拷問!
「う〜ん。此処は?」
気がつくと独房の中だった。そういえば、船に乗せられた途端に薬を盛られ、寝ていたのだった。漸く薬が抜けたのか、目を覚ました私。目の前には座った状態で手を鎖で上に吊るされ、上半身が裸の師匠と、同じく手を鎖で拘束され上半身裸で目隠しをされたハイドの姿が有った。
その近くには座った状態で拘束されたコルネリア様が居る。コチラは服を着ている。
取り敢えず、現状確認に入ろう。
私は座った状態で手を一纏めにされて上に吊るされている。私の前には既にボロボロの2人と、下を向いて震えているコルネリア様の姿が……。恐らく、ハイドの目隠しは殊技封じにかな?
うん、何が有ったかサッパリ分からん。
「師匠? 大丈夫です? というか、なんでボロボロ?」
取り敢えず、近くの師匠に声を掛けてみた。
「……。佳月、何が有っても能力の事は言うな」
「お前、利用されるぞ」
師匠に問うただけなのにハイドまで答えて来た。師匠だけで良いよ!
「えぇ、まぁ。言いませんけど……」
「拷問に耐えろ」
「それは、無理だと思います」
拷問されるの⁉︎ 師匠達がボロボロなのは拷問の影響?
「あら、お兄様。起きてらっしゃったので? では、続きといきましょうか」
おぉ! ハイドの妹、グロキシニアの登場である。手には硬そうな鞭を持っており、正に女王様だ。
「さぁ、早く吐いて下さいな。いいえ……。楽しみたいので吐かなくて結構です」
「えぇ……」
パシッン! っと良い音が辺りにこだまする。それはハイドに命中。かなり良い音だ!
「アハハ! アハハハハッ!」
高笑いしながら、交互にハイドと師匠を叩くグロキシニアは正に女王様。これ、さっきも言ったな……。
その近くで震えながら耐えるコルネリア様。子供になんてもの見せてるんだ
「うわぁ……。痛そう」
ドンドン皮膚が真っ赤になっていく2人。絶対、痛いだろう。
しかし、アレだ。顔の良い男が鞭で叩かれている姿って見ているとドキドキしてくる。変な扉を開けそうだ
「あぁ、起きてたのか。あまりにもグッスリだったものだから薬の加減を間違えたのかと思ったぞ?」
私が2人を見てドキドキしていると、カミルがやってきた。シマッタ……。コイツ居なかったのなら、殊技使って此処から逃げ出せば良かった。後の祭りである
「王がお待ちだ。行くぞ」
歩いて行くのかと思いきや、部屋そのものが動いた。これ、前にみた独房が勝手に動いて目的の場所まで連れて行ってくれるヤツだ!
私以外はその場に、私だけを連れて行く独房。ちょっ⁉︎ 1人はヤーよ!
「やあ、僕の半身。逢いたかったよ」
とうとう、王とご対面! 王様、ゴッさカッコいいな。イケメン通り越して、美形だわ。芸術だと思う
「初めまして僕は【ディーデリヒ=オドントグロッサム=ショーバーレヒナー】。一応、この国の王だよ」
ご丁寧に自己紹介をしてくれる王様は私の側に寄り、胸元に有る紋様をなぞりだす。コレはセクハラだ!
今、気付いたのだが、私の着ている服が何時ものジャージではない。何故か胸元が大きく開いたドレスを着ている。似合わねー
しかも裸足だ。
辺りを見回すと久遠とカミル、ラミルとソフィア様が居た。皆んな無表情で怖い。
3人はいつも通り無表情なのだが、ソフィア様も無表情なのが気になる。というか、目に生気がない。
「君は佳月だね? 親戚達が大変なんだとか。同情するよ」
ソフィア様を見ていると王様が私の前にしゃがみ込み、私の顎を掴み、顔を合わせてくる。顔が近い! その芸術的なお顔が近くに有るとドキドキするじゃないか!
「君の願いは【再試験】だろ? それなら別にコルネリアに付かなくても良いだろ?」
確かにそうだ。再試験を受ける為なら別にコルネリア様でなくても良い。
しかし、一度乗りかかった船。簡単に捨てるなんて出来ないし、何より捨てたくはない。私は裏切る気などは毛頭無いのだ。
私はプイっとソッポを向いたが、また顎を掴まれて正面に戻される
「 僕に付けば君の願いも叶う」
「私に願いなんてない」
「強情だね」
やっと顎から手を離した王様。私は再度ソフィア様の様子を伺う
「ソフィアが気になるのかい? 彼女には素直になってもらったんだよ。ちょっと飢えた男達の中に放り込んだ後に薬を打ってあげたら、この通り壊れちゃった」
「……⁉︎」
自分の妹になんて事してるんだ⁉︎
「さて、ここにソフィアに打った薬と同じモノが有る」
「……」
打つ気だね! 打つ気なんだね! そして、乱暴する気でしょ! エロ同人誌みたいに!エロ同人誌みたいに!
っと動揺を隠す様にふざけた事を思ってみたが……王様の後ろに数々の拷問器具が鎮座しているのを見て、巫山戯れなくなった。だって! 師匠が持ってるヤツと同じのが有るし!
「大人しく吐いてくれると助かるんだけどね」
注射器を私の側に置き、王様は再度私の前にしゃがみ込む。後ろの拷問器具の数々は仕舞って下さい。お願いします。
「君はどうやって黒を制御した? これだけ近くに居るのに気配を感じない。それに君は女なのに黒を持っている? 君は何の殊技を持っているんだい?」
やはり、この質問か……。




