険しくなっていて、後方さんを睨んでいたのかもしれない。

 口もへの字になってしまっていたのかもしれない。


「浮気、する気ね。俺と♪」

「んなのいいからー乗るの乗らねぇのか?」


 後方さんが後ろを見た。

 きっと、律さんと翡翠さんを伺っているんだろう。


「ま。たまにゃあ――裏切るってのも粋かもな」


 そう言うと後方さんがまた靄に変わったんだ。

 さらに俺達を包み込んで回転すると。


 辺りの空気と、光景が変わっていく。


 ◆


 トン! と。


 足が地面に着くと。


「ぉあ゛!」

 

 棚があった。


 ここに入ったときは、やっぱり緑の森で。

 中央でもある棚の域にはない。

 まるで、普通の倉庫内部だ。


「……嘘……すげぇ」


 俺は後方さんの見上げた。

 そんな俺に肩におじさんの手が乗っかった。


「さ。商品確保だ」


「! うん!」


 おじさんの後ろから俺もついて行った。

 ただ、後方さんはアバ化を解かない。

 それに俺は違和感を覚えた。


「?」


「くまちゃんー時間は?」

「‼」


 【27:44:19】


「27分っ」


 俺は慌てた。

 だって、このままじゃあ。

 間に合わない。


 いや。

 俺が怖いのは。


(リストラ、されちまう)


 ガシャン! と音が聞えた。

 音の鳴る方へと顔を向けると。


 鎧武者の翡翠さんが居た。


 ぞわ。


 ぞわぞわぞわぞわわわ――……


「っく、っもぉ゛おお゛」


 小さな蜘蛛の大群を引き連れて。


 【26:21:10】

 

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