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253.関所で

≪従魔マリアの習得度が一定に達したため、スキル「危険察知」を習得しました。≫

≪虫系統の種族である従魔マリアが「危険察知」「看破」「見通し」スキルを使用しました。「危険察知」スキルの派生アーツ「虫の知らせ」を習得しました。≫

≪従魔フローラがレベルアップしました。≫

≪従魔マリアがレベルアップしました。≫

≪従魔フローラの練度が一定に達したため、スキル「水魔法」がレベルアップしました。≫

≪従魔エラゼムの習得度が一定に達したため、スキル「伐採」を習得しました。≫

≪従魔フローラがレベルアップしました。≫

≪従魔シラノの熟練度が一定に達したため、スキル「気配察知」がレベルアップしました。≫

≪従魔マリアがレベルアップしました。≫

≪従魔フローラの熟練度が一定に達したため、スキル「収穫」がレベルアップしました。≫



 時々モンスターは襲ってくる事はあるものの、予定されている日程を順調に消化していた。

 今まで見た樹木は比較的リアルに存在していそうなものが多かったが、この辺りの樹木はファンタジーなものが多い。

 単純にあり得ない色だったり、実や木そのものの形状がおかしい物。

 ダイヤモンドダストのようなエフェクトを纏っている植物もあった。

 しかも誰も管理していない土地のようで、カラフルな木々が適当に並んでいる様は、森林というよりテーマパークにあるアスレチックのようである。

 

 俺はクエスト用の資料に付随していた植物図鑑を取り出して、指定された植物を採取する。

 木材も指定されている物があるので、エラゼムに切り倒してもらう。

 切り倒した物はカレルの体内に入れておくか、上に載せて乾燥させる。


 このクエストで採取された植物はインクや紙の材料にされ、それぞれ特性などの研究を行うそうだ。

 定期的に出されているクエストらしいが、今回は特別な仕様となっている。

 カレルの積載量を頼りに普段以上の木材類を指定された。

 代わりに貢献度や報酬も弾んでいるという。


 この辺りの交渉はトーザさん達がやってくれた。

 というより1分1秒でも削りたいトーザさんが鬼気迫る勢いで調整したそうだ。

 ほとんど脅迫のようだったと男性職員から聞いている。


 実際、採取する物のリストは俺が通る経路の順番に整理されていた。

 絶対に引き返させないというトーザさんの執念の賜物だ。

 これに報いるためにも、できる限り早くクエストを消化していこう。


 ……………………。


 俺含めパーティー全員がスキル『採集』を習得した頃。

 そろそろ国境と思われる場所に大きな白い物体を視界にとらえる。

 近づいていくと白い物体の正体は大きなテントだった。

 近くには真っ白な鎧を着込んだ騎士と思わしき集団が輪を作って話し込んでいる。

 俺はカレルから降り、その集団に声をかけた。


「すいません」

「だから! 大図書館で受注した方が来るまで……」

「待ってられませんね! 場所変更したことを伝えないとーー」

「すいません!」


 言い争いしていた人物たちが一斉にこちらを見た。

 よく見ると白い騎士たちに囲まれている司書服の男性がいる。

 その男性は俺と後ろに控えている従魔達へ交互に視線を動かした後、満面の笑みでこちらへ駆け寄ってきた。


「あなたがトーザが言っていたテイマーですよね! 研究材料取ってきてくれた!」

「……えーっと」


 男性の勢いに押されつつ、男性を囲んでいた集団に助けを求めるように視線を向ける。

 視線を受けた集団はそれぞれ視線を交わし、一番近くにいた女性が一歩前に出てきた。


「我々は司書ギルドより護衛の依頼を受けたパーティーです。2日前よりここに張られたテントの警備をしています」

「今回大量に木材を頼んだからね。そのまま引き取るのは難しいから、関所周りの空いたスペースで受け取ろうということになったんだ」


 話を聞いた俺はクエスト内容を確認する。

 特別木材の量が多い事は記載されていたが、提出する場所が変更されているというような事は書いていない。

 ……騙そうとしているわけじゃないよな?

 司書服の男性に了承を取り、関所へ向かい衛兵に確認を取る。


「あ~。その件は間違いありません。クエストを発注してから置く場所がない事に気づいたそうで……。そちらの支部長が慌てて受け入れ準備をしたそうですよ」

「はい?」


 俺はゆっくり司書服の男性に顔を向ける。

 どうやらこの人物が医学の国メディティアの支部長らしい。


「こちらの都合で急遽変更する事になったからね。説明責任は長である私がするべきだと思ってね」

「だからって説明の為に迎えに行こうとするのはやめてください。ある程度予定は聞いているとはいえ、入れ違いになる可能性もあったのですよ」


 司書ギルドの支部長の発言に護衛パーティーの1人が諫める。

 支部長は護衛パーティーに平謝りをした後、俺をテントの方へ案内した。

 ……支部長とお小言を言った人物の言い合いを聞いていて気付いたが、このパーティーはプレイヤーではない。


 全員住人で構成されているパーティーのようだ。

 総合ギルドや町中で見かける事はあったが、こうしてフィールドで関わる事はほとんどなかった。

 強いて言えば、シャーロット師匠とその従魔くらいだ。

 もしかしたら、アールヴ皇国の激戦中にもいたかもしれないが接触する事は無かった。


 これと言って特別な事ではないのかもしれないが、だからこそ今まで経験していなかった事に少なからず衝撃を受ける。

 俺の遊び方が普通のプレイングではない事はわかっているが、接触しなさすぎだろうか?

 ログアウトしたら春花に聞いてみよう。


 テントのそばまでやってきた俺は、支部長の指示に従って手に入れた木材および草花を並べていく。

 全ての確認が終わったところで、支部長から依頼の達成を宣言され報酬を渡される。


「さて、一番大変なクエストは終わったわけだが、まだいくつかクエストを受けてもらう事になるだろう。予定がないなら、これから司書ギルドに案内しようか?」


 その言葉を聞いてログイン時間を確認すると、あまり時間が残されていない。

 俺は後日訪問する事を伝え、その場で別れることにした。

 一応関所を超えメディティアに入国した後、ログアウトする。


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― 新着の感想 ―
この更新でちょうど作品開始から7年ですね。 遅ればせながら、7年目おめでとうございます!
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