第二十四話
これにて最終話となります。
皆様ごきげんよう。
はい。
オーレリア様とレスター様がご結婚されまして、それはもうオフィリア帝国はにぎわっております。
私とフィリップ様の結婚は来年となっていまして、はぁ、遠いです。
ですが、とにかく、ゲームはすでに崩壊していますが、本日をもってエンディングを迎えます。
はい。
当たり前ですが何も起こりませんでした。
婚約破棄も、断罪もありません。
平和なものでした。
ですが予想外にもマリア様が卒業生代表の言葉を述べられるまでに成長し、私は感慨無量でございました。
あぁ、さすがヒロイン。
そして、アレクシス様とヨハン様の、その、噂はですね、継続中です。
薄い本、秘密裏にばんばん製造されています。
ご本人方はご存じないのがせめてもの救いでしょう。
「ティナ嬢。」
そんな事を考えていましたら、アレクシス様とヨハン様がやってこられました。
「アレクシス様、ヨハン様、これまでありがとうございました。」
「あぁ。ティナ嬢、これを。」
「はい。こっちも。」
お二人に、胸に刺していた卒業生の花を手渡され、私は困惑してしまいます。
これは本来、意中の方や婚約者様にお渡しするものです。
私に?
何故?
あ、もしや。
「あぁ、お二人とも令嬢方に記念に下さいと言われる前に処分しようっていう腹ですね。」
その言葉に、お二人は苦笑を浮かべられると頷かれました。
やっぱり。
「ああ。そういう事にしていてくれ。」
「だから、ちゃんともらってくれよ。」
お二人からもらった薔薇の花は美しく、私はにっこりと笑うと頷きました。
「お花に罪はありませんからね。」
すると、マリア様がやってこられて私の手にある花を見ると、何故か鼻で笑われました。
アレクシス様とヨハン様はばつが悪そうな顔をしていますが、私には結局その理由はわかりませんでした。
卒業後、アレクシス様は本国へ帰国されます。
そしてヨハン様はアレクシス様の国へと学びに行かれるということで、少しさびしくなります。
あと、薄い本の製造が止まらなくなりそうです。
マリア様は何故か私の専属のメイドになるとおっしゃって、これからもずっと一緒ですねって言っています。
ヒロインがそれでいいのでしょうか?
ですが、マリア様が満足げなのでいいのかなと思っています。
これまで、皆様お付き合いいただきありがとうございました。
本日をもって、私も観察日記をつけるのをおしまいにいたしましょう。
『はは!面白かったにやめちゃうんだぁ。』
『でもこれからも一緒に遊ぼうねぇ。』
妖精さんは今日も元気に飛び回っています。
オーレリア様の奇行や、ヒロインの脱線ぶりなど本当に楽しい学園生活でした。
ここまで見て下さった皆様、本当に、ありがとうございました。
では皆様。
ごきげんよう。
最後まで読んで下さった皆様方、本当にありがとうございました。




