行進
なんだろ。昔からフランス語は習得したいと思っていた。ただ、何と無く。
英語はそこそこ話せる。フランス語はなんかお洒落なイメージもあるし。
新型ウィルスが終息して、この自粛生活が去ったならパリに行きたい。
エッフェル塔を見ながらクロワッサンを頬張る。
「ボンジュール」って、店員に挨拶しながら。
そんな想像がふつふつと湧きあがる。
理由:【旅行に行った時に話したいから。 】
【入力した項目を送信します】
タップし画面が切り替わった。
【詳細を登録メールアドレスに送信しました】
「よし。完了。いつか旅行に行く日までには、日常会話くらいは習得しとこう。楽しみになってきた。
しかも先生イケメンぽいし」
スマホを見るとラインがきている。
【ユキナ:サエさん最近どうですか?夜オンライン飲みしません?】
会社の後輩のユキナからだ。ユキナとは年齢も近く、部署も同じなので仲が良く、自粛前は仕事終わりに、いつもユキナと飲みに行っていた。
【サエ:おけ。七時スタートで良き?】
すぐにユキナからミニーマウスのokのスタンプが返ってきた。
****
「サエさーん。お疲れすー」
久しぶりに画面越しで見たユキナは黒に近かったヘアカラーが、明るめのピンク系ブラウンに変化していた。
そんなユキナはごくごくとグラスに注いだ生ビールを飲んでいく。
「やー久しぶりですよね。サエさん元気ですか〜?」
「元気よ。この通り。てか、ユキナ髪明るくなってない?」
「あっ、バレました?この前、初めて自分でカラーしてみたんです。アマゾンでセルフカラー剤買って。上手くないですか?」
「自分でしたの?うまっ。違和感ないわ」
「美容院行けないんで、やってみたら意外と上手くできて。出社も無いし染めちゃいました」
「うん。色似合ってる。いいじゃん」
「あー飲みに行きたいっすよねー。そういえば最近先輩どうなんですか?彼氏できました?」
「できてないよ。自粛じゃ出会いもなく無い?辛いんですけどー」
「ちょ、何言ってんすか、先輩。今、チャンスですって」
「え・・?どいうこと?」




