宿屋での出来事 2
何故か目覚めたので、3時更新です。
マルス達が食堂に入ってからしばらくして、サーシャが料理を運んで来た。
「うん! 美味しい!」
マルスが食事を食べた感想を口にすると、横で料理が口に合うか心配していたサーシャは笑顔となる。
「お口に合って良かったです。」
更に、イリス達も料理に満足したようで、全員が料理に満足したと分かり、サーシャは満面の笑みを浮かべていた。
丁度、サーシャの母親も食堂に姿を現し、マルス達へ近付く。
「どうだい?」
「とっても美味しいです。」
「なら、良かったよ。あんた達、良いとこの出に見えたらから、口に合うか心配だったんだよ。」
マルス達の言葉を聞いて、サーシャの母親は胸に手を当てて安心した様子だった。
「ほら、サーシャもいつまでもそこに居たら落ち着いて食べれないでしょ。」
「……う、うん。」
(あれ? サーシャは、何か言いたいことがあったのかな?)
マルスには、サーシャが何か言いたいことがあるが、言えずにいるような、そんな風に見えたのだった。
しかし、マルスがサーシャに声を掛ける前に、サーシャは母親の後を追って、食堂から出て行ってしまう。
マルスが、サーシャが出て行った方を眺めていると、マルスの隣に座っていたイリスが不機嫌な表情を浮かべ、イリスからの殺気で、マルスは背筋が凍る感じがしていた。
「……マルスは、ああいう可愛い子が好みだったのかしら?」
「へ? 何言ってんだよ?」
「だって、ずっと出て行った方を見てたじゃない。」
「い、いや、それは。」
マルスは慌てて弁明するが、中々イリスに聞いてもらえない。
「何だよマルス。お前イリスと付き合っておいて、それはないだろ?」
「節操がないですね。」
「それはダメだよーー。面白そうだけど。」
「だ・か・ら、違うっての! 何だか、サーシャが言いたいことがあるような顔をしていたから、気になって。」
マルスのその言葉に、イリスはジト目でマルスを見続ける。
「冗談よ。さっきのサーシャ、ちょっと様子が変だったわね。」
(な、なんて恐ろしい冗談なんだ。てか、さっきの殺気は、本当に冗談だったの?)
そんなやり取りをしていると、中年の男女グループに居た女性が、マルス達のテーブル前に移動する。
「ごめんね。ちょっと話が聞こえちゃって。……実は、サーシャちゃんのお父さんが、ダンジョンに行ったまま戻って来ていないのよ。私達もダンジョン内を探してあげてるんだけど、まだ見つからなくて。君達もダンジョンへ行くなら、気にしてもらえないかな。」
「そうだったんですね。分かりました。教えてくださり、ありがとうございます。」
マルスがお礼を言うと、女性は満足そうな顔を浮かべる。
「おいおい。あんたらが見つけられないんだ。こんな若えぇ奴らが見つけられる訳ねぇだろ?」
先程、若い男女のグループに絡んでいたガラの悪い男が、口を開く。
「そうかしら? この子達なら、出来ると思ったから声を掛けたのよ。」
マルスに声を掛けた女性が、ガラの悪い男に答える。
「……そうかい。ほら、行くぞお前ら。」
ガラの悪い男は、仲間を引き連れて食堂を出て行く。
「君達なら問題無いと思うけど、アイツらには気を付けて。」
ガラの悪い男達が立ち去ると、女性がマルス達に警告する。
「え? あの人達、何かあるんですか?」
「確証が無いから口には出来ないけど、一応関わらない方が良いと思うわ。」
そう言うと、女性は自分の座っていた席に戻って行った。
食事を終えたマルス達は、サーシャの下へ向かった。
「お父さんを探してくれるの?」
「うん。だから、サーシャのお父さんの特徴を教えてくれるかな?」
マルスは、食堂でサーシャの父親の事情を聞いたと説明し、サーシャの父親の特徴について聞きに来たのだ。
サーシャは、マルス達に自分の父親のことを説明する。
サーシャの父親は、ザクスという名前で、年齢は40歳、職業は上級騎士、現在は宿屋の店主をしているが、昔は冒険者としてそこそこ活躍していた。
サーシャの幼馴染が、冒険者をしており、ダンジョンに仲間と共に挑戦に向かったのだが、帰って来なかったことから、ザクスは救出に向かったのだ。
しかし、未だザクスは戻っていない。
「無理はしないで下さい。」
サーシャは、助けて下さいと言いたい気持ちを抑えて、そう口にする。
知り合って間もないのに、自分の父親を探してくれると言ってくれただけでも、サーシャは嬉しかった。
そんなことを言ってくれるマルス達に、無茶をして欲しくなかったのだ。
サーシャと別れたマルス達は、男女別の部屋で、夜を過ごしたのだった。
2019.7.20 190,000PV突破しました(*⁰▿⁰*)、




